317 / 462
森の聖域 1
考え方
しおりを挟む
風呂場でイチャイチャしながら何度も交わって、のぼせそうになって、ベッドの上に上がってからも、ルークを何度も味わった。
餓鬼感が収まるまで…。
それほどルークに飢えていたのだと思うと、少し恥ずかしかった。
…そして…久しぶり過ぎて、体力が…。
リーンは朝になってもベッドから降りるのが辛く、まだ、身体を横たえていた。
一度、起きようとしたのだが、手足がプルプルと震えて立ち上がれなかったのだ…。
回復魔法が恋しい…。
ルークはいつも通りに起きて、後で朝食を持ってくると言って、食堂に向かった。
…魔法剣士なのでそりゃ体力は有るだろうけど…少し加減して欲しかった…。
と、言っても、最後にねだったのは私だが…。
リーンは思い出して、頬を染めた。
いつの間にかウトウトと眠っていたみたいだ。
賑やかな声がしてリーンが目覚めると、ルークの部屋の中に三つ子達がいて、柔らかな絨毯の上で、キースがルークの膝の上に座り、ミーナとニーナがルークの両脇に座り、本を読んでもらっていた。
三人とも真剣にルークが読む声を聞いて、時々、キャッキャと笑う声が響いてくる。
楽しそう…。
ルークが子供達と一緒に居れる時間は限られている。
けれど出来るだけ時間を作って、遊んでくれている。
…良い父親…なのだろうな…。
リーンが身体を起こすと、こちらに気が付いたルークの視線と合い微笑まれて、リーンは頬を染めた。
そして子供達も気が付き、リーンの寝ているベッドに駆け寄って来た。
「…リーン大丈夫?」
「寝てなくて良いの?」
「つかれたの?」
不安そうに覗き込む三人に微笑んだ。
「大丈夫だよ。少し休めば元に戻るから」
…体力が、無かっただけとは言えないが…。
不安そうな子供達はホッとして、ニコニコと笑う。
「お父さまに、絵本読んでもらってたんだよ」
キースはそう言って、ルークの方に歩いて行って、膝の上にちょこんと座る。
…その行動が…かわいい…。
…ルークの前だから、歩いているのか…?
リーンは思わず唸った。
「ミーナとニーナもおいで」
ルークがそう言って二人を呼ぶと、パタパタとルークに走りより、さっきと同じ場所にちょこんと座った。
「サイドテーブルに、軽めの朝食を置いてある」
ルークがこちらを見て、そう言ったのでリーンがベッドサイドを見ると、パンとカットした果物、お茶が置いてあり、リーンはベッドに座り直して、朝食を食べ始めた。
ルークはさっきの続きの絵本を読み始め、三人は真剣に本を見始める。
…たまにこうやって、この光景を眺めるのも…良いな。
リーンは口許がニヤけるのを止められなかった。
しばらくは平穏な日々が続き、一月ぶり位にソフィアが『魔女の抜け道』を使って、リーンの部屋に姿を表した。
今度は三人ともお昼寝中…。
まだ目覚める時間ではないから、静かに話す分には大丈夫だろう。
リーンはソフィアと向き合って椅子に座ると微笑んだ。
「ソフィア。私は魔力を取り戻したい。分かったことを教えてくれないか」
ソフィアも微笑んで言う。
「多分、そう言うだろうと思っていた」
私が魔力を取り戻したいだろうと思って、調べてくれたのかもしれない。
「…詳しくは分からないけど、眠って記憶を失くす場所は『森の聖域』内なのでしょう。過去の貴方はそこで魔力も取り戻していたのよね…」
…そう。
そして再び新しい『私』として目覚める。
「そこに意図的に眠ったらどうなのかしら…」
「意図的に…」
「例えば、一月。そこで眠るとどれだけの記憶を失くすのか、魔力を体内に取り込めるのか…」
…瀕死の状態になって眠るのと、意識が有る状態で眠るのと、違うのかもしれない。
「そんな事が出きるのかは、私には分からないけれど、体内に魔力を染み込ませる…だったら、出きるのではないかしら…」
「…そうだな。考えもしなかった」
あの場所に眠るときは、誰にも気付かれていない。
誰かに起こしてもらえれば、目覚めれる…?
「…『森の聖域』の事に詳しい誰かに聞いてみると良いわ」
「…そうだな。ヒイロに相談してみる」
ヒイロは『森の聖域』に入ることが出来る、数少ない者だ。
何か分かるかもしれない…。
「ありがとう」
リーンは微笑んだ。
「…今日はまだ寝てるのね」
ソフィアはそう言って、『魔女の抜け道』を移動させて三つ子達が眠る場所に向かう。
…『魔女の抜け道』をこの状態で、移動させるのは有なのか…?
普通、開いた場所で、固定されている筈…。
それだけ、柔軟な魔法を作っていると言うことか…。
ソフィアはしばらく三人の寝顔を眺めて微笑んで、『魔女の抜け道』を閉じた。
…ヒイロに会いに…久しぶりにグオルクに行くか…。
餓鬼感が収まるまで…。
それほどルークに飢えていたのだと思うと、少し恥ずかしかった。
…そして…久しぶり過ぎて、体力が…。
リーンは朝になってもベッドから降りるのが辛く、まだ、身体を横たえていた。
一度、起きようとしたのだが、手足がプルプルと震えて立ち上がれなかったのだ…。
回復魔法が恋しい…。
ルークはいつも通りに起きて、後で朝食を持ってくると言って、食堂に向かった。
…魔法剣士なのでそりゃ体力は有るだろうけど…少し加減して欲しかった…。
と、言っても、最後にねだったのは私だが…。
リーンは思い出して、頬を染めた。
いつの間にかウトウトと眠っていたみたいだ。
賑やかな声がしてリーンが目覚めると、ルークの部屋の中に三つ子達がいて、柔らかな絨毯の上で、キースがルークの膝の上に座り、ミーナとニーナがルークの両脇に座り、本を読んでもらっていた。
三人とも真剣にルークが読む声を聞いて、時々、キャッキャと笑う声が響いてくる。
楽しそう…。
ルークが子供達と一緒に居れる時間は限られている。
けれど出来るだけ時間を作って、遊んでくれている。
…良い父親…なのだろうな…。
リーンが身体を起こすと、こちらに気が付いたルークの視線と合い微笑まれて、リーンは頬を染めた。
そして子供達も気が付き、リーンの寝ているベッドに駆け寄って来た。
「…リーン大丈夫?」
「寝てなくて良いの?」
「つかれたの?」
不安そうに覗き込む三人に微笑んだ。
「大丈夫だよ。少し休めば元に戻るから」
…体力が、無かっただけとは言えないが…。
不安そうな子供達はホッとして、ニコニコと笑う。
「お父さまに、絵本読んでもらってたんだよ」
キースはそう言って、ルークの方に歩いて行って、膝の上にちょこんと座る。
…その行動が…かわいい…。
…ルークの前だから、歩いているのか…?
リーンは思わず唸った。
「ミーナとニーナもおいで」
ルークがそう言って二人を呼ぶと、パタパタとルークに走りより、さっきと同じ場所にちょこんと座った。
「サイドテーブルに、軽めの朝食を置いてある」
ルークがこちらを見て、そう言ったのでリーンがベッドサイドを見ると、パンとカットした果物、お茶が置いてあり、リーンはベッドに座り直して、朝食を食べ始めた。
ルークはさっきの続きの絵本を読み始め、三人は真剣に本を見始める。
…たまにこうやって、この光景を眺めるのも…良いな。
リーンは口許がニヤけるのを止められなかった。
しばらくは平穏な日々が続き、一月ぶり位にソフィアが『魔女の抜け道』を使って、リーンの部屋に姿を表した。
今度は三人ともお昼寝中…。
まだ目覚める時間ではないから、静かに話す分には大丈夫だろう。
リーンはソフィアと向き合って椅子に座ると微笑んだ。
「ソフィア。私は魔力を取り戻したい。分かったことを教えてくれないか」
ソフィアも微笑んで言う。
「多分、そう言うだろうと思っていた」
私が魔力を取り戻したいだろうと思って、調べてくれたのかもしれない。
「…詳しくは分からないけど、眠って記憶を失くす場所は『森の聖域』内なのでしょう。過去の貴方はそこで魔力も取り戻していたのよね…」
…そう。
そして再び新しい『私』として目覚める。
「そこに意図的に眠ったらどうなのかしら…」
「意図的に…」
「例えば、一月。そこで眠るとどれだけの記憶を失くすのか、魔力を体内に取り込めるのか…」
…瀕死の状態になって眠るのと、意識が有る状態で眠るのと、違うのかもしれない。
「そんな事が出きるのかは、私には分からないけれど、体内に魔力を染み込ませる…だったら、出きるのではないかしら…」
「…そうだな。考えもしなかった」
あの場所に眠るときは、誰にも気付かれていない。
誰かに起こしてもらえれば、目覚めれる…?
「…『森の聖域』の事に詳しい誰かに聞いてみると良いわ」
「…そうだな。ヒイロに相談してみる」
ヒイロは『森の聖域』に入ることが出来る、数少ない者だ。
何か分かるかもしれない…。
「ありがとう」
リーンは微笑んだ。
「…今日はまだ寝てるのね」
ソフィアはそう言って、『魔女の抜け道』を移動させて三つ子達が眠る場所に向かう。
…『魔女の抜け道』をこの状態で、移動させるのは有なのか…?
普通、開いた場所で、固定されている筈…。
それだけ、柔軟な魔法を作っていると言うことか…。
ソフィアはしばらく三人の寝顔を眺めて微笑んで、『魔女の抜け道』を閉じた。
…ヒイロに会いに…久しぶりにグオルクに行くか…。
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い


転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
皇帝に追放された騎士団長の試される忠義
大田ネクロマンサー
BL
若干24歳の若き皇帝が統治するベリニア帝国。『金獅子の双腕』の称号で騎士団長兼、宰相を務める皇帝の側近、レシオン・ド・ミゼル(レジー/ミゼル卿)が突如として国外追放を言い渡される。
帝国中に慕われていた金獅子の双腕に下された理不尽な断罪に、国民は様々な憶測を立てる。ーー金獅子の双腕の叔父に婚約破棄された皇紀リベリオが虎視眈々と復讐の機会を狙っていたのではないか?
国民の憶測に無言で帝国を去るレシオン・ド・ミゼル。船で知り合った少年ミオに懐かれ、なんとか不毛の大地で生きていくレジーだったが……彼には誰にも知られたくない秘密があった。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる