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神の宿り木~再生 2~
着物 *
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「せっかくですし、着物に着替えませんか」
シロガネがそう声を掛けてきた。
「狼族の町サラサでは着物が普段着なんです。この着物もこちらで作っていますし、他の町より実用品を作っているんですよ」
「実用品?」
カズキが興味深く聞いている。
「はい。この着物だけでなく、瓦屋根、食器などの焼き物産業が盛んなんです」
「焼き物か…」
ルークも興味を持ったみたいで、聞き耳を立てる。
「焼いている場所を見学出来るのか?」
「窯元に聞いてみます。昼食後にご案内致しますよ」
シロガネは微笑む。
「ルーク様。それなら、着物に着替えましょう。町を歩くのには着物の方が目立たないですし」
カズキがそう言って立ち上がる。
…気分転換には服装を変えるのも良いのかもしれない。
「別の部屋に準備してありますので、そちらでお着替え下さい。着付けをしてくれる方も呼んでいますので、ご心配無く」
シロガネはそう言って、廊下に控えていた者に部屋に案内する様に言い、リーンとルークは立ち上がって、奥の部屋に案内されていった。
久しぶりに着たが、何か以前と違う気がした。
…そうだ。
下に一枚薄い襦袢と言われた物を着ている。
…あの時は、直接着ていたような…浴衣と言っていたかも…。
同じような服でも…少し違うのかもしれない。
気になった尻尾の所は穴は開いていないから、人族用の着物なのだろう。
着物を着終わりルークを見ると、足元が慣れないのか落ち着きが無かったが、ルークと視線が合い、リーンは思わず頬を染めた。
ルークの金髪が引き立つような、紺色のシンプルな着物なのに、ガッチリとした体格が浮き出ていて、ドキドキしてきてしまった。
服装が変わっても、ルークがかもし出すキラキラ感は健在で、思わず視線をそらしてしまう。
「どうした?」
ルークがそう言って近付いて来る。
「…。」
何と行ったら良いのか分からずリーンが黙ってうつ向いていると、察したカズキが呆れて言った。
「…ルーク様の着物姿に見惚れて、目を合わせられないんですよ」
…ううっ…その通りだから何も言えない…。
見慣れたルークなのに、違って見えてソワソワさせる。
「そうなのか?」
ルークは嬉しそうにそう言って背後から抱きついてきた。
「…うっ…」
触れる温もりが、さらにリーンをドキドキさせる。
「イチャイチャは後にしてください。昼食を食べに行きますよ」
苦笑いするカズキに言われてハッとして、リーンは赤面し、ルークを睨み付ける。
ルークは楽しそうに口付けてきた。
「夜まで我慢しようぜ」
さらにリーンは赤面した。
昼食に出された食事は、狼族で取れた野菜や魚を使っていて、説明を受けながら食事をした。
着物を着なれないのと、座り慣れないのを分かっていてか、昼食はテーブルと椅子のある部屋で頂いた。
料理が並べられている食器も、ここで作られた器だと説明され感銘を受けた。
生活に密着した物を作り、より豊かに暮らしている。
これだけ近くに他の種族がいるのに、それぞれ違った生活の仕方をしている…。
聞けば、交流をしながら自分達に合う物を取り入れているみたいで、熊族の作るドライフルーツやジャムはよく食べるそうだ。
食事の後は、焼き物をしている窯元に案内され、ルークとカズキは物珍しく色々と質問して聞いていた。
何か思うところが有るのだろう…。
夕方にはシロガネの屋敷に戻り、露天風呂に入った。
一段高くなった露天風呂から眺める庭園の景色は、また違って見える。
囲いはされているので、露天風呂用の庭なのかもしれないが…贅沢だ…。
この館の露天風呂は唯一、アリミネ火山から流れていている水源を使っているそうで、掛け流しでも暖かい。
今度は浴衣に着替えて夕食を食べ、渡り廊下で繋がった客室の離れに泊まることになった。
ここにも小さな庭園と露天風呂がついていて、母屋と同じような作りになっている。
部屋も二部屋あり、卓上のテーブルのある部屋と、奥に布団が二組敷かれた部屋。
…二組って…。
「…本棟に部屋を用意してもらってますので、ごゆっくり」
カズキはそう言って、リーンとルークを残して離れの部屋を出ていった。
「カズキが気を効かせてくれたんだ。期待に応えようぜ」
そう言ってルークが口付けてきて、リーンは頬を染めた。
「この浴衣…だったか…バスローブと似ているが、布が薄い分、身体のラインがハッキリと出るな…」
そう言ってリーンの身体を抱き寄せ、お尻をなぞるように撫で始め、浴衣の掛け合わせから手を入れて裾をはだけさせ、直接お尻を撫で始める。
「…んっ…」
背筋がゾクゾクしてきてリーンがルークに身体を持たれ掛けると、ルークがひょいとリーンの身体を抱き上げた。
そして布団の敷かれた部屋に入り、リーンは布団の上に横たえさせられた。
はだけた浴衣が太もも半分くらい捲り上がり、ドキドキしながらルークを見上げた。
「…ベッドと違ってまた雰囲気があるな…」
膝立ちでリーンの足元に跨がるルークはそう言って、リーンのむき出しの太ももに口付けた。
シロガネがそう声を掛けてきた。
「狼族の町サラサでは着物が普段着なんです。この着物もこちらで作っていますし、他の町より実用品を作っているんですよ」
「実用品?」
カズキが興味深く聞いている。
「はい。この着物だけでなく、瓦屋根、食器などの焼き物産業が盛んなんです」
「焼き物か…」
ルークも興味を持ったみたいで、聞き耳を立てる。
「焼いている場所を見学出来るのか?」
「窯元に聞いてみます。昼食後にご案内致しますよ」
シロガネは微笑む。
「ルーク様。それなら、着物に着替えましょう。町を歩くのには着物の方が目立たないですし」
カズキがそう言って立ち上がる。
…気分転換には服装を変えるのも良いのかもしれない。
「別の部屋に準備してありますので、そちらでお着替え下さい。着付けをしてくれる方も呼んでいますので、ご心配無く」
シロガネはそう言って、廊下に控えていた者に部屋に案内する様に言い、リーンとルークは立ち上がって、奥の部屋に案内されていった。
久しぶりに着たが、何か以前と違う気がした。
…そうだ。
下に一枚薄い襦袢と言われた物を着ている。
…あの時は、直接着ていたような…浴衣と言っていたかも…。
同じような服でも…少し違うのかもしれない。
気になった尻尾の所は穴は開いていないから、人族用の着物なのだろう。
着物を着終わりルークを見ると、足元が慣れないのか落ち着きが無かったが、ルークと視線が合い、リーンは思わず頬を染めた。
ルークの金髪が引き立つような、紺色のシンプルな着物なのに、ガッチリとした体格が浮き出ていて、ドキドキしてきてしまった。
服装が変わっても、ルークがかもし出すキラキラ感は健在で、思わず視線をそらしてしまう。
「どうした?」
ルークがそう言って近付いて来る。
「…。」
何と行ったら良いのか分からずリーンが黙ってうつ向いていると、察したカズキが呆れて言った。
「…ルーク様の着物姿に見惚れて、目を合わせられないんですよ」
…ううっ…その通りだから何も言えない…。
見慣れたルークなのに、違って見えてソワソワさせる。
「そうなのか?」
ルークは嬉しそうにそう言って背後から抱きついてきた。
「…うっ…」
触れる温もりが、さらにリーンをドキドキさせる。
「イチャイチャは後にしてください。昼食を食べに行きますよ」
苦笑いするカズキに言われてハッとして、リーンは赤面し、ルークを睨み付ける。
ルークは楽しそうに口付けてきた。
「夜まで我慢しようぜ」
さらにリーンは赤面した。
昼食に出された食事は、狼族で取れた野菜や魚を使っていて、説明を受けながら食事をした。
着物を着なれないのと、座り慣れないのを分かっていてか、昼食はテーブルと椅子のある部屋で頂いた。
料理が並べられている食器も、ここで作られた器だと説明され感銘を受けた。
生活に密着した物を作り、より豊かに暮らしている。
これだけ近くに他の種族がいるのに、それぞれ違った生活の仕方をしている…。
聞けば、交流をしながら自分達に合う物を取り入れているみたいで、熊族の作るドライフルーツやジャムはよく食べるそうだ。
食事の後は、焼き物をしている窯元に案内され、ルークとカズキは物珍しく色々と質問して聞いていた。
何か思うところが有るのだろう…。
夕方にはシロガネの屋敷に戻り、露天風呂に入った。
一段高くなった露天風呂から眺める庭園の景色は、また違って見える。
囲いはされているので、露天風呂用の庭なのかもしれないが…贅沢だ…。
この館の露天風呂は唯一、アリミネ火山から流れていている水源を使っているそうで、掛け流しでも暖かい。
今度は浴衣に着替えて夕食を食べ、渡り廊下で繋がった客室の離れに泊まることになった。
ここにも小さな庭園と露天風呂がついていて、母屋と同じような作りになっている。
部屋も二部屋あり、卓上のテーブルのある部屋と、奥に布団が二組敷かれた部屋。
…二組って…。
「…本棟に部屋を用意してもらってますので、ごゆっくり」
カズキはそう言って、リーンとルークを残して離れの部屋を出ていった。
「カズキが気を効かせてくれたんだ。期待に応えようぜ」
そう言ってルークが口付けてきて、リーンは頬を染めた。
「この浴衣…だったか…バスローブと似ているが、布が薄い分、身体のラインがハッキリと出るな…」
そう言ってリーンの身体を抱き寄せ、お尻をなぞるように撫で始め、浴衣の掛け合わせから手を入れて裾をはだけさせ、直接お尻を撫で始める。
「…んっ…」
背筋がゾクゾクしてきてリーンがルークに身体を持たれ掛けると、ルークがひょいとリーンの身体を抱き上げた。
そして布団の敷かれた部屋に入り、リーンは布団の上に横たえさせられた。
はだけた浴衣が太もも半分くらい捲り上がり、ドキドキしながらルークを見上げた。
「…ベッドと違ってまた雰囲気があるな…」
膝立ちでリーンの足元に跨がるルークはそう言って、リーンのむき出しの太ももに口付けた。
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