324 / 462
森の聖域 1
ルナと三つ子
しおりを挟む
三つ子を連れて先に帰ったルナは、何で遊ぶか考え、昔、ジーンとユーリと一緒に遊んだ積み木詰みをすることにした。
部屋の奥にしまってある箱を取り出し、テーブルの上にいろんな形の積み木を広げる。
「これなあに?」
ミーナが興味深々に聞いてきた。
「積み木よ。崩さずに、高く乗せていく遊びなの」
ルナはこうするのよと、説明にテーブルの上に積み木を積んでいくと、ミーナとニーナは興味を持って積み出した。
キースは興味がなさそうに、ボーッと見ているだけ。
「…キースは積まないの?」
「…めんどくさい…」
ルナは顔をしかめた。
するとミーナがこっそりとルナに耳打ちする。
「…キースはね、めんどくさがり。お家では、歩くのも、めんどうでフワフワ、いどうするんだよ」
…それって、ヤバくない…。
ルナは冷や汗をかいた。
今は、お屋敷にいるから良いが、学校に通い出したら、そんなことを言ってられない…。
フワフワ浮くのなら、風を扱うのが得意で、何でも小さな魔力を使うと言うこと…。
「…キースは手を使って、積むのが面倒なの?」
「うん」
そうか、だったら…。
「…だったら、風を使うのが得意なんでしょ。そっと風を使って積んでいったら?手を使わないわよ」
「…。」
魔力の微調整は難しい。
それも積み木を持ち上げて、運ぶだけの小さな魔力を使うとなると、手を使って運んだ方が早いが、キースはそれがめんどうだと言う…。
だったら、やってもらおう…。
「そこまで得意ではないの?」
ルナがちょっと意地悪く言うと、キースは黙った。
「…。」
そしてキースはしばらく考えて風を起こした。
「ちょっと強すぎ!私のを倒さないで!」
積み木が揺れて倒れそうになるのを見て、ミーナがキースに怒鳴る。
…キースが、のってきた。
ルナは内心、クスっと笑った。
「キースはこっちで積もうか」
頑張って積んでいるミーナとニーナの邪魔をしてはいけない。
ルナは補助用の小さいテーブルを出してきて、キースの横に置く。
「手を使わないで、積み木を運んで積んでね」
ルナはニコニコと笑って、キースに言った。
手で運んだ方が早いが、あえてそう言った。
余計なお世話かも知れないけれど、やっぱり手で運んだ方が早いことを知ってもらうために…。
キースは真剣な眼差しで、テーブルの積み木を浮き上がらせ、フラフラと積み木を浮遊させて小さいテーブルに運んで行く。
三つ積むと、風で倒してしまい、ムッと顔をしかめている。
やる気になれば、根性はあるみたいね…。
でも…手を使いそうにないな…。
ミーナとニーナはコツコツと自分の身長くらいにまで積んで、真剣に次の積み木を乗せようと奮闘している。
やっぱりこれは面白いよね。
集中力がつくし、たまに倒れて悔しそうな顔をするのも、また可愛いし…。
ルナも一緒に積み木を積み出した。
部屋の奥にしまってある箱を取り出し、テーブルの上にいろんな形の積み木を広げる。
「これなあに?」
ミーナが興味深々に聞いてきた。
「積み木よ。崩さずに、高く乗せていく遊びなの」
ルナはこうするのよと、説明にテーブルの上に積み木を積んでいくと、ミーナとニーナは興味を持って積み出した。
キースは興味がなさそうに、ボーッと見ているだけ。
「…キースは積まないの?」
「…めんどくさい…」
ルナは顔をしかめた。
するとミーナがこっそりとルナに耳打ちする。
「…キースはね、めんどくさがり。お家では、歩くのも、めんどうでフワフワ、いどうするんだよ」
…それって、ヤバくない…。
ルナは冷や汗をかいた。
今は、お屋敷にいるから良いが、学校に通い出したら、そんなことを言ってられない…。
フワフワ浮くのなら、風を扱うのが得意で、何でも小さな魔力を使うと言うこと…。
「…キースは手を使って、積むのが面倒なの?」
「うん」
そうか、だったら…。
「…だったら、風を使うのが得意なんでしょ。そっと風を使って積んでいったら?手を使わないわよ」
「…。」
魔力の微調整は難しい。
それも積み木を持ち上げて、運ぶだけの小さな魔力を使うとなると、手を使って運んだ方が早いが、キースはそれがめんどうだと言う…。
だったら、やってもらおう…。
「そこまで得意ではないの?」
ルナがちょっと意地悪く言うと、キースは黙った。
「…。」
そしてキースはしばらく考えて風を起こした。
「ちょっと強すぎ!私のを倒さないで!」
積み木が揺れて倒れそうになるのを見て、ミーナがキースに怒鳴る。
…キースが、のってきた。
ルナは内心、クスっと笑った。
「キースはこっちで積もうか」
頑張って積んでいるミーナとニーナの邪魔をしてはいけない。
ルナは補助用の小さいテーブルを出してきて、キースの横に置く。
「手を使わないで、積み木を運んで積んでね」
ルナはニコニコと笑って、キースに言った。
手で運んだ方が早いが、あえてそう言った。
余計なお世話かも知れないけれど、やっぱり手で運んだ方が早いことを知ってもらうために…。
キースは真剣な眼差しで、テーブルの積み木を浮き上がらせ、フラフラと積み木を浮遊させて小さいテーブルに運んで行く。
三つ積むと、風で倒してしまい、ムッと顔をしかめている。
やる気になれば、根性はあるみたいね…。
でも…手を使いそうにないな…。
ミーナとニーナはコツコツと自分の身長くらいにまで積んで、真剣に次の積み木を乗せようと奮闘している。
やっぱりこれは面白いよね。
集中力がつくし、たまに倒れて悔しそうな顔をするのも、また可愛いし…。
ルナも一緒に積み木を積み出した。
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
皇帝に追放された騎士団長の試される忠義
大田ネクロマンサー
BL
若干24歳の若き皇帝が統治するベリニア帝国。『金獅子の双腕』の称号で騎士団長兼、宰相を務める皇帝の側近、レシオン・ド・ミゼル(レジー/ミゼル卿)が突如として国外追放を言い渡される。
帝国中に慕われていた金獅子の双腕に下された理不尽な断罪に、国民は様々な憶測を立てる。ーー金獅子の双腕の叔父に婚約破棄された皇紀リベリオが虎視眈々と復讐の機会を狙っていたのではないか?
国民の憶測に無言で帝国を去るレシオン・ド・ミゼル。船で知り合った少年ミオに懐かれ、なんとか不毛の大地で生きていくレジーだったが……彼には誰にも知られたくない秘密があった。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる