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新たなる命
魔女王の手紙
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ルークから渡された、森の魔女王ソフィアからの手紙を受け取ったリーンは、封を開けた。
…珍しい事だ。
用事があれば、『魔女の抜け道』を使って、突然現れたり、魔法の伝言を使って、蝶を飛ばしてきたりするのに、手紙とは…何かあったのか…?
リーンが手紙を開くと、メモ紙が一枚入っていて、ほんの二行だけ書かれていた。
『リーンの子供を産んで欲しい』
『満月の夜に』
…どういう事だ?
私の子供…?
リーンがソフィアと関係を持ったのは、十年以上前…。
ルークと出会う前だ。
獣人のユキにあげた耳飾りを探して『魔女の森』に迷い込んだ時だけ…。
それに…『子供を産んで欲しい』とは、どういう意味だ?
まあ、リーンは実際、ジーンとユーリを産んではいるが…。
「…どういう事だ?」
手紙を覗き込んだルークが首を傾げる。
私にも意味不明だ。
取りあえず説明を聞かないとわからない…。
「…事情を聞きに行く」
『魔女の森』には、こちらからの魔法通信は使えないし、風霊の『風の便り』も届かない…。
「『満月の夜に』と、言うことは、『魔女の宴』の時か…」
「その時の方が、入りやすいからね」
『魔女の宴』は魔女が子供を作るための宴。
外から男を引き入れるために、魔女王が結界を消すから、内部には入りやすい。
とは言え、魔女王がしっかり監視をしているので、こっそり入っても簡単に見つかってしまうが…。
「俺も行く」
ルークがそう言って、背後からリーンの身体を抱き締め、ルークの腕の中に閉じ込められる。
「リーン、一人を行かせられるかよ」
…私としても、魔力が無い状態で『魔女の森』へ行くのは不安だ。
一緒に行ってくれるのなら心強い…。
「満月はまだ先だから、ソレまでに仕事を片付けて…確か、アオは『魔女の歌』は、大丈夫だったよな。…馬車の用意をさせて…」
ルークは段取りを考え始めた。
…ソフィアの中に、私の子供がいるのか…?
答えは、ソフィアに直接会って話を聞くしかなかった。
「…リーンは、また、子供を産める身体なのか?」
手紙の事はさておき、ベッドで二人、まどろんでいると、ルークがそう言ってきた。
「…どうだろう。あの時は、獣人族の魔法が掛けられていたみたいだし、『魔女の宴』の事も有ったから…」
魔法で身体が変えられていたのもあって、体内に宿ったに過ぎない。
魔力を無くし、普通の人族の身体になっているとしたら、産むことは出来ないだろう…。
「…ルークは、子供が欲しい?」
リーンが聞くと、ルークは苦笑いする。
「ジーンとユーリの手が離れて、少し寂しいのかも…」
欲しいとは言わないが、居たらいたで、楽しいかもしれない。
最近ジーンとユーリは、休みでも屋敷に帰ってこなくなったのが、寂しいと思う原因の一つかもしれない。
学校が楽しのと、ジーンは王立図書館に通いだしたし、ユーリも騎士団の予備校で、剣の稽古を付けてもらえるようになったからだ。
親元を離れていくのは寂しいが、二人の自我の育成には見守るしかない。
そんな事もあってか、最近ルークが甘えてきて、かわいく見えてしまうのは私の欲目だな…。
リーンは内心で微笑んでいた。
「…孕みそうなぐらい、してるけどね」
リーンがそう言って笑うと、ルークがリーンに覆い被さってきて、首筋に口付けてくる。
「…もう一回…」
そう言ってルークが、リーンの胸の突起を捏ね回し始める。
「…んっ…っ…ルーク…」
リーンはルークの髪を撫でながら、そのままルークの手に奔走されていった。
…珍しい事だ。
用事があれば、『魔女の抜け道』を使って、突然現れたり、魔法の伝言を使って、蝶を飛ばしてきたりするのに、手紙とは…何かあったのか…?
リーンが手紙を開くと、メモ紙が一枚入っていて、ほんの二行だけ書かれていた。
『リーンの子供を産んで欲しい』
『満月の夜に』
…どういう事だ?
私の子供…?
リーンがソフィアと関係を持ったのは、十年以上前…。
ルークと出会う前だ。
獣人のユキにあげた耳飾りを探して『魔女の森』に迷い込んだ時だけ…。
それに…『子供を産んで欲しい』とは、どういう意味だ?
まあ、リーンは実際、ジーンとユーリを産んではいるが…。
「…どういう事だ?」
手紙を覗き込んだルークが首を傾げる。
私にも意味不明だ。
取りあえず説明を聞かないとわからない…。
「…事情を聞きに行く」
『魔女の森』には、こちらからの魔法通信は使えないし、風霊の『風の便り』も届かない…。
「『満月の夜に』と、言うことは、『魔女の宴』の時か…」
「その時の方が、入りやすいからね」
『魔女の宴』は魔女が子供を作るための宴。
外から男を引き入れるために、魔女王が結界を消すから、内部には入りやすい。
とは言え、魔女王がしっかり監視をしているので、こっそり入っても簡単に見つかってしまうが…。
「俺も行く」
ルークがそう言って、背後からリーンの身体を抱き締め、ルークの腕の中に閉じ込められる。
「リーン、一人を行かせられるかよ」
…私としても、魔力が無い状態で『魔女の森』へ行くのは不安だ。
一緒に行ってくれるのなら心強い…。
「満月はまだ先だから、ソレまでに仕事を片付けて…確か、アオは『魔女の歌』は、大丈夫だったよな。…馬車の用意をさせて…」
ルークは段取りを考え始めた。
…ソフィアの中に、私の子供がいるのか…?
答えは、ソフィアに直接会って話を聞くしかなかった。
「…リーンは、また、子供を産める身体なのか?」
手紙の事はさておき、ベッドで二人、まどろんでいると、ルークがそう言ってきた。
「…どうだろう。あの時は、獣人族の魔法が掛けられていたみたいだし、『魔女の宴』の事も有ったから…」
魔法で身体が変えられていたのもあって、体内に宿ったに過ぎない。
魔力を無くし、普通の人族の身体になっているとしたら、産むことは出来ないだろう…。
「…ルークは、子供が欲しい?」
リーンが聞くと、ルークは苦笑いする。
「ジーンとユーリの手が離れて、少し寂しいのかも…」
欲しいとは言わないが、居たらいたで、楽しいかもしれない。
最近ジーンとユーリは、休みでも屋敷に帰ってこなくなったのが、寂しいと思う原因の一つかもしれない。
学校が楽しのと、ジーンは王立図書館に通いだしたし、ユーリも騎士団の予備校で、剣の稽古を付けてもらえるようになったからだ。
親元を離れていくのは寂しいが、二人の自我の育成には見守るしかない。
そんな事もあってか、最近ルークが甘えてきて、かわいく見えてしまうのは私の欲目だな…。
リーンは内心で微笑んでいた。
「…孕みそうなぐらい、してるけどね」
リーンがそう言って笑うと、ルークがリーンに覆い被さってきて、首筋に口付けてくる。
「…もう一回…」
そう言ってルークが、リーンの胸の突起を捏ね回し始める。
「…んっ…っ…ルーク…」
リーンはルークの髪を撫でながら、そのままルークの手に奔走されていった。
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