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アリミネ火山~追憶のキース~
水浴び
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「キラ!ギュウッて身体の中に魔力を閉じ込めよう」
キースは炎の竜の名前をキラと名付けた。
『キラ』とは、輝く者と言う意味が有って、炎の竜の瞳が金色にキラキラ輝いていたのと、アリミネ火山の守護竜として輝いて欲しいから付けた名前だった。
「ギュウッって体内に集めるんだ」
「…。」
キラと訓練を初めて、二日が経っていた。
キラは一生懸命やっているのだが、なかなか成果が出ていなかった。
「…それ、外に集めたらどうてすか?」
そう言ってきたのは今日の当番で、キースの食事と町の状況報告に来ていたチハヤだった。
「…外?」
キースは首を傾げた。
「確か、熱量を集めて赤い結晶を作って食べた。って、言ってましたよね。キラちゃん食べ過ぎなんじゃないかな…。多い分を外に放出して、赤い結晶を作っておけば、お腹が空いたとき食べるとか…」
チハヤに言われて、ハッと気が付いた。
…食べ過ぎなのかもしれない。
噴火した火山の熱量を全て取り込んだのだ。
だから、身体の中かなら溢れ出ている魔力を制御しきれていないのかも…。
…と、なるとどうやって外に出すか…。
「…この近くに湖があったよね」
「有るよ。でも水温は、ほんのり温かいけど…」
火山地帯だから湖の水が、地下から温められているからだろう。
「キラを連れていって、湖に足を浸ければ、どれだけ熱量が多いのか分かるよね…」
「なるほど、水蒸気が出ないくらいまで魔力を押さえるか、放出する事を教えるんだね」
キースのいた地域では、川の一部を塞き止めて水を溜め、炎で焼いた熱い焼き石を入れて、暖かいお風呂を作っていたことを思い出したからだ。
キラが足を入れるだけでも、かなり温度が上がるだろう。
「おいで、キラ。水浴びをしよう」
キースはそう言って、手招きしてキラを呼ぶ。
キラはしばらくじっと見て、キースの後をトテトテと小さい身体を揺らしながら付いてきた。
山小屋から少し歩くと、キラが作った陥没ではなく、窪みに水が溜まり湖になった場所が有り、回りは低い木が点々と有って、見張らしも良かった。
もしかしたら、ここもかつて亀裂が走り、溶岩が吹き出た場所なのかもしれなかった。
チハヤが言うには、子供の頃、イオ達と水浴びによく来ていた場所らしい。
チハヤもキースと一緒に付いてきていて、キラが歩いて付いてくるのを楽しそうに眺めていた。
「キラちゃん可愛い…」
キラが可愛いと言うのを同感してくれるチハヤは貴重だ。
皆、カッコいいとか、畏れ多いとかばかり言っている。
…トテトテと歩く歩き方とか、寝顔とか、可愛くてたまらない。
キラの背中に付いている翼は、まだ使えない。
有翼族のシバが、身体を支えるだけの強さがまだ無いから、むやみに使わないように言っていた。
有翼族の子供達も、風が扱えるようになるまでは、飛べないらしく、翼を動かす練習とか、翼を鍛える事を中心に学ぶらしい。
湖まで来ると、キースはしゃがんで水に手入れ微笑んだ。
ちょうど良い温度だ。
キラと一緒に山小屋で住み初めてから、身体を洗っていない…。
「ついでに私も水浴びするかな…」
そう言ってキースは服を脱ぎ始めた。
「キース?」
「チハヤも一緒に水浴びするか?」
「…。」
チハヤは戸惑って、苦笑いする。
「…一応、僕は当番で来ているんだけど…」
「そうだった。…でも、キラの訓練も兼ねているぞ」
キースはそう言って笑った。
キースは服を全部脱ぎ捨てて湖に入り、腰まで浸かると気持ちよくて顔を洗った。
「気持ちいな…」
キラを見ると湖の水の側で立ち止まっている。
…炎の竜は水が苦手だったのだろうか…。
「キラおいで」
キースが声をかけると、キラは恐る恐る水に足を踏み入れた。
ジュゥ…。
キラが触れた水が蒸発して水蒸気が上がり、キラは足を引っ込めた。
「予想以上だ」
チハヤがキースの服を拾いながらキラを見てそう言った。
キュウーッ
キラが訴えるような目で、キースを見る。
「ちょっとずつで良いから、水に触れようね。…それで、多すぎる魔力を出しちゃおうよ」
キラは再び水に足を踏み入れる。
ジュゥー…。
再び水蒸気が上がりキラは足を引っ込める。
それを見ていたチハヤが靴を脱いで、ズボンを膝上まで捲り上げると、湖の中に入ってキラの前に立った。
「キラちゃん、ジュゥーってならないように、魔力を外に出しちゃおうか。見ててね」
チハヤはそう言って、右手の手のひらをキラに見えるようにして、魔力を手のひらに集め始めた。
手のひらの上で風がくるくると舞い、透明な結晶を作り出す。
「こんな風に身体の中の魔力を集めて結晶を作ろう!」
「それ何?!」
見たことの無い魔法にキースは食いついて、浅瀬のチハヤとキラの元にやって来た。
「…そこ、キースが反応する?!」
チハヤは呆れた顔をして、苦笑いした。
「僕は『空の石』って呼んでいるけれど…空気中の酸素を魔力で閉じ込めたものだよ。水中を泳ぐ時に口に入れていれば、息が苦しくない」
「それ、良いね。キラ、一緒に練習しようか」
キースは浅瀬のキラの前に座り込み、手のひらに魔力を込める。
「キラもやってみよう!」
キラがじっとキースを見ていると、キラの頭上に風が吹き始めた。
「おっ!」
魔力が出てきている…。
「次は、固めるイメージで結晶を作る」
チハヤがそう言うと、キースは透明な石をイメージした。
最初は豆粒のような小さい塊が、少しずつ大きくなってガラス玉のような透明感を放ち出す。
それと同時に、キラの頭上にも赤い結晶が形を成していく。
「…ああ、綺麗だ…」
キースは自分が作っている結晶の事を忘れて、チハヤは始めてみる美しい赤色に見惚れていた。
キラの結晶化が終わると、それはポトンと水の中に落ちて、ジュゥーと水蒸気を放ち出し、辺りがみるみる真っ白になっていく。
チハヤは慌て赤い結晶を水中から拾い、
「熱い!熱い!」
と、言いながら、陸地にいるキラの横に放り投げた。
「つっ…!」
チハヤは顔を歪めている。
もしかして、火傷したのか?
「チハヤ。手を見せて」
水の中に座ったままのキースは、チハヤの手を見せてもらう。
やはり火傷だ。
真っ赤になって、このままだと水膨れが出来てしまう。
「ちょっと痛いけど我慢して」
キースはチハヤの両手を自分の両手と重ね合わせ、指を絡めると、チハヤは痛みに顔を歪めた。
キースはそのまま、チハヤに魔力を送り込む。
「…熱い」
自己回復の魔法を魔力と一緒に送り込めば、少しの痛みと共に回復が早くなる。
そして急速に、チハヤの手のひらの火傷が回復していった。
「…すごい…治っている…」
キースの手が離れ、さっきまで火傷していた傷が綺麗に消えていたのだ。
「シバみたいな強力な回復魔法ではないけれど、これくらいなら治せるよ」
キースはそう言って微笑むと、浅瀬に座るキースの足に何かがピトリと触れてきた。
見ればキラが水の中に入って、キースの足に触れている。
キースとチハヤは目を丸くして、キラを凝視した。
「やった!」
「熱くない!」
キースは恐る恐るキラの頭に触れてみて、微笑んだ。
ゴツゴツと鱗を指先に感じて、キラがじっとキースの行動を見ている。
チハヤもそっとキラに触れ、嬉しそうに微笑んだ。
「これで町に御披露目出来る!」
「やったねキラ!この状態を保とうね!」
キラは二人に触られて、気持ち良さそうに目を細めていた。
キースは炎の竜の名前をキラと名付けた。
『キラ』とは、輝く者と言う意味が有って、炎の竜の瞳が金色にキラキラ輝いていたのと、アリミネ火山の守護竜として輝いて欲しいから付けた名前だった。
「ギュウッって体内に集めるんだ」
「…。」
キラと訓練を初めて、二日が経っていた。
キラは一生懸命やっているのだが、なかなか成果が出ていなかった。
「…それ、外に集めたらどうてすか?」
そう言ってきたのは今日の当番で、キースの食事と町の状況報告に来ていたチハヤだった。
「…外?」
キースは首を傾げた。
「確か、熱量を集めて赤い結晶を作って食べた。って、言ってましたよね。キラちゃん食べ過ぎなんじゃないかな…。多い分を外に放出して、赤い結晶を作っておけば、お腹が空いたとき食べるとか…」
チハヤに言われて、ハッと気が付いた。
…食べ過ぎなのかもしれない。
噴火した火山の熱量を全て取り込んだのだ。
だから、身体の中かなら溢れ出ている魔力を制御しきれていないのかも…。
…と、なるとどうやって外に出すか…。
「…この近くに湖があったよね」
「有るよ。でも水温は、ほんのり温かいけど…」
火山地帯だから湖の水が、地下から温められているからだろう。
「キラを連れていって、湖に足を浸ければ、どれだけ熱量が多いのか分かるよね…」
「なるほど、水蒸気が出ないくらいまで魔力を押さえるか、放出する事を教えるんだね」
キースのいた地域では、川の一部を塞き止めて水を溜め、炎で焼いた熱い焼き石を入れて、暖かいお風呂を作っていたことを思い出したからだ。
キラが足を入れるだけでも、かなり温度が上がるだろう。
「おいで、キラ。水浴びをしよう」
キースはそう言って、手招きしてキラを呼ぶ。
キラはしばらくじっと見て、キースの後をトテトテと小さい身体を揺らしながら付いてきた。
山小屋から少し歩くと、キラが作った陥没ではなく、窪みに水が溜まり湖になった場所が有り、回りは低い木が点々と有って、見張らしも良かった。
もしかしたら、ここもかつて亀裂が走り、溶岩が吹き出た場所なのかもしれなかった。
チハヤが言うには、子供の頃、イオ達と水浴びによく来ていた場所らしい。
チハヤもキースと一緒に付いてきていて、キラが歩いて付いてくるのを楽しそうに眺めていた。
「キラちゃん可愛い…」
キラが可愛いと言うのを同感してくれるチハヤは貴重だ。
皆、カッコいいとか、畏れ多いとかばかり言っている。
…トテトテと歩く歩き方とか、寝顔とか、可愛くてたまらない。
キラの背中に付いている翼は、まだ使えない。
有翼族のシバが、身体を支えるだけの強さがまだ無いから、むやみに使わないように言っていた。
有翼族の子供達も、風が扱えるようになるまでは、飛べないらしく、翼を動かす練習とか、翼を鍛える事を中心に学ぶらしい。
湖まで来ると、キースはしゃがんで水に手入れ微笑んだ。
ちょうど良い温度だ。
キラと一緒に山小屋で住み初めてから、身体を洗っていない…。
「ついでに私も水浴びするかな…」
そう言ってキースは服を脱ぎ始めた。
「キース?」
「チハヤも一緒に水浴びするか?」
「…。」
チハヤは戸惑って、苦笑いする。
「…一応、僕は当番で来ているんだけど…」
「そうだった。…でも、キラの訓練も兼ねているぞ」
キースはそう言って笑った。
キースは服を全部脱ぎ捨てて湖に入り、腰まで浸かると気持ちよくて顔を洗った。
「気持ちいな…」
キラを見ると湖の水の側で立ち止まっている。
…炎の竜は水が苦手だったのだろうか…。
「キラおいで」
キースが声をかけると、キラは恐る恐る水に足を踏み入れた。
ジュゥ…。
キラが触れた水が蒸発して水蒸気が上がり、キラは足を引っ込めた。
「予想以上だ」
チハヤがキースの服を拾いながらキラを見てそう言った。
キュウーッ
キラが訴えるような目で、キースを見る。
「ちょっとずつで良いから、水に触れようね。…それで、多すぎる魔力を出しちゃおうよ」
キラは再び水に足を踏み入れる。
ジュゥー…。
再び水蒸気が上がりキラは足を引っ込める。
それを見ていたチハヤが靴を脱いで、ズボンを膝上まで捲り上げると、湖の中に入ってキラの前に立った。
「キラちゃん、ジュゥーってならないように、魔力を外に出しちゃおうか。見ててね」
チハヤはそう言って、右手の手のひらをキラに見えるようにして、魔力を手のひらに集め始めた。
手のひらの上で風がくるくると舞い、透明な結晶を作り出す。
「こんな風に身体の中の魔力を集めて結晶を作ろう!」
「それ何?!」
見たことの無い魔法にキースは食いついて、浅瀬のチハヤとキラの元にやって来た。
「…そこ、キースが反応する?!」
チハヤは呆れた顔をして、苦笑いした。
「僕は『空の石』って呼んでいるけれど…空気中の酸素を魔力で閉じ込めたものだよ。水中を泳ぐ時に口に入れていれば、息が苦しくない」
「それ、良いね。キラ、一緒に練習しようか」
キースは浅瀬のキラの前に座り込み、手のひらに魔力を込める。
「キラもやってみよう!」
キラがじっとキースを見ていると、キラの頭上に風が吹き始めた。
「おっ!」
魔力が出てきている…。
「次は、固めるイメージで結晶を作る」
チハヤがそう言うと、キースは透明な石をイメージした。
最初は豆粒のような小さい塊が、少しずつ大きくなってガラス玉のような透明感を放ち出す。
それと同時に、キラの頭上にも赤い結晶が形を成していく。
「…ああ、綺麗だ…」
キースは自分が作っている結晶の事を忘れて、チハヤは始めてみる美しい赤色に見惚れていた。
キラの結晶化が終わると、それはポトンと水の中に落ちて、ジュゥーと水蒸気を放ち出し、辺りがみるみる真っ白になっていく。
チハヤは慌て赤い結晶を水中から拾い、
「熱い!熱い!」
と、言いながら、陸地にいるキラの横に放り投げた。
「つっ…!」
チハヤは顔を歪めている。
もしかして、火傷したのか?
「チハヤ。手を見せて」
水の中に座ったままのキースは、チハヤの手を見せてもらう。
やはり火傷だ。
真っ赤になって、このままだと水膨れが出来てしまう。
「ちょっと痛いけど我慢して」
キースはチハヤの両手を自分の両手と重ね合わせ、指を絡めると、チハヤは痛みに顔を歪めた。
キースはそのまま、チハヤに魔力を送り込む。
「…熱い」
自己回復の魔法を魔力と一緒に送り込めば、少しの痛みと共に回復が早くなる。
そして急速に、チハヤの手のひらの火傷が回復していった。
「…すごい…治っている…」
キースの手が離れ、さっきまで火傷していた傷が綺麗に消えていたのだ。
「シバみたいな強力な回復魔法ではないけれど、これくらいなら治せるよ」
キースはそう言って微笑むと、浅瀬に座るキースの足に何かがピトリと触れてきた。
見ればキラが水の中に入って、キースの足に触れている。
キースとチハヤは目を丸くして、キラを凝視した。
「やった!」
「熱くない!」
キースは恐る恐るキラの頭に触れてみて、微笑んだ。
ゴツゴツと鱗を指先に感じて、キラがじっとキースの行動を見ている。
チハヤもそっとキラに触れ、嬉しそうに微笑んだ。
「これで町に御披露目出来る!」
「やったねキラ!この状態を保とうね!」
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