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神の宿り木~再生 3~
魔女王の策略 4
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満月の日の、朝日が登る…。
魔女王ソフィアは『魔女の森』の結界を解いた。
今日は『魔女の宴』の日。
魔女の森では宴の準備が始まった。
そしてソフィア達も、『魔法石』に魔力を送り始めた。
『魔法石』に閉じ込めて有る魔力がいくら強力でも、限りが有る。
ソコへ魔力を送り続ければ、『魔法石』はその魔力を維持して、リーンの魔法に魔力を注ぎ続けることが出来る…。
予想以上に侵食が進んでいるから、やはりみんなに魔力を送るように協力してもらって正解だ。
…リーンは気がついている…。
このまま魔法を使い続ければ、魔力が枯渇し、深い眠りについたら当分目覚めないことを…。
そしてソフィアは思った。
…以前、リーンに掛けた魔法が、うまく起動してくれると良いけれど…。
どれだけの時間が過ぎたのか、わからない…。
辺りは明るくなり、朝を向かえている…。
『魔法石』の魔力の消失が止まった。
…リーンの魔法が、終わった…。
どうなったか知りたいが、まだ、あの一帯は魔力が渦巻いていて、『風霊』達も近づけない…。
リーンはどうなったの!?
枯れていく森は、正常な状態に戻ったの!?
…まだ、『風霊』達は答えてくれない…。
ソフィアは『魔女の抜け道』をリーンの側に開けようとしたが、リーンの魔力を感じられず、開くことも出来ない!
…待つしかないのね…。
ソフィアはため息を付いて、『魔女の宴』の為に、通常通り『魔女の森』の監視を始めた。
しばらくすると、『風霊』が教えてくれた。
リーンは眠ったままだが、『森の聖域』には連れていかれず、ルークと共に帰って行った。と…。
ソフィアはホッとした。
『森の聖域』に連れて行かれてしまっては、手も足も出ない…。
カザンナ王国の王子のもとなら、連絡を付けることが出来るし、様子もうかがえる。
次にリーンが目覚めたら…状態を見て、私の計画に協力してもらわなくては…。
…今回の対価として…。
*****
フールシアは海の孤島の浜辺に、竜体の姿でたたずみ、海から魔力を吸い上げ『魔力転移』を使って『水の魔法石』に魔力を送り続けた。
いくら強力な『水の魔法石』とは言え、しょせん魔力を封じ込めたものだ。
無限に使えるわけではない…。
…とは言え、これだけの魔法を使って、リーンは本当に消えてしまわないのか不安でもある。
あの魔女王が策略して、協力を求めてきたのだから、消えてしまわない確信はあるのだろう…。
日が昇り、明るくなり、魔力の流動が止まった。
…終わったのか?
リーンは無事なのか?
「…。」
待っていても、誰も答えてはくれない…。
…後で連絡が来るだろう…。
協力することで、リーンが助かると言っていた魔女王の言葉を信じてフールシアは海底に潜った。
魔力を使いすぎて、少し眠い…。
昼間で眠らせてもらおう…。
*****
有翼族のシバは、光の塔の最上階から『魔力転移』を使って『風の魔法石』に魔力を送っていた。
ここからの方が、遠くまで魔力を飛ばせるからだ。
とは言え、かなりの距離があるし、シバが作った魔法石ではないので、最初は少し戸惑った。
だが、同じ有翼族が作った『魔法石』だ。
すぐに魔力が馴染み、魔力を補給し続けている。
キラはうまく魔力を送れているだろうか?
炎の竜の元に『魔力転移』を使える者を二人派遣した。
どれくらいの時間、送り続ければ良いのか分からなかったので、相性の良い双子の兄弟二人で『魔力転移』を作ってもらうことにした。
キラにとっては初めての事だから、不安かもしれないが、リーンと一緒に温泉に入る為に頑張る。と、言っていたので、できる限りの事はしているだろう…。
そんな事を思いながら魔力を供給していると、魔力が止まった。
…終わったのか?
『風霊』達はまだ、何も答えてくれない。
…しばらく時間がかかるだろ…。
シバは側にあったイスにどっしりと座り、ため息をついた。
「…老体をもう少し、いたわってくれ…」
シバは、そう呟いて苦笑いした。
ソフィアが聞いたら、笑い飛ばされるだろう…。
今が、全盛期でしょう。と…。
魔女王ソフィアは『魔女の森』の結界を解いた。
今日は『魔女の宴』の日。
魔女の森では宴の準備が始まった。
そしてソフィア達も、『魔法石』に魔力を送り始めた。
『魔法石』に閉じ込めて有る魔力がいくら強力でも、限りが有る。
ソコへ魔力を送り続ければ、『魔法石』はその魔力を維持して、リーンの魔法に魔力を注ぎ続けることが出来る…。
予想以上に侵食が進んでいるから、やはりみんなに魔力を送るように協力してもらって正解だ。
…リーンは気がついている…。
このまま魔法を使い続ければ、魔力が枯渇し、深い眠りについたら当分目覚めないことを…。
そしてソフィアは思った。
…以前、リーンに掛けた魔法が、うまく起動してくれると良いけれど…。
どれだけの時間が過ぎたのか、わからない…。
辺りは明るくなり、朝を向かえている…。
『魔法石』の魔力の消失が止まった。
…リーンの魔法が、終わった…。
どうなったか知りたいが、まだ、あの一帯は魔力が渦巻いていて、『風霊』達も近づけない…。
リーンはどうなったの!?
枯れていく森は、正常な状態に戻ったの!?
…まだ、『風霊』達は答えてくれない…。
ソフィアは『魔女の抜け道』をリーンの側に開けようとしたが、リーンの魔力を感じられず、開くことも出来ない!
…待つしかないのね…。
ソフィアはため息を付いて、『魔女の宴』の為に、通常通り『魔女の森』の監視を始めた。
しばらくすると、『風霊』が教えてくれた。
リーンは眠ったままだが、『森の聖域』には連れていかれず、ルークと共に帰って行った。と…。
ソフィアはホッとした。
『森の聖域』に連れて行かれてしまっては、手も足も出ない…。
カザンナ王国の王子のもとなら、連絡を付けることが出来るし、様子もうかがえる。
次にリーンが目覚めたら…状態を見て、私の計画に協力してもらわなくては…。
…今回の対価として…。
*****
フールシアは海の孤島の浜辺に、竜体の姿でたたずみ、海から魔力を吸い上げ『魔力転移』を使って『水の魔法石』に魔力を送り続けた。
いくら強力な『水の魔法石』とは言え、しょせん魔力を封じ込めたものだ。
無限に使えるわけではない…。
…とは言え、これだけの魔法を使って、リーンは本当に消えてしまわないのか不安でもある。
あの魔女王が策略して、協力を求めてきたのだから、消えてしまわない確信はあるのだろう…。
日が昇り、明るくなり、魔力の流動が止まった。
…終わったのか?
リーンは無事なのか?
「…。」
待っていても、誰も答えてはくれない…。
…後で連絡が来るだろう…。
協力することで、リーンが助かると言っていた魔女王の言葉を信じてフールシアは海底に潜った。
魔力を使いすぎて、少し眠い…。
昼間で眠らせてもらおう…。
*****
有翼族のシバは、光の塔の最上階から『魔力転移』を使って『風の魔法石』に魔力を送っていた。
ここからの方が、遠くまで魔力を飛ばせるからだ。
とは言え、かなりの距離があるし、シバが作った魔法石ではないので、最初は少し戸惑った。
だが、同じ有翼族が作った『魔法石』だ。
すぐに魔力が馴染み、魔力を補給し続けている。
キラはうまく魔力を送れているだろうか?
炎の竜の元に『魔力転移』を使える者を二人派遣した。
どれくらいの時間、送り続ければ良いのか分からなかったので、相性の良い双子の兄弟二人で『魔力転移』を作ってもらうことにした。
キラにとっては初めての事だから、不安かもしれないが、リーンと一緒に温泉に入る為に頑張る。と、言っていたので、できる限りの事はしているだろう…。
そんな事を思いながら魔力を供給していると、魔力が止まった。
…終わったのか?
『風霊』達はまだ、何も答えてくれない。
…しばらく時間がかかるだろ…。
シバは側にあったイスにどっしりと座り、ため息をついた。
「…老体をもう少し、いたわってくれ…」
シバは、そう呟いて苦笑いした。
ソフィアが聞いたら、笑い飛ばされるだろう…。
今が、全盛期でしょう。と…。
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