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名前を呼んで…。(番外編) その後のヒナキとユグの話
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ヒナキはリーンの服を借りて着替えるだけだったはずが、朝からユグにイかされて、気がつけばお腹が鳴り、昼前になっていた。
「お腹空いた…」
ベッドに横たわりヒナキが呟くと、ユグは部屋を出て、果物の入った籠をもってきた。
朝、隣に居なかったのはコレを取りに行っていたみたいだ。
ヒナキは身体を起こし、籠の中から一つ取ると噛りついた。
採れたては新鮮で美味しい。
ヒナキが食べているのをじっとユグが見ていて、何故か少し照れくさい…。
ユグは、もともと木霊なので、大気と水と大地があれば、食事というものは必要ない。
たまに口にするものは…水と僕の体液…。
思い出して頬を染める。
アレを飲んで大丈夫なのか…?
ソレより、しつけだ!
ヒナキはキッとユグを睨んだ。
「…もう…朝から僕に触るなよ…クルーラに戻れなくなる…」
「…だって…アレ…可愛かった…」
アレって、下着の事だよな…。
思い出してヒナキは頬を染める。
もう二度と履くもんか!
「…夜なら良い…?」
「…触らせてるだろ!」
ユグから魔力をもらうたび、身体が反応してユグの好きにさせているのだが…。
それでは足りないのか?
二日か三日に一度がだが、僕にはこれ以上は無理だぞ!
「…僕の体力が持たない…」
「…我慢するから…だから…アレ付けて…」
ユグが上目遣いにヒナキを見てくる。
アレとは?
「…ぷにぷに…可愛いかった…」
ぷにぷに…?
ヒナキが首を傾げると、ユグがドロドロになって脱ぎ捨てられた下着を持ち上げた。
その下着か?!
ヒナキは真っ赤になって、もう二度と履かないと誓ったのに、すぐに覆さなくてはいけなくなった…。
「…夜に…ソレを…履いたら…朝から触らない?」
ユグは嬉しそうに何度も頷く。
…まさかアレを気に入ってしまうとは…。
…僕がアレを履いて、ユグに魔力をもらい、満たされれば…朝には、クルーラに戻って仕事や自分の事が出来る…。
魅力的な誘いだが…僕がしつけられてる…?
…お互い様か…。
ヒナキは割りきって、ため息をついた。
「約束だからな!」
「やった!」
ユグが喜ぶなら、仕方ない…。
そう思うようになってしまった。
「…ああ…ついでにだが…」
ヒナキは思い出して、ユグに聞く。
「…どうして…僕の名前を…呼んでくれないんだ…?」
「…。」
喜んでいたユグの表情が固まる。
「…言わなくては…ダメ…?」
「…ユグの声で…呼んで欲しい…」
ヒナキはそう言って、真っ赤になってシーツに顔を埋める。
何を言っているんだ僕は?!
「…まだ…一つにならないから…」
だから、何だって?!
ヒナキがシーツから顔を上げてユグを見ると、ユグはまっすぐにヒナキを見ている。
「…僕の魔力に…まだ…染まらないから…」
ユグの魔力に…?
「…僕だけの…魔力に…ならないから…」
今、ヒナキはユグに魔力を分けてもらって生きているようなものだ。
効果の切れた『長寿の実』の変わりに、ユグの魔力を受け入れ、身体が少しづつ変えられている…。
…ソレが終わらないからか…?
「…全部、僕の魔力に染まるまで…呼ばないって…決めた…」
それは、本で読んだ『願掛け』のようなものか…?
名前で呼ぶためには、早く魔力で染めたい…。
でも、一変に染めようとすれば僕の身体が壊れる…その境目で、ユグは葛藤しながら、名前で呼ぶために名前を呼ばないのか…。
ヒナキは理由を聞いて、何故か口許がニヤケてもとに戻らなくなった。
「…わかった。ユグに名前を呼んでもらえるのを楽しみにしているよ」
ヒナキはそう言ってユグに微笑んだ。
名前を呼んでくれれば、それはヒナキはユグと同じ時間を歩む者になること…。
もう、人族ではなく、全く別の存在になると言うこと…。
…今さらだが…。
理由を聞いたヒナキは晴れ晴れとしていた。
…うん。
楽しみに待ってる…。
そして、ヒナキとユグの長い時間は再び動き出した。
***
…そして。
知識の無いユグはまだ、ヒナキの後孔を使うことを知らないため、ヒナキの体力も、翌朝起きれるくらいにはもっていた。
だが後日、リーンとルークが訪れ、ユグがルークに『どうしたら、気持ち良くなってくれる?』聞いてしまったので知ることになり、ヒナキを鳴かせることになるのは、もう少し後の事…。
*****
世界樹の木霊ユグとヒナキの話は、一旦ここまでです。
本編のリーンの話に戻ります。
「お腹空いた…」
ベッドに横たわりヒナキが呟くと、ユグは部屋を出て、果物の入った籠をもってきた。
朝、隣に居なかったのはコレを取りに行っていたみたいだ。
ヒナキは身体を起こし、籠の中から一つ取ると噛りついた。
採れたては新鮮で美味しい。
ヒナキが食べているのをじっとユグが見ていて、何故か少し照れくさい…。
ユグは、もともと木霊なので、大気と水と大地があれば、食事というものは必要ない。
たまに口にするものは…水と僕の体液…。
思い出して頬を染める。
アレを飲んで大丈夫なのか…?
ソレより、しつけだ!
ヒナキはキッとユグを睨んだ。
「…もう…朝から僕に触るなよ…クルーラに戻れなくなる…」
「…だって…アレ…可愛かった…」
アレって、下着の事だよな…。
思い出してヒナキは頬を染める。
もう二度と履くもんか!
「…夜なら良い…?」
「…触らせてるだろ!」
ユグから魔力をもらうたび、身体が反応してユグの好きにさせているのだが…。
それでは足りないのか?
二日か三日に一度がだが、僕にはこれ以上は無理だぞ!
「…僕の体力が持たない…」
「…我慢するから…だから…アレ付けて…」
ユグが上目遣いにヒナキを見てくる。
アレとは?
「…ぷにぷに…可愛いかった…」
ぷにぷに…?
ヒナキが首を傾げると、ユグがドロドロになって脱ぎ捨てられた下着を持ち上げた。
その下着か?!
ヒナキは真っ赤になって、もう二度と履かないと誓ったのに、すぐに覆さなくてはいけなくなった…。
「…夜に…ソレを…履いたら…朝から触らない?」
ユグは嬉しそうに何度も頷く。
…まさかアレを気に入ってしまうとは…。
…僕がアレを履いて、ユグに魔力をもらい、満たされれば…朝には、クルーラに戻って仕事や自分の事が出来る…。
魅力的な誘いだが…僕がしつけられてる…?
…お互い様か…。
ヒナキは割りきって、ため息をついた。
「約束だからな!」
「やった!」
ユグが喜ぶなら、仕方ない…。
そう思うようになってしまった。
「…ああ…ついでにだが…」
ヒナキは思い出して、ユグに聞く。
「…どうして…僕の名前を…呼んでくれないんだ…?」
「…。」
喜んでいたユグの表情が固まる。
「…言わなくては…ダメ…?」
「…ユグの声で…呼んで欲しい…」
ヒナキはそう言って、真っ赤になってシーツに顔を埋める。
何を言っているんだ僕は?!
「…まだ…一つにならないから…」
だから、何だって?!
ヒナキがシーツから顔を上げてユグを見ると、ユグはまっすぐにヒナキを見ている。
「…僕の魔力に…まだ…染まらないから…」
ユグの魔力に…?
「…僕だけの…魔力に…ならないから…」
今、ヒナキはユグに魔力を分けてもらって生きているようなものだ。
効果の切れた『長寿の実』の変わりに、ユグの魔力を受け入れ、身体が少しづつ変えられている…。
…ソレが終わらないからか…?
「…全部、僕の魔力に染まるまで…呼ばないって…決めた…」
それは、本で読んだ『願掛け』のようなものか…?
名前で呼ぶためには、早く魔力で染めたい…。
でも、一変に染めようとすれば僕の身体が壊れる…その境目で、ユグは葛藤しながら、名前で呼ぶために名前を呼ばないのか…。
ヒナキは理由を聞いて、何故か口許がニヤケてもとに戻らなくなった。
「…わかった。ユグに名前を呼んでもらえるのを楽しみにしているよ」
ヒナキはそう言ってユグに微笑んだ。
名前を呼んでくれれば、それはヒナキはユグと同じ時間を歩む者になること…。
もう、人族ではなく、全く別の存在になると言うこと…。
…今さらだが…。
理由を聞いたヒナキは晴れ晴れとしていた。
…うん。
楽しみに待ってる…。
そして、ヒナキとユグの長い時間は再び動き出した。
***
…そして。
知識の無いユグはまだ、ヒナキの後孔を使うことを知らないため、ヒナキの体力も、翌朝起きれるくらいにはもっていた。
だが後日、リーンとルークが訪れ、ユグがルークに『どうしたら、気持ち良くなってくれる?』聞いてしまったので知ることになり、ヒナキを鳴かせることになるのは、もう少し後の事…。
*****
世界樹の木霊ユグとヒナキの話は、一旦ここまでです。
本編のリーンの話に戻ります。
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