344 / 462
森の聖域 2
観察日記 1
しおりを挟む
リーンが世界樹の中に眠りについた。
ルークはリーンの帰りを待ちなかがら、ヒナキに言われて観察したことを…気が付いた事を、ココでの出来事を書き込むようになった。
観察一日目。
リーンが眠りについた。
ヒイロとヒナキが食事を持ってきてくれたので、食べ終わると、リーンに教えてもらった書斎に入り、一冊の本を手にして書斎を出ようとしたら、扉が勝手に閉まって、本を持ち出せないことを知った。
姿は見せてくれないが、誰かいるのだろう。
「隣の世界樹の場所までだ。リーンの側にいたいから、そこで読むことを許可して欲しいのだが」
ルークがそう言うと、閉まった扉が再び開いた。
許可してもらえたみたいだ。
「ありがとう」
ルークはそう言って、本をもって、リーンの姿が見える場所に座り、本を読み出した。
リーンの集めた本の中にあった、リーンの手書きの覚え書き。
『山の奥で雨が大量に降ったときは、町では降っていなくても、川に近付かないようにする事。
時間差で、町に水が流れてくる事が多い。』
そして、過去の事例がいくつも書かれていた。
…マメだな…。
ルークはそう思いながら、リーンが今までに書き留めていたモノを読み始めた。
いつの間にか、世界樹の側で眠っていたらしく、毛布がかけてあった。
ヒイロかヒナキが…?
一瞬そう思ったが、風霊達がこっそりとこちらを覗いていたので、あの子達がかけてくれたのだと思った。
「ありがとう」
ルークがそう声をかけると、スッと消えてどこかへ行ってしまった。
…まだ、警戒されているみたいだ。
夜はリーンのベッドで眠った。
グシャグシャに乱れていたベッドのシーツは新しいものに変えられていて、申し訳ないな…と、思いながら眠りについた。
観察二日目。
朝食はテーブルの上に果物が置いてあったのを頂いて、昨日の本をもって世界樹のリーンの見える場所に向かった。
そっと覗くが、状態は変わらないまま…。
ルークは世界樹に寄りかかり、昨日の続きを読み出した。
柔らかな風がルークの髪の毛を撫でる。
しばらくすると、ヒナキが食事を持って来てくれた。
果物だけでは物足りないので、ありがたい。
今日はヒナキの分も入っているらしく、その場に座って食べ始めた。
細長いパンに切り込みを入れ、野菜や肉を挟み込んだ軽食が、たくさん入っていた。
ルークが気になることをヒナキに質問すると、答えられる範囲で答えてくれた。
『森の聖域』の事、ココに住む水霊や風霊の事、部屋を掃除してくれる見えないモノの事…。
ヒナキは苦笑いしながら教えてくれた。
『森の聖域』は涌き出てくる魔素が外部に多く流れ込まないように、調整する役目を持つ森で、もともと森の魔素が濃く、この世界樹が中心となって木霊達が産まれた。
そう言って側に有る世界樹を見上げる。
…リーンが…ずっと昔のリーンになる前の『彼』の波長が、世界樹と同調したらしく、動けない自分の変わりに『彼』が目となり、世界を見ることになった。
『彼』の産まれ方も独特だったから…。
ヒナキはそう言う。
いつからだったか…リーンは思い出したこと、『記憶の図書館』で見たことを記録するようになった。
何度も繰り返し見たりする事も有るので、同じようなことが書かれていることも有るそうだ。
リーンの本棚に有るから、読んでみると良いよ。
そう言ってヒナキは微笑んだ。
ヒナキが長年調べて、『彼』らから話を聞いて、まとめると、そんな感じだそうだ。
ヒナキは昨日の食事が入っていた籠を持って、クルーラに帰っていった。
…て、言うか、ヒナキはいったい何歳なんだ?
ルークに疑問を残して…。
観察三日目。
優しい雨が降ってきた。
ルークは世界樹のリーンの様子を覗きに行って、変わりが無いことを確認すると部屋に戻り、書斎へと入っていった。
奥に入りすぎないように、リーンに注意されていたので、ソファーが見えるところまでで、一つの本棚の本のタイトルを読んでいった。
この辺の本棚は植物に関しての本ばかりだ。
針葉樹、落葉樹、果実のなる木、花が咲く木、食用に使える木、薬草、草花…それぞれに細かく使い方、手入れのしかたなどが書かれていた。
…王都の…ジーンに買った図鑑より詳しいぞ…。
…持ち出し禁止だから、これを写させてくれると有りがたいが、これだけの量を写そうと思ったら、何年かかるだろう…。
それだけの量の本がココには有る…。
それも植物に関してだ…。
チラリと他の本棚を見ると、石の事…宝石、魔法石等の表紙が見える…。
…新しいものも、古そうな本も…。
ルークはため息をついて、食用になる木の本を選び、ソファーに座って読み出した。
観察四日目。
雨が上がった。
外はほんのりと靄がかかり、空気が澄んでいた。
『森の聖域』の魔素に慣れたのか、朝起きても頭痛はしなくなった。
ルークは世界樹のリーンの元に向かって、リーンの様子を見ると、ほんの少し、髪の毛が短くなっているような気がした。
リーンに付けた髪飾りはまだ、形を維持している…。
少し戻りだしたのか…?
ルークは期待と不安に揺れながら、リーンを見ていた。
すると土が急に盛り上がり、手のひらサイズの人の形をした小さな土霊が姿を表し、何もない丘の方を指差してきた。
何かあったのか?
ルークは立ち上がり、土霊に呼ばれるまま、後を付いていった。
途中、風霊が姿を表し同じ方向に向かって飛んで行く…。
呼ばれた先でルークが見たものは、浅瀬の川に、流れてきた流木が引っ掛かって、水の流れをせき止め、丘に流れ込んで、辺り一面を水浸しにしていた。
これをどかして欲しいのか…。
ルークは魔法を使って流木を浮かせ、水の浸かっていない地面に置いた。
塞き止められていた水が正常に流れだし、ホッとため息を付くと、土霊が再び川の上流を指差した。
…まだ、何ヵ所も有るのか…。
ルークは土霊に案内されて、いくつもの流木を川から取り出し、積み上げた。
昨日の雨で、地盤が緩くなっているのか?
それとも何か理由が有るのか…?
五つ目の流木の元に向かっていると、ピチピチと小さな魚が何匹も、地上で跳ねているのが見えた。
これって、川に返した方が良いのか?
土霊の方を見ると、何を言っているのか分からないが、口をパクパクさせる。
「…食べて良いって事か?」
ルークがそう聞くと、土霊が頷いたので、遠慮無くいただくことにして、氷魔法で魚を瞬時に凍らせた。
そして、流木を川から取り出して地上に置くと、土霊は姿を消した。
…魚はお礼…って事か?
ルークは魚を持って、もと来た道を戻り、世界樹の有るリーンの家に戻った。
せっかくなので、キッチンで魚を丸焼きにして、食べていると、ヒナキがやって来て驚いていた。
ルークはさっきの出来事を話すと、ヒナキは微笑んで言った。
「少しは認めてくれたんだよ。そうやって、ここの子達と仲良くしてあげて」
「ああ。わかった」
ルークはそう答えた。
観察五日目。
リーンに付けた髪飾りの一つが消えた。
昨日、髪が短くなった気がしたのは、気のせいではなかった。
ヒナキが、一つ目が一年だと言っていたから、五日で一年なら、十年だと単純計算にしても五十日。
約二ヶ月…。
今まで眠るリーンを待っていた時間が長いから、すごく短く感じる。
…もう少し…もう少し…。
ルークは待ち続けた。
ルークはリーンの帰りを待ちなかがら、ヒナキに言われて観察したことを…気が付いた事を、ココでの出来事を書き込むようになった。
観察一日目。
リーンが眠りについた。
ヒイロとヒナキが食事を持ってきてくれたので、食べ終わると、リーンに教えてもらった書斎に入り、一冊の本を手にして書斎を出ようとしたら、扉が勝手に閉まって、本を持ち出せないことを知った。
姿は見せてくれないが、誰かいるのだろう。
「隣の世界樹の場所までだ。リーンの側にいたいから、そこで読むことを許可して欲しいのだが」
ルークがそう言うと、閉まった扉が再び開いた。
許可してもらえたみたいだ。
「ありがとう」
ルークはそう言って、本をもって、リーンの姿が見える場所に座り、本を読み出した。
リーンの集めた本の中にあった、リーンの手書きの覚え書き。
『山の奥で雨が大量に降ったときは、町では降っていなくても、川に近付かないようにする事。
時間差で、町に水が流れてくる事が多い。』
そして、過去の事例がいくつも書かれていた。
…マメだな…。
ルークはそう思いながら、リーンが今までに書き留めていたモノを読み始めた。
いつの間にか、世界樹の側で眠っていたらしく、毛布がかけてあった。
ヒイロかヒナキが…?
一瞬そう思ったが、風霊達がこっそりとこちらを覗いていたので、あの子達がかけてくれたのだと思った。
「ありがとう」
ルークがそう声をかけると、スッと消えてどこかへ行ってしまった。
…まだ、警戒されているみたいだ。
夜はリーンのベッドで眠った。
グシャグシャに乱れていたベッドのシーツは新しいものに変えられていて、申し訳ないな…と、思いながら眠りについた。
観察二日目。
朝食はテーブルの上に果物が置いてあったのを頂いて、昨日の本をもって世界樹のリーンの見える場所に向かった。
そっと覗くが、状態は変わらないまま…。
ルークは世界樹に寄りかかり、昨日の続きを読み出した。
柔らかな風がルークの髪の毛を撫でる。
しばらくすると、ヒナキが食事を持って来てくれた。
果物だけでは物足りないので、ありがたい。
今日はヒナキの分も入っているらしく、その場に座って食べ始めた。
細長いパンに切り込みを入れ、野菜や肉を挟み込んだ軽食が、たくさん入っていた。
ルークが気になることをヒナキに質問すると、答えられる範囲で答えてくれた。
『森の聖域』の事、ココに住む水霊や風霊の事、部屋を掃除してくれる見えないモノの事…。
ヒナキは苦笑いしながら教えてくれた。
『森の聖域』は涌き出てくる魔素が外部に多く流れ込まないように、調整する役目を持つ森で、もともと森の魔素が濃く、この世界樹が中心となって木霊達が産まれた。
そう言って側に有る世界樹を見上げる。
…リーンが…ずっと昔のリーンになる前の『彼』の波長が、世界樹と同調したらしく、動けない自分の変わりに『彼』が目となり、世界を見ることになった。
『彼』の産まれ方も独特だったから…。
ヒナキはそう言う。
いつからだったか…リーンは思い出したこと、『記憶の図書館』で見たことを記録するようになった。
何度も繰り返し見たりする事も有るので、同じようなことが書かれていることも有るそうだ。
リーンの本棚に有るから、読んでみると良いよ。
そう言ってヒナキは微笑んだ。
ヒナキが長年調べて、『彼』らから話を聞いて、まとめると、そんな感じだそうだ。
ヒナキは昨日の食事が入っていた籠を持って、クルーラに帰っていった。
…て、言うか、ヒナキはいったい何歳なんだ?
ルークに疑問を残して…。
観察三日目。
優しい雨が降ってきた。
ルークは世界樹のリーンの様子を覗きに行って、変わりが無いことを確認すると部屋に戻り、書斎へと入っていった。
奥に入りすぎないように、リーンに注意されていたので、ソファーが見えるところまでで、一つの本棚の本のタイトルを読んでいった。
この辺の本棚は植物に関しての本ばかりだ。
針葉樹、落葉樹、果実のなる木、花が咲く木、食用に使える木、薬草、草花…それぞれに細かく使い方、手入れのしかたなどが書かれていた。
…王都の…ジーンに買った図鑑より詳しいぞ…。
…持ち出し禁止だから、これを写させてくれると有りがたいが、これだけの量を写そうと思ったら、何年かかるだろう…。
それだけの量の本がココには有る…。
それも植物に関してだ…。
チラリと他の本棚を見ると、石の事…宝石、魔法石等の表紙が見える…。
…新しいものも、古そうな本も…。
ルークはため息をついて、食用になる木の本を選び、ソファーに座って読み出した。
観察四日目。
雨が上がった。
外はほんのりと靄がかかり、空気が澄んでいた。
『森の聖域』の魔素に慣れたのか、朝起きても頭痛はしなくなった。
ルークは世界樹のリーンの元に向かって、リーンの様子を見ると、ほんの少し、髪の毛が短くなっているような気がした。
リーンに付けた髪飾りはまだ、形を維持している…。
少し戻りだしたのか…?
ルークは期待と不安に揺れながら、リーンを見ていた。
すると土が急に盛り上がり、手のひらサイズの人の形をした小さな土霊が姿を表し、何もない丘の方を指差してきた。
何かあったのか?
ルークは立ち上がり、土霊に呼ばれるまま、後を付いていった。
途中、風霊が姿を表し同じ方向に向かって飛んで行く…。
呼ばれた先でルークが見たものは、浅瀬の川に、流れてきた流木が引っ掛かって、水の流れをせき止め、丘に流れ込んで、辺り一面を水浸しにしていた。
これをどかして欲しいのか…。
ルークは魔法を使って流木を浮かせ、水の浸かっていない地面に置いた。
塞き止められていた水が正常に流れだし、ホッとため息を付くと、土霊が再び川の上流を指差した。
…まだ、何ヵ所も有るのか…。
ルークは土霊に案内されて、いくつもの流木を川から取り出し、積み上げた。
昨日の雨で、地盤が緩くなっているのか?
それとも何か理由が有るのか…?
五つ目の流木の元に向かっていると、ピチピチと小さな魚が何匹も、地上で跳ねているのが見えた。
これって、川に返した方が良いのか?
土霊の方を見ると、何を言っているのか分からないが、口をパクパクさせる。
「…食べて良いって事か?」
ルークがそう聞くと、土霊が頷いたので、遠慮無くいただくことにして、氷魔法で魚を瞬時に凍らせた。
そして、流木を川から取り出して地上に置くと、土霊は姿を消した。
…魚はお礼…って事か?
ルークは魚を持って、もと来た道を戻り、世界樹の有るリーンの家に戻った。
せっかくなので、キッチンで魚を丸焼きにして、食べていると、ヒナキがやって来て驚いていた。
ルークはさっきの出来事を話すと、ヒナキは微笑んで言った。
「少しは認めてくれたんだよ。そうやって、ここの子達と仲良くしてあげて」
「ああ。わかった」
ルークはそう答えた。
観察五日目。
リーンに付けた髪飾りの一つが消えた。
昨日、髪が短くなった気がしたのは、気のせいではなかった。
ヒナキが、一つ目が一年だと言っていたから、五日で一年なら、十年だと単純計算にしても五十日。
約二ヶ月…。
今まで眠るリーンを待っていた時間が長いから、すごく短く感じる。
…もう少し…もう少し…。
ルークは待ち続けた。
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説

兄のやり方には思うところがある!
野犬 猫兄
BL
完結しました。お読みくださりありがとうございます!
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
第10回BL小説大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、そしてお読みくださった皆様、どうもありがとうございました!m(__)m
■■■
特訓と称して理不尽な行いをする兄に翻弄されながらも兄と向き合い仲良くなっていく話。
無関心ロボからの執着溺愛兄×無自覚人たらしな弟
コメディーです。

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

当て馬的ライバル役がメインヒーローに喰われる話
屑籠
BL
サルヴァラ王国の公爵家に生まれたギルバート・ロードウィーグ。
彼は、物語のそう、悪役というか、小悪党のような性格をしている。
そんな彼と、彼を溺愛する、物語のヒーローみたいにキラキラ輝いている平民、アルベルト・グラーツのお話。
さらっと読めるようなそんな感じの短編です。

けものとこいにおちまして
ゆきたな
BL
医者の父と大学教授の母と言うエリートの家に生まれつつも親の期待に応えられず、彼女にまでふられたカナタは目を覚ましたら洞窟の中で二匹の狼に挟まれていた。状況が全然わからないカナタに狼がただの狼ではなく人狼であると明かす。異世界で出会った人狼の兄弟。兄のガルフはカナタを自分のものにしたいと行動に出るが、カナタは近付くことに戸惑い…。ガルフと弟のルウと一緒にいたいと奔走する異種族ファミリー系BLストーリー。
皇帝に追放された騎士団長の試される忠義
大田ネクロマンサー
BL
若干24歳の若き皇帝が統治するベリニア帝国。『金獅子の双腕』の称号で騎士団長兼、宰相を務める皇帝の側近、レシオン・ド・ミゼル(レジー/ミゼル卿)が突如として国外追放を言い渡される。
帝国中に慕われていた金獅子の双腕に下された理不尽な断罪に、国民は様々な憶測を立てる。ーー金獅子の双腕の叔父に婚約破棄された皇紀リベリオが虎視眈々と復讐の機会を狙っていたのではないか?
国民の憶測に無言で帝国を去るレシオン・ド・ミゼル。船で知り合った少年ミオに懐かれ、なんとか不毛の大地で生きていくレジーだったが……彼には誰にも知られたくない秘密があった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる