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流れ行く時間の中で…。
子供達…。
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リーンはルークと出会い、双子のジーンとユーリを産んで、三つ子のミーナとニーナ、キースを産んで、それぞれの子供達が、大切な人を見つけて…大人になっていく…。
リーンはそんな家族を見守っていた。
そんな中、ソフィアの血を受け継ぐミーナの能力が発現た。
突然、見えるはずのない遠くが見え、聞こえるはずの無いたくさんの声が聞こえるようになり、怖くてミーナは学校に行けなくなり、部屋に閉じこもるようになった。
心配したルークが私に連絡を取ってきて、慌てて王都のお屋敷に戻ってきた。
ミーナはリーンの姿を見ると、泣きながら抱きついて来て、ここまでが限界なのだとリーンは思った。
「ミーナの力を制御出きるように、教えてくれる人の所に行こうか」
「…私だけ?」
ミーナは不安そうにリーンを見上げる。
「うん。ミーナだけ。ニーナとキースはこのまま王都の学校に通うよ」
「…。」
「また、みんなで集まって旅行したり、遊びに行くには、ミーナの大きな魔力を自分で操れるようにならないとね」
リーンはそう言って微笑んだ。
ミーナは、俯いて寂しそうに頷いた。
分かってはいた事だけど、実際にミーナの寂しそうな顔を見ると心が痛む。
ミーナは、ニーナとキースには、当分会えなくなる。
泣きじゃくるニーナをなだめて、ミーナは魔女王ソフィアの所に行った。
…まあ、ソフィアに連絡して、『魔女の抜け道』を使ってミーナを迎えに来てもらったのだが…。
時々、ミーナはソフィアに『魔女の抜け道』を使って連れてきてもらい、ニーナとおしゃべりをするようになって、少し落ち着いた。
ミーナは魔女王ソフィアと私の子供だから、いずれ成長が止まってしまい、長い時間を生きる私達のように、時間が止まり、ニーナとキースとは違うのだと、気が付くだろう…。
…そうなった時、寂しくないように、長寿の友達を作れていると良いなと、希望を抱いて…。
子供達の成長は早く、しばらく王都に来ない内に、身長が伸びて、それぞれに興味を持つものも出てきた。
ニーナはお菓子作り。
屋敷の厨房を借りて、時々作っていて、この間行ったときに、アップルパイが出てきたのには驚いた。
ミーナと一緒に食べるのだと笑顔だった事にホッとした。
キースはユーリの時と一緒で、剣を習い始めた。
『お父様みたいになりたい』と、子供向けの、以前ユーリが使用していた体力作りのメニューをこなしているみたいだ。
先が楽しみだ。
リーンは森の中を歩き、近くに行くときは、それぞれの様子を見に訪れていた。
離れ離れで暮らしているけれど、それぞれ元気に暮らしているので、安心していられる。
一人でいる時は、思わなかった幸せが、想いが、感情が有るのだと感じた。
たぶん、あの頃よりも、感情と言うものをたくさんの身につけたように思う。
グオルクに行った、ユーリがキリトと一緒に暮らし始めた。
キリトが根負けしたみたいだ。
きっと産まれた時から成長を見ていた子供ではなく、ユーリを女の子として、いつしか見るようになったのかもしれない。
時間が有るときに、キリトにコッソリと聞いてみよう。
グオルクの獣人ヒイロとチイの子供のルナは、ユーリと幼馴染みなので、よく一緒に遊びに行っているらしい。
ルナはユーリと一緒で、グオルクの役所に入り、ルナは受付をしている。
子供の頃、リオナスの役所で、三人が受付のお手伝いをしていたのを思い出す。
その影響もあるのかな…。
ジーンがタミネキ村の『世界樹』のもとにある、神殿の神官長になった。
『世界樹』のフリクも少し成長して、片言だけど話が出きるようになった。
ジーンはロキに言われて髪を伸ばし始め、肩を覆うくらいに長くなり、金色の長い髪は、神官服をまとったジーンを神聖な者のように輝いて見せる。
ジーンの見た目の効果は、神官長補佐のアミュールが泣いて喜んでいた。
普段のジーンを知っているだけに、威厳を持たせたがっていたから…。
目まぐるしく、私の回りの時間が過ぎていく。
それを『楽しむ』と言うことを覚えた。
子供達の成長を見ているのは楽しい。
たとえそれが、『私』より先に消え行く者だと分かっていても…。
リーンはそんな家族を見守っていた。
そんな中、ソフィアの血を受け継ぐミーナの能力が発現た。
突然、見えるはずのない遠くが見え、聞こえるはずの無いたくさんの声が聞こえるようになり、怖くてミーナは学校に行けなくなり、部屋に閉じこもるようになった。
心配したルークが私に連絡を取ってきて、慌てて王都のお屋敷に戻ってきた。
ミーナはリーンの姿を見ると、泣きながら抱きついて来て、ここまでが限界なのだとリーンは思った。
「ミーナの力を制御出きるように、教えてくれる人の所に行こうか」
「…私だけ?」
ミーナは不安そうにリーンを見上げる。
「うん。ミーナだけ。ニーナとキースはこのまま王都の学校に通うよ」
「…。」
「また、みんなで集まって旅行したり、遊びに行くには、ミーナの大きな魔力を自分で操れるようにならないとね」
リーンはそう言って微笑んだ。
ミーナは、俯いて寂しそうに頷いた。
分かってはいた事だけど、実際にミーナの寂しそうな顔を見ると心が痛む。
ミーナは、ニーナとキースには、当分会えなくなる。
泣きじゃくるニーナをなだめて、ミーナは魔女王ソフィアの所に行った。
…まあ、ソフィアに連絡して、『魔女の抜け道』を使ってミーナを迎えに来てもらったのだが…。
時々、ミーナはソフィアに『魔女の抜け道』を使って連れてきてもらい、ニーナとおしゃべりをするようになって、少し落ち着いた。
ミーナは魔女王ソフィアと私の子供だから、いずれ成長が止まってしまい、長い時間を生きる私達のように、時間が止まり、ニーナとキースとは違うのだと、気が付くだろう…。
…そうなった時、寂しくないように、長寿の友達を作れていると良いなと、希望を抱いて…。
子供達の成長は早く、しばらく王都に来ない内に、身長が伸びて、それぞれに興味を持つものも出てきた。
ニーナはお菓子作り。
屋敷の厨房を借りて、時々作っていて、この間行ったときに、アップルパイが出てきたのには驚いた。
ミーナと一緒に食べるのだと笑顔だった事にホッとした。
キースはユーリの時と一緒で、剣を習い始めた。
『お父様みたいになりたい』と、子供向けの、以前ユーリが使用していた体力作りのメニューをこなしているみたいだ。
先が楽しみだ。
リーンは森の中を歩き、近くに行くときは、それぞれの様子を見に訪れていた。
離れ離れで暮らしているけれど、それぞれ元気に暮らしているので、安心していられる。
一人でいる時は、思わなかった幸せが、想いが、感情が有るのだと感じた。
たぶん、あの頃よりも、感情と言うものをたくさんの身につけたように思う。
グオルクに行った、ユーリがキリトと一緒に暮らし始めた。
キリトが根負けしたみたいだ。
きっと産まれた時から成長を見ていた子供ではなく、ユーリを女の子として、いつしか見るようになったのかもしれない。
時間が有るときに、キリトにコッソリと聞いてみよう。
グオルクの獣人ヒイロとチイの子供のルナは、ユーリと幼馴染みなので、よく一緒に遊びに行っているらしい。
ルナはユーリと一緒で、グオルクの役所に入り、ルナは受付をしている。
子供の頃、リオナスの役所で、三人が受付のお手伝いをしていたのを思い出す。
その影響もあるのかな…。
ジーンがタミネキ村の『世界樹』のもとにある、神殿の神官長になった。
『世界樹』のフリクも少し成長して、片言だけど話が出きるようになった。
ジーンはロキに言われて髪を伸ばし始め、肩を覆うくらいに長くなり、金色の長い髪は、神官服をまとったジーンを神聖な者のように輝いて見せる。
ジーンの見た目の効果は、神官長補佐のアミュールが泣いて喜んでいた。
普段のジーンを知っているだけに、威厳を持たせたがっていたから…。
目まぐるしく、私の回りの時間が過ぎていく。
それを『楽しむ』と言うことを覚えた。
子供達の成長を見ているのは楽しい。
たとえそれが、『私』より先に消え行く者だと分かっていても…。
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