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神の宿り木~再生 3~
魔女王の策略 1
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ソフィアはずっと『魔女の森』の水源が激減したことを調査し、原因を何十年もかけて調べていた。
『魔女の森』からほとんど出れないので、配下の者に地下水の水脈を調査してもらい、探ってきたが、自分達の行動範囲からかなり離れてしまうため…、地中深く潜ってしまう森の奥地までは調査出来なかった。
それでも定期的に地下水を探り、年々、地下水の水量が減ってきていた事を確認するだけだった。
リーンが立ち寄ったときに貯水槽を作ったので、水不足になることは無いから、心配することは無いのだが、大地への影響を気にしていた。
バランス良く保つことで、世界は維持され進んでいく…。
…地下水が流れないことで、作物の生育の心配をしていた。
リーンから、リムナード山の奥地に、魔力を吸収してしまい、朽ちようとしている地域が有り、そこに有る『宿り木』が、魔力の逆転を起こしてしまっていると聞いた。
…もしかして、『魔女の森』の際奥地は、リムナード山なのかもしれないと思った。
だったらどうやって、あれをもとに戻す?
リーンは『再生』と『成長』の魔法を使い、大地を甦らせるのだと言った。
ソレには強力な『魔法石』が必要になる。
ソフィアは密かに『大地の魔法石』を精製した。
風霊達が、リーンの事を教えてくれる。
『炎の魔法石』を求めて、アリミネ火山に向かったと。
『炎の元素の魔法石』が必要なくらい、その地は荒れ、浄化しなくてはいけないほどに、なっているのだろう…。
…足りない…。
ソフィアは直感的にそう感じた。
ソフィアにはほんの少し先を読む、予知の能力も持っている。
…何が…足りない…。
ソフィアは自問した。
…今の私の魔力が足りないのだ…。
今後のソフィアの計画の為にも、リーンが手の届かない場所で深い眠りについてしまうのは、都合が悪かった。
ソフィアは直ぐに行動に出た。
まずわ、水中都市と唯一連絡がとれる『人魚の湖フールシア』に『魔女の抜け道』を繋いだ。
『魔女の抜け道』はソフィアが行ったことの有る場所、ソフィアと『魔力の交合』をした者の所に繋ぐことができる、空間を操作した魔法だ。
ゆえに『魔女の抜け道』を使える者は数少ない。
ソレを使えるからこそ、シラミネの魔女王に抜擢された理由の一つでもある。
『人魚の湖』の水上集落のリーダーからの返答は、『今夜、水中都市に繋がる海の孤島へ』だった。
ソフィアは夜になると、再び『魔女の抜け道』を使って海の孤島へと繋いだ。
以前、リーンが水中都市から出口を探して外へ向かったら、ここへたどり着いたと聞いたので、興味がわいて、ここに来たことがあるから、簡単に浜辺までは繋がる。
たがこの先の、水中都市の入り口には、竜人族の結界があって簡単には入れなくなった。
…誰も来ないだろうと思ってか、以前は結界も微弱で簡単に入れたのだ。
夜になり、星空が輝き、深く暗い海の波音だけが響いている。
誰も居ない、誰も寄り付かない…孤島…。
急に水面から水飛沫が上がり、竜人…フールシアが竜体で姿を表した。
水を滴らせ、浜辺に上がってくると、近くの小屋へ向かい、竜人の姿に変わり服を着て姿を表した。
「何の用だ」
不機嫌なフールシアが『魔女の抜け道』から覗くソフィアを睨む。
以前、ココから水中都市に侵入したのを、気にしているみたいだ。
「リーンから聞いているでしょ。『水の魔法石』の事だけど」
フールシアは無表情で、じっとこちらの思惑に探りをいれようとしている。
「リーンを無くしたくなかったら、協力して!」
フールシアは驚いて、そして話を聞いてくれた。
ある程度リーンから話しは聞いていたみたいで、ソフィアはソレに追加で満月の日の、朝日が登る時間に、『水の魔法石』に魔力を送ってもらうことをお願いした。
どの満月になるかは、リーンしだい…。
「それで、リーンは消えてしまわないんだな」
「絶対とは言えないけど、可能性は上がる…」
ソフィアの真剣な表情に、フールシアは協力すると約束してくれた。
リーンを無くしたくない思いは一緒なのだ。
ソフィアが次に『魔女の抜け道』を繋げたのは、ロバロク山のナシャール。
有翼族の住むレンガ造りの町だ。
その町の象徴、光の塔…。
かつてソフィアはソコにいた。
有翼族の直系なのに翼を持たず、膨大な魔力と寿命だけを受け継いだ、隠されていた子供…。
そして跡継ぎの欲しかった前魔女王は、有翼族との間で契約を交わし、ソフィアは光の塔から出て、魔女の森に連れていかれたのだ。
たいして思いでもない…。
ただ長寿の父親は、まだ生きているみたいだ。
あまり会いたくは無いが、背に腹は変えられない…。
ソフィアが知っているなかで、強い風の魔法を使いこなせるのは彼しか居ないからだ。
ソフィアは父親…シバの元に『魔女の抜け道』を繋いだ。
『魔女の森』からほとんど出れないので、配下の者に地下水の水脈を調査してもらい、探ってきたが、自分達の行動範囲からかなり離れてしまうため…、地中深く潜ってしまう森の奥地までは調査出来なかった。
それでも定期的に地下水を探り、年々、地下水の水量が減ってきていた事を確認するだけだった。
リーンが立ち寄ったときに貯水槽を作ったので、水不足になることは無いから、心配することは無いのだが、大地への影響を気にしていた。
バランス良く保つことで、世界は維持され進んでいく…。
…地下水が流れないことで、作物の生育の心配をしていた。
リーンから、リムナード山の奥地に、魔力を吸収してしまい、朽ちようとしている地域が有り、そこに有る『宿り木』が、魔力の逆転を起こしてしまっていると聞いた。
…もしかして、『魔女の森』の際奥地は、リムナード山なのかもしれないと思った。
だったらどうやって、あれをもとに戻す?
リーンは『再生』と『成長』の魔法を使い、大地を甦らせるのだと言った。
ソレには強力な『魔法石』が必要になる。
ソフィアは密かに『大地の魔法石』を精製した。
風霊達が、リーンの事を教えてくれる。
『炎の魔法石』を求めて、アリミネ火山に向かったと。
『炎の元素の魔法石』が必要なくらい、その地は荒れ、浄化しなくてはいけないほどに、なっているのだろう…。
…足りない…。
ソフィアは直感的にそう感じた。
ソフィアにはほんの少し先を読む、予知の能力も持っている。
…何が…足りない…。
ソフィアは自問した。
…今の私の魔力が足りないのだ…。
今後のソフィアの計画の為にも、リーンが手の届かない場所で深い眠りについてしまうのは、都合が悪かった。
ソフィアは直ぐに行動に出た。
まずわ、水中都市と唯一連絡がとれる『人魚の湖フールシア』に『魔女の抜け道』を繋いだ。
『魔女の抜け道』はソフィアが行ったことの有る場所、ソフィアと『魔力の交合』をした者の所に繋ぐことができる、空間を操作した魔法だ。
ゆえに『魔女の抜け道』を使える者は数少ない。
ソレを使えるからこそ、シラミネの魔女王に抜擢された理由の一つでもある。
『人魚の湖』の水上集落のリーダーからの返答は、『今夜、水中都市に繋がる海の孤島へ』だった。
ソフィアは夜になると、再び『魔女の抜け道』を使って海の孤島へと繋いだ。
以前、リーンが水中都市から出口を探して外へ向かったら、ここへたどり着いたと聞いたので、興味がわいて、ここに来たことがあるから、簡単に浜辺までは繋がる。
たがこの先の、水中都市の入り口には、竜人族の結界があって簡単には入れなくなった。
…誰も来ないだろうと思ってか、以前は結界も微弱で簡単に入れたのだ。
夜になり、星空が輝き、深く暗い海の波音だけが響いている。
誰も居ない、誰も寄り付かない…孤島…。
急に水面から水飛沫が上がり、竜人…フールシアが竜体で姿を表した。
水を滴らせ、浜辺に上がってくると、近くの小屋へ向かい、竜人の姿に変わり服を着て姿を表した。
「何の用だ」
不機嫌なフールシアが『魔女の抜け道』から覗くソフィアを睨む。
以前、ココから水中都市に侵入したのを、気にしているみたいだ。
「リーンから聞いているでしょ。『水の魔法石』の事だけど」
フールシアは無表情で、じっとこちらの思惑に探りをいれようとしている。
「リーンを無くしたくなかったら、協力して!」
フールシアは驚いて、そして話を聞いてくれた。
ある程度リーンから話しは聞いていたみたいで、ソフィアはソレに追加で満月の日の、朝日が登る時間に、『水の魔法石』に魔力を送ってもらうことをお願いした。
どの満月になるかは、リーンしだい…。
「それで、リーンは消えてしまわないんだな」
「絶対とは言えないけど、可能性は上がる…」
ソフィアの真剣な表情に、フールシアは協力すると約束してくれた。
リーンを無くしたくない思いは一緒なのだ。
ソフィアが次に『魔女の抜け道』を繋げたのは、ロバロク山のナシャール。
有翼族の住むレンガ造りの町だ。
その町の象徴、光の塔…。
かつてソフィアはソコにいた。
有翼族の直系なのに翼を持たず、膨大な魔力と寿命だけを受け継いだ、隠されていた子供…。
そして跡継ぎの欲しかった前魔女王は、有翼族との間で契約を交わし、ソフィアは光の塔から出て、魔女の森に連れていかれたのだ。
たいして思いでもない…。
ただ長寿の父親は、まだ生きているみたいだ。
あまり会いたくは無いが、背に腹は変えられない…。
ソフィアが知っているなかで、強い風の魔法を使いこなせるのは彼しか居ないからだ。
ソフィアは父親…シバの元に『魔女の抜け道』を繋いだ。
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