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森の聖域 1
キラキラ
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「…ただいま」
ルナがそう言って部屋に入ってくると、子供達の視線が扉に向き、目がキラキラと輝いたのをリーンは見た。
「お帰り」
チイが微笑んでルナを迎える。
ルナはジーンやユーリと同じ年齢なので、身長は高くなったが、まだ幼さが残る子供だ。
学校帰りなのか、背中にリュックを背負っている。
子供達は遊んでくれる人が来たと思ったのだろう。
三つ子はリーンとルークの後ろに隠れながら、ルナをじっと見ている。
部屋の中に入ってきたルナは子供達の視線を感じ、首をかしげた。
「こんにちは。リーンさん、ルークさん。…噂の三つ子ちゃんだよね。…なんで隠れているの?」
ルナがそう言うとチイがクスクスと笑って答える。
「お父さんがね。魔力を剥き出しにして、怖がらせてしまったみたいなの」
「…。」
ルナが呆れてヒイロを見と、ヒイロは肩をすくめて、しょんぼりとしている。
…少しは、反省しているみたいだ。
「…それでね。先に家に帰って、子供達と遊んでいてもらえるかしら」
「良いけど、大丈夫?」
ルナはそう言って、まだ隠れている三つ子を見る。
「大丈夫だと思うけど…」
リーンは背中に隠れているキースの服を摘まんで、合図する。
「ほら、挨拶は」
キースがモゾモゾと動いて、ミーナとニーナもルークの後ろで、モゾモゾと動いて、入り口側にいたミーナがルークの背中の後ろから、顔を覗かせる。
「…カザンナおうこくの…だい三おうじの子…ミーナです…」
続いて隣にいたニーナも顔を出す。
「…カザンナおうこくの…だい三…おうじの子…ニーナ…です…」
後、キース!
リーンの後ろから顔を覗かせ、ルナを見る。
「…カザンナおうこく…だい三おうじの子…キースです…」
そしてリーンの後ろでモジモジとしていたキースが、ルナに向かって言う。
「…フワフワの耳…さわっても…いい?」
「…キース。『触らせてください』だぞ」
リーンが横でそう言うと、
「さわらせて…ください…!」
意を決して、キースが大きな声で叫ぶと、続いてミーナもキラキラと目を輝かせて言った。
「…わたしも、さわらせて、ください!」
ニーナは、小さい声で恥ずかしそうに言う。
「…わたしも…さわらせて…ください…」
ルナは驚いて、チイを見て、リーンを見る。
「ちょこっとだけ、触らせてあげて」
リーンがルナにそうお願いすると、ルナは担いでいたリュックを下ろし、ソファーに座るチイの隣に座った。
「…ちょっとだけだからね」
ルナがそう許可をすると、リーンの後ろに隠れていたキースが出てきてソファーを降り、ルナに近付きソファーの上に乗って、ルナの耳に触れた。
「フワフワ…」
「…くすぐったい…」
ルナは触られる耳をピクピクさせて、動かずに耐えている。
「…わたしも…」
そう言って、ミーナもルークの後ろから出てきて、キースの隣から触ろうとする。
「ミーナ、一人づつ。…キース、交代」
リーンがそう言うと、キースは触り足りなさそうに、ちょっとむくれてソファーから降りた。
今度はミーナがソファーに上り、ルナの耳に触れる。
「…やわらかい…」
ミーナはうっとりと、触り心地を堪能している。
ニーナは黙ってルークの後ろから出てきて、ミーナの横にまで来ると、ルナを見上げた。
「…キラキラ…」
何が…キラキラ…?
「お目め…キラキラ…」
ニーナはじっとルナを見上げる。
ルナの瞳は豹族特有の金色の瞳。
それが珍しかったのだろう。
「…そんなにじっと見られると、恥ずかしい…」
ルナがそう言うと、ミーナがルナの耳から手を放した。
「ニーナ」
ミーナが呼び掛けて、二人が交代してニーナがルナの耳に触る。
「ふわふわ…」
嬉しそうにニーナがルナの耳に触る。
三人とも耳に触れて満足すると、ソファーに座り、さっきの食べさしのおやつに手を伸ばした。
もう緊張はしていないみたい。
ルナもホッとため息をついて言った。
「そう言えば、ジーンとユーリも初めて会った時、耳に触りたがって、触ってた…」
そんなことも有ったんだ…。
この感じなら、三つ子と仲良く出きるだろう。
「おやつを食べ終わったら、先に家に帰っていてね」
「うん。わかった」
ルナは微笑んで、夢中になっておやつを食べる三つ子を見ていた。
ルナがそう言って部屋に入ってくると、子供達の視線が扉に向き、目がキラキラと輝いたのをリーンは見た。
「お帰り」
チイが微笑んでルナを迎える。
ルナはジーンやユーリと同じ年齢なので、身長は高くなったが、まだ幼さが残る子供だ。
学校帰りなのか、背中にリュックを背負っている。
子供達は遊んでくれる人が来たと思ったのだろう。
三つ子はリーンとルークの後ろに隠れながら、ルナをじっと見ている。
部屋の中に入ってきたルナは子供達の視線を感じ、首をかしげた。
「こんにちは。リーンさん、ルークさん。…噂の三つ子ちゃんだよね。…なんで隠れているの?」
ルナがそう言うとチイがクスクスと笑って答える。
「お父さんがね。魔力を剥き出しにして、怖がらせてしまったみたいなの」
「…。」
ルナが呆れてヒイロを見と、ヒイロは肩をすくめて、しょんぼりとしている。
…少しは、反省しているみたいだ。
「…それでね。先に家に帰って、子供達と遊んでいてもらえるかしら」
「良いけど、大丈夫?」
ルナはそう言って、まだ隠れている三つ子を見る。
「大丈夫だと思うけど…」
リーンは背中に隠れているキースの服を摘まんで、合図する。
「ほら、挨拶は」
キースがモゾモゾと動いて、ミーナとニーナもルークの後ろで、モゾモゾと動いて、入り口側にいたミーナがルークの背中の後ろから、顔を覗かせる。
「…カザンナおうこくの…だい三おうじの子…ミーナです…」
続いて隣にいたニーナも顔を出す。
「…カザンナおうこくの…だい三…おうじの子…ニーナ…です…」
後、キース!
リーンの後ろから顔を覗かせ、ルナを見る。
「…カザンナおうこく…だい三おうじの子…キースです…」
そしてリーンの後ろでモジモジとしていたキースが、ルナに向かって言う。
「…フワフワの耳…さわっても…いい?」
「…キース。『触らせてください』だぞ」
リーンが横でそう言うと、
「さわらせて…ください…!」
意を決して、キースが大きな声で叫ぶと、続いてミーナもキラキラと目を輝かせて言った。
「…わたしも、さわらせて、ください!」
ニーナは、小さい声で恥ずかしそうに言う。
「…わたしも…さわらせて…ください…」
ルナは驚いて、チイを見て、リーンを見る。
「ちょこっとだけ、触らせてあげて」
リーンがルナにそうお願いすると、ルナは担いでいたリュックを下ろし、ソファーに座るチイの隣に座った。
「…ちょっとだけだからね」
ルナがそう許可をすると、リーンの後ろに隠れていたキースが出てきてソファーを降り、ルナに近付きソファーの上に乗って、ルナの耳に触れた。
「フワフワ…」
「…くすぐったい…」
ルナは触られる耳をピクピクさせて、動かずに耐えている。
「…わたしも…」
そう言って、ミーナもルークの後ろから出てきて、キースの隣から触ろうとする。
「ミーナ、一人づつ。…キース、交代」
リーンがそう言うと、キースは触り足りなさそうに、ちょっとむくれてソファーから降りた。
今度はミーナがソファーに上り、ルナの耳に触れる。
「…やわらかい…」
ミーナはうっとりと、触り心地を堪能している。
ニーナは黙ってルークの後ろから出てきて、ミーナの横にまで来ると、ルナを見上げた。
「…キラキラ…」
何が…キラキラ…?
「お目め…キラキラ…」
ニーナはじっとルナを見上げる。
ルナの瞳は豹族特有の金色の瞳。
それが珍しかったのだろう。
「…そんなにじっと見られると、恥ずかしい…」
ルナがそう言うと、ミーナがルナの耳から手を放した。
「ニーナ」
ミーナが呼び掛けて、二人が交代してニーナがルナの耳に触る。
「ふわふわ…」
嬉しそうにニーナがルナの耳に触る。
三人とも耳に触れて満足すると、ソファーに座り、さっきの食べさしのおやつに手を伸ばした。
もう緊張はしていないみたい。
ルナもホッとため息をついて言った。
「そう言えば、ジーンとユーリも初めて会った時、耳に触りたがって、触ってた…」
そんなことも有ったんだ…。
この感じなら、三つ子と仲良く出きるだろう。
「おやつを食べ終わったら、先に家に帰っていてね」
「うん。わかった」
ルナは微笑んで、夢中になっておやつを食べる三つ子を見ていた。
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