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森の聖域 1
初めてのお出かけ
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ソフィアに、意図的に『森の聖域』で眠れば、魔力が戻ってくるのではないかと言われた。
…目覚めさせてくれる者がいれば、記憶をあまり失くさないでいれるかもしれない…。
そんな希望を持って、リーンとルークは三つ子を連れて、獣人の町グオルクに向かった。
カザナのお屋敷の小屋から、グオルクのリーンの部屋へ向かう魔法陣をルークが起動して、リーンはミーナとニーナと手を繋ぎ、ルークはキースとミーナと手を繋ぐ。
子供達にとっては初めての遠出だ。
初めて魔法陣をくぐる三つ子が、不安そうにリーンを見上げてくるが、リーンは微笑んで手を握りしめる。
「大丈夫だよ。私のもう一つの家族に会いにいこうね」
子供達がリーンの手を握り返してくる。
ミーナを真ん中にして、五人は手を繋ぎ、魔法陣を潜った。
出た先の、グオルクのリーンの部屋は、使っていないが適度に掃除されていて、いつ帰ってきても良いように整えられている。
チイが小まめに掃除してくれているのだろう。
「ココがリーンの部屋…」
三つ子は物珍しそうに、キョロキョロと見回す。
「特に何も無いけどね…」
リーンはそう言って微笑み、部屋を出ると、後を三つ子がキョロキョロ見回しながらついてくる。
…屋敷以外の家だから、始めて見るものばかりで、気になるのだろう。
いつも家にいたチイは、ルナが大きくなったので、職場復帰しているからココにはいない。
ヒイロの補佐官として、執務室にいるはず。
リーンは静かなリビングから玄関に向かって歩き、玄関の外にあるグオルクのヒイロの執務室に繋がる魔法陣の前に来た。
その後を着いてきた子供達の方を向き、リーンはしゃがみこんで子供達と視線を合わせて言う。
「向こうは仕事中だから、静かにしていてね」
リーンがそう言い聞かせると、真剣な顔をして三人は頷いた。
素直で良い子達だ。
…親バカだなと思いながら立ち上がり、ルークに視線を移す。
「よし。行こうか」
リーンが微笑むと、ルークが魔法陣を起動させる。
二回目なので、子供達も不安そうな緊張した感じはない。
五人は再び手を繋いで、魔法陣をくぐり、グオルクのヒイロの執務室に出た。
「うわっ…」
「ふわふわ…」
「フサフサ…」
ヒイロの執務室に出で、子供達が一斉に声を上げた。
…うん?
子供達の視線の先に、チイの揺れる尻尾が有った。
…目覚めさせてくれる者がいれば、記憶をあまり失くさないでいれるかもしれない…。
そんな希望を持って、リーンとルークは三つ子を連れて、獣人の町グオルクに向かった。
カザナのお屋敷の小屋から、グオルクのリーンの部屋へ向かう魔法陣をルークが起動して、リーンはミーナとニーナと手を繋ぎ、ルークはキースとミーナと手を繋ぐ。
子供達にとっては初めての遠出だ。
初めて魔法陣をくぐる三つ子が、不安そうにリーンを見上げてくるが、リーンは微笑んで手を握りしめる。
「大丈夫だよ。私のもう一つの家族に会いにいこうね」
子供達がリーンの手を握り返してくる。
ミーナを真ん中にして、五人は手を繋ぎ、魔法陣を潜った。
出た先の、グオルクのリーンの部屋は、使っていないが適度に掃除されていて、いつ帰ってきても良いように整えられている。
チイが小まめに掃除してくれているのだろう。
「ココがリーンの部屋…」
三つ子は物珍しそうに、キョロキョロと見回す。
「特に何も無いけどね…」
リーンはそう言って微笑み、部屋を出ると、後を三つ子がキョロキョロ見回しながらついてくる。
…屋敷以外の家だから、始めて見るものばかりで、気になるのだろう。
いつも家にいたチイは、ルナが大きくなったので、職場復帰しているからココにはいない。
ヒイロの補佐官として、執務室にいるはず。
リーンは静かなリビングから玄関に向かって歩き、玄関の外にあるグオルクのヒイロの執務室に繋がる魔法陣の前に来た。
その後を着いてきた子供達の方を向き、リーンはしゃがみこんで子供達と視線を合わせて言う。
「向こうは仕事中だから、静かにしていてね」
リーンがそう言い聞かせると、真剣な顔をして三人は頷いた。
素直で良い子達だ。
…親バカだなと思いながら立ち上がり、ルークに視線を移す。
「よし。行こうか」
リーンが微笑むと、ルークが魔法陣を起動させる。
二回目なので、子供達も不安そうな緊張した感じはない。
五人は再び手を繋いで、魔法陣をくぐり、グオルクのヒイロの執務室に出た。
「うわっ…」
「ふわふわ…」
「フサフサ…」
ヒイロの執務室に出で、子供達が一斉に声を上げた。
…うん?
子供達の視線の先に、チイの揺れる尻尾が有った。
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