240 / 462
神の宿り木~再生 2~
熊族の町トワロ
しおりを挟む
リーンとルークは、炎の魔法石の事はキリトに任せ、ナオカと共に一度ワイトデ自治区に戻ってきた。
ナオカは結界を作れる者を、炎の竜の丸太小屋に連れていくため、領主に事の次第を話して段取りを組はじめた。
リーンはルークとカズキと共に馬車に乗り、隣の熊族の町に向かった。
各町の領主に会いにだ。
どんな風に当時の事が伝えられているのかも知りたかったし、ずっと保管してある準魔法石の事もあったからだ。
熊族の町に向かう街道は、リオナスの様に車道と歩道が低めの木々で遮られていて、人族も獣人族も入り乱れて歩いている。
ワイトデ自治区と熊族の町トワロまでは、馬車で一時間ほどだが、その間に小さな村や集落へ行く道がある。
もともとソコに住んでいた獣人達…兎族や猫族達も、恐る恐る姿を現したからだそうだ。
道幅は街道ほど広くは無いが、馬車が通れるので荷物の運搬が出き、交流が盛んに行われているのだとも言っていた。
「リオナスもこんな風になると良いね…」
リーンは馬車から歩道を歩く者達を見ながらそう呟いた。
「そうだな」
リオナスの町の中では人族も獣人族も一緒に過ごしているが、カザンナ王国とリオナスを繋ぐ街道は、人族の姿しか見ない。
ほとんどが姿を人族に変え、カザンナ王国に向かう。
カザンナから獣人の町グオルクまでは、ほとんどが獣人で、人族はほんの一握りだ。
人族の住むワイトデ自治区内でも、時々、獣人族を見かけた。
長い時間をかけて、往き来出きるようになったのだろうけれど…。
「まあ、俺たちはこれからだ」
そう言ってルークは微笑んだ。
リオナスは、出来たばかりの町なのだから焦ることはない。
目標としている事を現実に出来るのだと、この町を見て、いずれ…と、言える目標が有るのは嬉しい。
熊族の町トワロにたどり着き、教えられた領主の館に向かうと、馬車の中から見慣れない野菜?果物?が、並べられた露天をいくつも横切った。
「…見たこと無いものが並べられてたよね…」
興味深々にリーンが言うとルークも言った。
「ああ、本当なら馬車を止めて見に行きたいが…」
「ダメですよ。まずは領主の館に行って、挨拶をしてからです!」
カズキが馬車を運転しながら念をおす。
…ルークも気になったみたいだ。
…あの茶色くて大きな丸い塊は、どんな風に食べるのだろう…。
…ココは火山が有って、気候的にも暖かい為か、育つ植物も違って、未知の果実も有るかもしれない。
リーンはクスッと笑った。
そう言えば、ルークはグオルクに来た時も市場を歩いて、人族には流通していない果物や野菜を流通出きるようにしていた。
気になって仕方ないのだろう…。
「どうした?」
「なんでもない。…挨拶をして、さっきの露天に行きたいね」
リーンがそう言って微笑むと、カズキが言った。
「到着するのはお昼前ですので、昼食を食べて、町を案内してもらいましょう。…熊族は果物を栽培しているはずですから、変わったモノが有るかも知れませんね」
「ああ、楽しみだ」
ルークはそう言って微笑んだ。
ナオカは結界を作れる者を、炎の竜の丸太小屋に連れていくため、領主に事の次第を話して段取りを組はじめた。
リーンはルークとカズキと共に馬車に乗り、隣の熊族の町に向かった。
各町の領主に会いにだ。
どんな風に当時の事が伝えられているのかも知りたかったし、ずっと保管してある準魔法石の事もあったからだ。
熊族の町に向かう街道は、リオナスの様に車道と歩道が低めの木々で遮られていて、人族も獣人族も入り乱れて歩いている。
ワイトデ自治区と熊族の町トワロまでは、馬車で一時間ほどだが、その間に小さな村や集落へ行く道がある。
もともとソコに住んでいた獣人達…兎族や猫族達も、恐る恐る姿を現したからだそうだ。
道幅は街道ほど広くは無いが、馬車が通れるので荷物の運搬が出き、交流が盛んに行われているのだとも言っていた。
「リオナスもこんな風になると良いね…」
リーンは馬車から歩道を歩く者達を見ながらそう呟いた。
「そうだな」
リオナスの町の中では人族も獣人族も一緒に過ごしているが、カザンナ王国とリオナスを繋ぐ街道は、人族の姿しか見ない。
ほとんどが姿を人族に変え、カザンナ王国に向かう。
カザンナから獣人の町グオルクまでは、ほとんどが獣人で、人族はほんの一握りだ。
人族の住むワイトデ自治区内でも、時々、獣人族を見かけた。
長い時間をかけて、往き来出きるようになったのだろうけれど…。
「まあ、俺たちはこれからだ」
そう言ってルークは微笑んだ。
リオナスは、出来たばかりの町なのだから焦ることはない。
目標としている事を現実に出来るのだと、この町を見て、いずれ…と、言える目標が有るのは嬉しい。
熊族の町トワロにたどり着き、教えられた領主の館に向かうと、馬車の中から見慣れない野菜?果物?が、並べられた露天をいくつも横切った。
「…見たこと無いものが並べられてたよね…」
興味深々にリーンが言うとルークも言った。
「ああ、本当なら馬車を止めて見に行きたいが…」
「ダメですよ。まずは領主の館に行って、挨拶をしてからです!」
カズキが馬車を運転しながら念をおす。
…ルークも気になったみたいだ。
…あの茶色くて大きな丸い塊は、どんな風に食べるのだろう…。
…ココは火山が有って、気候的にも暖かい為か、育つ植物も違って、未知の果実も有るかもしれない。
リーンはクスッと笑った。
そう言えば、ルークはグオルクに来た時も市場を歩いて、人族には流通していない果物や野菜を流通出きるようにしていた。
気になって仕方ないのだろう…。
「どうした?」
「なんでもない。…挨拶をして、さっきの露天に行きたいね」
リーンがそう言って微笑むと、カズキが言った。
「到着するのはお昼前ですので、昼食を食べて、町を案内してもらいましょう。…熊族は果物を栽培しているはずですから、変わったモノが有るかも知れませんね」
「ああ、楽しみだ」
ルークはそう言って微笑んだ。
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
皇帝に追放された騎士団長の試される忠義
大田ネクロマンサー
BL
若干24歳の若き皇帝が統治するベリニア帝国。『金獅子の双腕』の称号で騎士団長兼、宰相を務める皇帝の側近、レシオン・ド・ミゼル(レジー/ミゼル卿)が突如として国外追放を言い渡される。
帝国中に慕われていた金獅子の双腕に下された理不尽な断罪に、国民は様々な憶測を立てる。ーー金獅子の双腕の叔父に婚約破棄された皇紀リベリオが虎視眈々と復讐の機会を狙っていたのではないか?
国民の憶測に無言で帝国を去るレシオン・ド・ミゼル。船で知り合った少年ミオに懐かれ、なんとか不毛の大地で生きていくレジーだったが……彼には誰にも知られたくない秘密があった。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる