神の宿り木～旅の途中～ルーク～ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

森の聖域 2

団らん

　リーンは、キースとミーナとニーナを連れてカザンナ王国の王都に有る、メジノの館にやってきた。
　もうすぐ学校が始まるので、こちらの生活に少し慣れるため、早めにやって来たのだ。
　前もって連絡してあったから、久しぶりにジーンとユーリに会い、遅れて着いたルークと家族団らん…と言うのか、一緒に食事をして、広間に寝転がって、たわいもない話をして笑い有った。
　ジーンとユーリは何か察したのか、夕食、いつもなら自分の部屋に入ってしまうのたが、ずっと側にいて、ゴロゴロと寄りかかってくる引っ付き虫だ。
　それを真似して、三つ子達もゴロゴロと寄りかかり、五人の引っ付き虫に埋もれたリーンを、幸せそうにルークがお酒を片手に微笑んでいる。
　ちょっと暑いけど…。
　ユーリは、明日の夕方には騎士寮の方に戻ってしまうので、当分会えないだろう…。
　スラリとして女の子のらしくなったよな…。
　ジーンは当分、三つ子達と一緒に学校まで通い、少し離れた高等科の建物まで、風魔法を使って走って行くのだろう。
　三つ子達も学校に慣れてくれると良いけれど…。
　ココに、いつも子供達を見てくれたキリトはいない。
　ヒイロに言われて、施設の話をしたら、そっちに行くと言ってくれた。
　しばらくは、数日おきに通い、三年たった今は、グオルクに駐在して施設の管理をしている。
　…後でジーンに聞いた話では、その頃、ユーリと何か喧嘩して、キリトがどうしたら良いのか分からず逃げるようにグオルクに行ったと言っていた。
　…その話を聞いたときには何が有ったのか、分からなかったが、今なら分かる…。
　ユーリがキリトの側に居たかったのだ…。
　私がルークの側にいるように…。
　キリトにしたら、産まれる前から知っている子供に迫られて、困惑したのだと言うことを…。
　キリトは獣人だから、人族に比べると長寿であり、ある程度の年齢になると姿がほとんど変わらず生きていく。
　キリトにとってユーリは保護対象の子供でしか無いのだ。
　今、ユーリは沈黙を守っている。
　今に何かしでかすのではないかと不安でもあるが…。

　ルークも明日の夕方にはカザナに戻っていく。
　この後の長期休暇を得るために、各部署の段取りを確認しに行くためだ。
　リーンは数日間はココに滞在して、そしてルークと共にグオルクに向かう。
　しばしのお別れだ…。
　リーンは子供達の頭を順番になでなでしながら、横たわり一緒に眠った。