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神の宿り木~再生 3~
『宿り木の苗木』 *
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目が覚めると当たりは暗くなっていて、いつの間にか夜になっていた。
リーンはルークを起こさないように、そっと身体を起こし、ベッドサイドの飲み物を飲んだ。
叫び過ぎて、喉がカラカラだ…。
リーンはぼんやりとしながら果物を食べ、今までの出来事を思い返していた。
ルークに出会って、ジーンとユーリが産まれて、一緒に生活して、家族になって、笑い合って…ああ、これが幸せなんだな…そう感じることが多くなっていた。
だからこうして、ルークの側にいて、満たされて…いつしかルークを愛おしく思うようになっていた。
…愛おしいと、自覚したのだ…。
そんな私の行動を…変に思っただろうか…。
…ルークは、何か気が付いたかもしれない…。
「…どうした…」
ぼんやりとルークがベッドから手を伸ばしてくる。
「…水…飲む…?」
「…ああ」
ルークがそう答えたので、リーンは水を口に含み、ルークに口付けて口移しで水を与える。
ルークが時々してくれた事をお返しする。
「…んっ…」
唇を離すと、ルークは笑って「もう一度」と言ったので、リーンは再び水を口に含み、口移しで水を飲ませる。
リーンは唇を離して、再びルークが横たわるベッドに潜り込み、身体をぴったりとくっつける。
「…幸せ…なんだな…」
「…。」
ルークがリーンの髪の毛を撫でてくれる。
「今まで…ルークに出会うまで、帰る場所が増えるとは思わなかったから…自分の家族が出きるなんて思わなかったから…良いなって…改めて思って…」
言葉にして、さらに幸せを感じる…。
「…もうすぐ、また、…どこかに旅に出掛けるのか…」
「うん…。そろそろ行かないと…」
リーンはそう言って、ルークに口付ける。
今まで何回、このやり取りを繰り返して来ただろう…。
魔力の番になって、魔力の交合をして、互いの魔力に酔いしれて…酔って、もっと触れて、欲しくなる…。
リーンはルークと抱き合いなから再び眠りについた。
夜明け前。
ベッドから抜け出したリーンはミーネの元に向かった。
以前、頼んでいた『宿り木の苗木』を受け取りに来たのだ。
リーンが『宿り木』に触れ、ミーネの名前を呼ぶと姿を表した。
「『苗木』を…」
ミーネが微笑み『宿り木』が光り、光りに包まれた『苗木』が姿を現す。
「…ありがとう…」
リーンは『苗木』を受け取り、『物質保管庫』へと終う。
「『天水球』も五つもらうよ」
リーンがそう言うと、地中から『天水球』が姿を表し、それも『物質保管庫』へと終っていると、珍しくミーネが声をかけてきた。
『残りの二つもお持ち下さい』
「だけど、もしもの時に…」
日照りや水不足の時用に、使えるように保管してもらっているモノだ。
『『天水球』は、また、作ってくだされば良い…』
「…。」
…ミーネにも分かっているのだろう。
どれだけ大変な、大きな魔法なのかを…。
水源を復活させるための、呼び水として、どれだけ水を使うのか、やってみなくては、分からないのだ…。
「…わかった。残りの二つももらっていくよ…」
リーンはそう言って、全部で七つの『天水球』を『物質保管庫』にしまった。
「…彼らに伝えなくて良いのですか?」
「うん。心が揺らぎそうで…。長い旅に出たと思ってくれるよ…」
リーンはそう言って苦笑いした。
だが実際、『始まりの宿り木』が正常化して、緑が戻れば、誰が魔法をかけたのかは分かってしまうだろう…。
そう…長い旅に…。
リーンはミーネのもとから離れ、山小屋に戻り、ぐっすりと眠るルークの寝顔を少し眺め、横に有る、グオルクの部屋への魔法陣を潜った。
リーンはルークを起こさないように、そっと身体を起こし、ベッドサイドの飲み物を飲んだ。
叫び過ぎて、喉がカラカラだ…。
リーンはぼんやりとしながら果物を食べ、今までの出来事を思い返していた。
ルークに出会って、ジーンとユーリが産まれて、一緒に生活して、家族になって、笑い合って…ああ、これが幸せなんだな…そう感じることが多くなっていた。
だからこうして、ルークの側にいて、満たされて…いつしかルークを愛おしく思うようになっていた。
…愛おしいと、自覚したのだ…。
そんな私の行動を…変に思っただろうか…。
…ルークは、何か気が付いたかもしれない…。
「…どうした…」
ぼんやりとルークがベッドから手を伸ばしてくる。
「…水…飲む…?」
「…ああ」
ルークがそう答えたので、リーンは水を口に含み、ルークに口付けて口移しで水を与える。
ルークが時々してくれた事をお返しする。
「…んっ…」
唇を離すと、ルークは笑って「もう一度」と言ったので、リーンは再び水を口に含み、口移しで水を飲ませる。
リーンは唇を離して、再びルークが横たわるベッドに潜り込み、身体をぴったりとくっつける。
「…幸せ…なんだな…」
「…。」
ルークがリーンの髪の毛を撫でてくれる。
「今まで…ルークに出会うまで、帰る場所が増えるとは思わなかったから…自分の家族が出きるなんて思わなかったから…良いなって…改めて思って…」
言葉にして、さらに幸せを感じる…。
「…もうすぐ、また、…どこかに旅に出掛けるのか…」
「うん…。そろそろ行かないと…」
リーンはそう言って、ルークに口付ける。
今まで何回、このやり取りを繰り返して来ただろう…。
魔力の番になって、魔力の交合をして、互いの魔力に酔いしれて…酔って、もっと触れて、欲しくなる…。
リーンはルークと抱き合いなから再び眠りについた。
夜明け前。
ベッドから抜け出したリーンはミーネの元に向かった。
以前、頼んでいた『宿り木の苗木』を受け取りに来たのだ。
リーンが『宿り木』に触れ、ミーネの名前を呼ぶと姿を表した。
「『苗木』を…」
ミーネが微笑み『宿り木』が光り、光りに包まれた『苗木』が姿を現す。
「…ありがとう…」
リーンは『苗木』を受け取り、『物質保管庫』へと終う。
「『天水球』も五つもらうよ」
リーンがそう言うと、地中から『天水球』が姿を表し、それも『物質保管庫』へと終っていると、珍しくミーネが声をかけてきた。
『残りの二つもお持ち下さい』
「だけど、もしもの時に…」
日照りや水不足の時用に、使えるように保管してもらっているモノだ。
『『天水球』は、また、作ってくだされば良い…』
「…。」
…ミーネにも分かっているのだろう。
どれだけ大変な、大きな魔法なのかを…。
水源を復活させるための、呼び水として、どれだけ水を使うのか、やってみなくては、分からないのだ…。
「…わかった。残りの二つももらっていくよ…」
リーンはそう言って、全部で七つの『天水球』を『物質保管庫』にしまった。
「…彼らに伝えなくて良いのですか?」
「うん。心が揺らぎそうで…。長い旅に出たと思ってくれるよ…」
リーンはそう言って苦笑いした。
だが実際、『始まりの宿り木』が正常化して、緑が戻れば、誰が魔法をかけたのかは分かってしまうだろう…。
そう…長い旅に…。
リーンはミーネのもとから離れ、山小屋に戻り、ぐっすりと眠るルークの寝顔を少し眺め、横に有る、グオルクの部屋への魔法陣を潜った。
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