276 / 462
神の宿り木~再生 3~
『宿り木の苗木』 *
しおりを挟む
目が覚めると当たりは暗くなっていて、いつの間にか夜になっていた。
リーンはルークを起こさないように、そっと身体を起こし、ベッドサイドの飲み物を飲んだ。
叫び過ぎて、喉がカラカラだ…。
リーンはぼんやりとしながら果物を食べ、今までの出来事を思い返していた。
ルークに出会って、ジーンとユーリが産まれて、一緒に生活して、家族になって、笑い合って…ああ、これが幸せなんだな…そう感じることが多くなっていた。
だからこうして、ルークの側にいて、満たされて…いつしかルークを愛おしく思うようになっていた。
…愛おしいと、自覚したのだ…。
そんな私の行動を…変に思っただろうか…。
…ルークは、何か気が付いたかもしれない…。
「…どうした…」
ぼんやりとルークがベッドから手を伸ばしてくる。
「…水…飲む…?」
「…ああ」
ルークがそう答えたので、リーンは水を口に含み、ルークに口付けて口移しで水を与える。
ルークが時々してくれた事をお返しする。
「…んっ…」
唇を離すと、ルークは笑って「もう一度」と言ったので、リーンは再び水を口に含み、口移しで水を飲ませる。
リーンは唇を離して、再びルークが横たわるベッドに潜り込み、身体をぴったりとくっつける。
「…幸せ…なんだな…」
「…。」
ルークがリーンの髪の毛を撫でてくれる。
「今まで…ルークに出会うまで、帰る場所が増えるとは思わなかったから…自分の家族が出きるなんて思わなかったから…良いなって…改めて思って…」
言葉にして、さらに幸せを感じる…。
「…もうすぐ、また、…どこかに旅に出掛けるのか…」
「うん…。そろそろ行かないと…」
リーンはそう言って、ルークに口付ける。
今まで何回、このやり取りを繰り返して来ただろう…。
魔力の番になって、魔力の交合をして、互いの魔力に酔いしれて…酔って、もっと触れて、欲しくなる…。
リーンはルークと抱き合いなから再び眠りについた。
夜明け前。
ベッドから抜け出したリーンはミーネの元に向かった。
以前、頼んでいた『宿り木の苗木』を受け取りに来たのだ。
リーンが『宿り木』に触れ、ミーネの名前を呼ぶと姿を表した。
「『苗木』を…」
ミーネが微笑み『宿り木』が光り、光りに包まれた『苗木』が姿を現す。
「…ありがとう…」
リーンは『苗木』を受け取り、『物質保管庫』へと終う。
「『天水球』も五つもらうよ」
リーンがそう言うと、地中から『天水球』が姿を表し、それも『物質保管庫』へと終っていると、珍しくミーネが声をかけてきた。
『残りの二つもお持ち下さい』
「だけど、もしもの時に…」
日照りや水不足の時用に、使えるように保管してもらっているモノだ。
『『天水球』は、また、作ってくだされば良い…』
「…。」
…ミーネにも分かっているのだろう。
どれだけ大変な、大きな魔法なのかを…。
水源を復活させるための、呼び水として、どれだけ水を使うのか、やってみなくては、分からないのだ…。
「…わかった。残りの二つももらっていくよ…」
リーンはそう言って、全部で七つの『天水球』を『物質保管庫』にしまった。
「…彼らに伝えなくて良いのですか?」
「うん。心が揺らぎそうで…。長い旅に出たと思ってくれるよ…」
リーンはそう言って苦笑いした。
だが実際、『始まりの宿り木』が正常化して、緑が戻れば、誰が魔法をかけたのかは分かってしまうだろう…。
そう…長い旅に…。
リーンはミーネのもとから離れ、山小屋に戻り、ぐっすりと眠るルークの寝顔を少し眺め、横に有る、グオルクの部屋への魔法陣を潜った。
リーンはルークを起こさないように、そっと身体を起こし、ベッドサイドの飲み物を飲んだ。
叫び過ぎて、喉がカラカラだ…。
リーンはぼんやりとしながら果物を食べ、今までの出来事を思い返していた。
ルークに出会って、ジーンとユーリが産まれて、一緒に生活して、家族になって、笑い合って…ああ、これが幸せなんだな…そう感じることが多くなっていた。
だからこうして、ルークの側にいて、満たされて…いつしかルークを愛おしく思うようになっていた。
…愛おしいと、自覚したのだ…。
そんな私の行動を…変に思っただろうか…。
…ルークは、何か気が付いたかもしれない…。
「…どうした…」
ぼんやりとルークがベッドから手を伸ばしてくる。
「…水…飲む…?」
「…ああ」
ルークがそう答えたので、リーンは水を口に含み、ルークに口付けて口移しで水を与える。
ルークが時々してくれた事をお返しする。
「…んっ…」
唇を離すと、ルークは笑って「もう一度」と言ったので、リーンは再び水を口に含み、口移しで水を飲ませる。
リーンは唇を離して、再びルークが横たわるベッドに潜り込み、身体をぴったりとくっつける。
「…幸せ…なんだな…」
「…。」
ルークがリーンの髪の毛を撫でてくれる。
「今まで…ルークに出会うまで、帰る場所が増えるとは思わなかったから…自分の家族が出きるなんて思わなかったから…良いなって…改めて思って…」
言葉にして、さらに幸せを感じる…。
「…もうすぐ、また、…どこかに旅に出掛けるのか…」
「うん…。そろそろ行かないと…」
リーンはそう言って、ルークに口付ける。
今まで何回、このやり取りを繰り返して来ただろう…。
魔力の番になって、魔力の交合をして、互いの魔力に酔いしれて…酔って、もっと触れて、欲しくなる…。
リーンはルークと抱き合いなから再び眠りについた。
夜明け前。
ベッドから抜け出したリーンはミーネの元に向かった。
以前、頼んでいた『宿り木の苗木』を受け取りに来たのだ。
リーンが『宿り木』に触れ、ミーネの名前を呼ぶと姿を表した。
「『苗木』を…」
ミーネが微笑み『宿り木』が光り、光りに包まれた『苗木』が姿を現す。
「…ありがとう…」
リーンは『苗木』を受け取り、『物質保管庫』へと終う。
「『天水球』も五つもらうよ」
リーンがそう言うと、地中から『天水球』が姿を表し、それも『物質保管庫』へと終っていると、珍しくミーネが声をかけてきた。
『残りの二つもお持ち下さい』
「だけど、もしもの時に…」
日照りや水不足の時用に、使えるように保管してもらっているモノだ。
『『天水球』は、また、作ってくだされば良い…』
「…。」
…ミーネにも分かっているのだろう。
どれだけ大変な、大きな魔法なのかを…。
水源を復活させるための、呼び水として、どれだけ水を使うのか、やってみなくては、分からないのだ…。
「…わかった。残りの二つももらっていくよ…」
リーンはそう言って、全部で七つの『天水球』を『物質保管庫』にしまった。
「…彼らに伝えなくて良いのですか?」
「うん。心が揺らぎそうで…。長い旅に出たと思ってくれるよ…」
リーンはそう言って苦笑いした。
だが実際、『始まりの宿り木』が正常化して、緑が戻れば、誰が魔法をかけたのかは分かってしまうだろう…。
そう…長い旅に…。
リーンはミーネのもとから離れ、山小屋に戻り、ぐっすりと眠るルークの寝顔を少し眺め、横に有る、グオルクの部屋への魔法陣を潜った。
0
お気に入りに追加
112
あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
あなたの隣で初めての恋を知る
ななもりあや
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。


王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜
仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。
森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。
その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。
これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語
今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ!
競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。
まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。


ソング・バッファー・オンライン〜新人アイドルの日常〜
古森きり
BL
東雲学院芸能科に入学したミュージカル俳優志望の音無淳は、憧れの人がいた。
かつて東雲学院芸能科、星光騎士団第一騎士団というアイドルグループにいた神野栄治。
その人のようになりたいと高校も同じ場所を選び、今度歌の練習のために『ソング・バッファー・オンライン』を始めることにした。
ただし、どうせなら可愛い女の子のアバターがいいよね! と――。
BLoveさんに先行書き溜め。
なろう、アルファポリス、カクヨムにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる