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新たなる命
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三つ子はミルクを飲んで、眠って、また、ミルクを飲んで、眠って…。
繰り返す内に、少し大きくなった気がした。
時折、目を開けて、何かを探すみたいに手を伸ばす。
…もしかして、無意識にリーンを探しているのか…?
そう思えるほどに…。
名前が決まった。
金髪の女の子の一人は、リーンと同じ緑色の瞳のミーナ。
もう一人の女の子は、俺と同じ青色の瞳のニーナ。
黒髪の男の子は、リーンと同じ緑色の瞳のキース。
…三卵生の三つ子だ。
…事情を分かっている俺とリーンは、ミーナが魔女王とリーンの子供だとすぐにわかった。
…ニーナの青色の瞳は俺からの遺伝だ。
…それに執事が言うには、キースはどちらかと言うと、小さい頃の俺に似ているらしい…。
…そうか…。
子供達はまだ、保護結界の中から出られない。
リーンの体内から早く取り出した為、一般的な赤子の重さより軽く、もうしばらく保護結界の中から出して、抱き上げることは出来ないそうだ。
だが、リーンだけは保護結界の中に入れてもらい、赤子をそっと抱き上げて見せてくれた。
…嬉しそうに抱き上げてるリーンを見ているだけで、こちらも幸せになってくる…。
リーンの髪が少し伸びた。
今までは肩に付かないほどの長さだったが、後ろで結べるくらい長くなった。
一度、髪が邪魔だからと、切ろうとしていたのを止めた。
折角、伸びてきたのだし、触れた髪の毛がサラサラとして気持ちよく、切るのが勿体なかったからだ。
…髪が伸びて、リーンが色っぽく見えるのは、俺の欲目だからだろうか…。
学校が休みになり、王都からジーンとユーリが帰ってきた。
その頃には、保護結界から出しても良くなるほど体重も増え、産まれた時から比べると、一回り近く大きくなった。
と、言っても標準の大きさだが…。
大きめのベビーベットに三人寝かせて、囲むようにリーンとジーンとユーリと集まり、三つ子を見下ろす。
ジーンもユーリも、三つ子を目にしてキラキラと目を輝かせていた。
「小さい手…」
「触っても良い」
ユーリが聞いてくる。
「ああ。優しく触れよ」
ユーリは恐る恐るミーナの頬に触れる。
「ぷにぷに…」
ユーリは目をキラキラと輝かせ、ジーンを見ると、ジーンもそっとミーナの頬に触れる。
「ぷにぷに…」
ジーンとユーリは顔を見合せ、笑い会う。
「あっ…」
ユーリが声を上げて、ミーナの方を見ると、ユーリの指をミーナがつかんでいた。
「…小さい指…」
ミーナはユーリの指を離そうとしない。
「お前達も産まれた時は、これくらい小さかったんだぞ」
「抱っこしてみる?」
リーンはそう言って、キースを抱き上げ、ジーンに抱き方を説明してそっと渡す。
「ドキドキするよ…」
ジーンは緊張しながらキースを抱き上げ、ニコニコと笑った。
「かわいい…」
「私も抱っこしたい!」
ミーナがユーリの指を離したので、リーンがミーナを抱き上げ、ユーリに抱きかたを教えて、緊張しながらユーリがミーナを抱き上げる。
「…うわぁ…ムニムニしている…」
赤子を抱き上げるジーンとユーリを見て、ルークはニヤニヤと笑いが止まらなかった。
幸せで、たまらないな…。
ジーンとユーリは休みでカザナにいる間、おしめの替え方、ミルクのあげ方等をリーンや侍女に教えてもらいながら、奮闘するのだった。
繰り返す内に、少し大きくなった気がした。
時折、目を開けて、何かを探すみたいに手を伸ばす。
…もしかして、無意識にリーンを探しているのか…?
そう思えるほどに…。
名前が決まった。
金髪の女の子の一人は、リーンと同じ緑色の瞳のミーナ。
もう一人の女の子は、俺と同じ青色の瞳のニーナ。
黒髪の男の子は、リーンと同じ緑色の瞳のキース。
…三卵生の三つ子だ。
…事情を分かっている俺とリーンは、ミーナが魔女王とリーンの子供だとすぐにわかった。
…ニーナの青色の瞳は俺からの遺伝だ。
…それに執事が言うには、キースはどちらかと言うと、小さい頃の俺に似ているらしい…。
…そうか…。
子供達はまだ、保護結界の中から出られない。
リーンの体内から早く取り出した為、一般的な赤子の重さより軽く、もうしばらく保護結界の中から出して、抱き上げることは出来ないそうだ。
だが、リーンだけは保護結界の中に入れてもらい、赤子をそっと抱き上げて見せてくれた。
…嬉しそうに抱き上げてるリーンを見ているだけで、こちらも幸せになってくる…。
リーンの髪が少し伸びた。
今までは肩に付かないほどの長さだったが、後ろで結べるくらい長くなった。
一度、髪が邪魔だからと、切ろうとしていたのを止めた。
折角、伸びてきたのだし、触れた髪の毛がサラサラとして気持ちよく、切るのが勿体なかったからだ。
…髪が伸びて、リーンが色っぽく見えるのは、俺の欲目だからだろうか…。
学校が休みになり、王都からジーンとユーリが帰ってきた。
その頃には、保護結界から出しても良くなるほど体重も増え、産まれた時から比べると、一回り近く大きくなった。
と、言っても標準の大きさだが…。
大きめのベビーベットに三人寝かせて、囲むようにリーンとジーンとユーリと集まり、三つ子を見下ろす。
ジーンもユーリも、三つ子を目にしてキラキラと目を輝かせていた。
「小さい手…」
「触っても良い」
ユーリが聞いてくる。
「ああ。優しく触れよ」
ユーリは恐る恐るミーナの頬に触れる。
「ぷにぷに…」
ユーリは目をキラキラと輝かせ、ジーンを見ると、ジーンもそっとミーナの頬に触れる。
「ぷにぷに…」
ジーンとユーリは顔を見合せ、笑い会う。
「あっ…」
ユーリが声を上げて、ミーナの方を見ると、ユーリの指をミーナがつかんでいた。
「…小さい指…」
ミーナはユーリの指を離そうとしない。
「お前達も産まれた時は、これくらい小さかったんだぞ」
「抱っこしてみる?」
リーンはそう言って、キースを抱き上げ、ジーンに抱き方を説明してそっと渡す。
「ドキドキするよ…」
ジーンは緊張しながらキースを抱き上げ、ニコニコと笑った。
「かわいい…」
「私も抱っこしたい!」
ミーナがユーリの指を離したので、リーンがミーナを抱き上げ、ユーリに抱きかたを教えて、緊張しながらユーリがミーナを抱き上げる。
「…うわぁ…ムニムニしている…」
赤子を抱き上げるジーンとユーリを見て、ルークはニヤニヤと笑いが止まらなかった。
幸せで、たまらないな…。
ジーンとユーリは休みでカザナにいる間、おしめの替え方、ミルクのあげ方等をリーンや侍女に教えてもらいながら、奮闘するのだった。
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