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神の宿り木~再生 2~
熊族の町トワロ
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リーンとルークは、炎の魔法石の事はキリトに任せ、ナオカと共に一度ワイトデ自治区に戻ってきた。
ナオカは結界を作れる者を、炎の竜の丸太小屋に連れていくため、領主に事の次第を話して段取りを組はじめた。
リーンはルークとカズキと共に馬車に乗り、隣の熊族の町に向かった。
各町の領主に会いにだ。
どんな風に当時の事が伝えられているのかも知りたかったし、ずっと保管してある準魔法石の事もあったからだ。
熊族の町に向かう街道は、リオナスの様に車道と歩道が低めの木々で遮られていて、人族も獣人族も入り乱れて歩いている。
ワイトデ自治区と熊族の町トワロまでは、馬車で一時間ほどだが、その間に小さな村や集落へ行く道がある。
もともとソコに住んでいた獣人達…兎族や猫族達も、恐る恐る姿を現したからだそうだ。
道幅は街道ほど広くは無いが、馬車が通れるので荷物の運搬が出き、交流が盛んに行われているのだとも言っていた。
「リオナスもこんな風になると良いね…」
リーンは馬車から歩道を歩く者達を見ながらそう呟いた。
「そうだな」
リオナスの町の中では人族も獣人族も一緒に過ごしているが、カザンナ王国とリオナスを繋ぐ街道は、人族の姿しか見ない。
ほとんどが姿を人族に変え、カザンナ王国に向かう。
カザンナから獣人の町グオルクまでは、ほとんどが獣人で、人族はほんの一握りだ。
人族の住むワイトデ自治区内でも、時々、獣人族を見かけた。
長い時間をかけて、往き来出きるようになったのだろうけれど…。
「まあ、俺たちはこれからだ」
そう言ってルークは微笑んだ。
リオナスは、出来たばかりの町なのだから焦ることはない。
目標としている事を現実に出来るのだと、この町を見て、いずれ…と、言える目標が有るのは嬉しい。
熊族の町トワロにたどり着き、教えられた領主の館に向かうと、馬車の中から見慣れない野菜?果物?が、並べられた露天をいくつも横切った。
「…見たこと無いものが並べられてたよね…」
興味深々にリーンが言うとルークも言った。
「ああ、本当なら馬車を止めて見に行きたいが…」
「ダメですよ。まずは領主の館に行って、挨拶をしてからです!」
カズキが馬車を運転しながら念をおす。
…ルークも気になったみたいだ。
…あの茶色くて大きな丸い塊は、どんな風に食べるのだろう…。
…ココは火山が有って、気候的にも暖かい為か、育つ植物も違って、未知の果実も有るかもしれない。
リーンはクスッと笑った。
そう言えば、ルークはグオルクに来た時も市場を歩いて、人族には流通していない果物や野菜を流通出きるようにしていた。
気になって仕方ないのだろう…。
「どうした?」
「なんでもない。…挨拶をして、さっきの露天に行きたいね」
リーンがそう言って微笑むと、カズキが言った。
「到着するのはお昼前ですので、昼食を食べて、町を案内してもらいましょう。…熊族は果物を栽培しているはずですから、変わったモノが有るかも知れませんね」
「ああ、楽しみだ」
ルークはそう言って微笑んだ。
ナオカは結界を作れる者を、炎の竜の丸太小屋に連れていくため、領主に事の次第を話して段取りを組はじめた。
リーンはルークとカズキと共に馬車に乗り、隣の熊族の町に向かった。
各町の領主に会いにだ。
どんな風に当時の事が伝えられているのかも知りたかったし、ずっと保管してある準魔法石の事もあったからだ。
熊族の町に向かう街道は、リオナスの様に車道と歩道が低めの木々で遮られていて、人族も獣人族も入り乱れて歩いている。
ワイトデ自治区と熊族の町トワロまでは、馬車で一時間ほどだが、その間に小さな村や集落へ行く道がある。
もともとソコに住んでいた獣人達…兎族や猫族達も、恐る恐る姿を現したからだそうだ。
道幅は街道ほど広くは無いが、馬車が通れるので荷物の運搬が出き、交流が盛んに行われているのだとも言っていた。
「リオナスもこんな風になると良いね…」
リーンは馬車から歩道を歩く者達を見ながらそう呟いた。
「そうだな」
リオナスの町の中では人族も獣人族も一緒に過ごしているが、カザンナ王国とリオナスを繋ぐ街道は、人族の姿しか見ない。
ほとんどが姿を人族に変え、カザンナ王国に向かう。
カザンナから獣人の町グオルクまでは、ほとんどが獣人で、人族はほんの一握りだ。
人族の住むワイトデ自治区内でも、時々、獣人族を見かけた。
長い時間をかけて、往き来出きるようになったのだろうけれど…。
「まあ、俺たちはこれからだ」
そう言ってルークは微笑んだ。
リオナスは、出来たばかりの町なのだから焦ることはない。
目標としている事を現実に出来るのだと、この町を見て、いずれ…と、言える目標が有るのは嬉しい。
熊族の町トワロにたどり着き、教えられた領主の館に向かうと、馬車の中から見慣れない野菜?果物?が、並べられた露天をいくつも横切った。
「…見たこと無いものが並べられてたよね…」
興味深々にリーンが言うとルークも言った。
「ああ、本当なら馬車を止めて見に行きたいが…」
「ダメですよ。まずは領主の館に行って、挨拶をしてからです!」
カズキが馬車を運転しながら念をおす。
…ルークも気になったみたいだ。
…あの茶色くて大きな丸い塊は、どんな風に食べるのだろう…。
…ココは火山が有って、気候的にも暖かい為か、育つ植物も違って、未知の果実も有るかもしれない。
リーンはクスッと笑った。
そう言えば、ルークはグオルクに来た時も市場を歩いて、人族には流通していない果物や野菜を流通出きるようにしていた。
気になって仕方ないのだろう…。
「どうした?」
「なんでもない。…挨拶をして、さっきの露天に行きたいね」
リーンがそう言って微笑むと、カズキが言った。
「到着するのはお昼前ですので、昼食を食べて、町を案内してもらいましょう。…熊族は果物を栽培しているはずですから、変わったモノが有るかも知れませんね」
「ああ、楽しみだ」
ルークはそう言って微笑んだ。
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