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アリミネ火山~追憶のキース~
ワイトデ自治区のイオ
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最近、地中のお湯の温度が急に上昇した。
この辺は地下からお湯が沸くので、各家庭に大きな風呂場が備わっている。
涌き出るお湯を一旦、空気にさらし少し冷ましてから、風呂場に引いて、熱ければタンクに冷ましたお湯があるので、それと混ぜて温度調整をする。
かけ流しの、そのお湯が熱すぎるのだ。
イオは嫌な予感がしていた。
今、アリミネ火山は眠っているが、数百年前に爆発して溶岩が流れ、森を焼いたと言う記述が残されている。
今は面影がないくらい木々が生え森になっているが、火口付近はゴツゴツとした岩場が残っている。
溶岩が固まって出来た岩場だ。
…まさか…。
イオは資料で見た、噴火の絵を思い出していた。
朝から微弱な地震が多発していた。
大きな揺れではない。
そんな中、住民からアリミネ火山の山頂付近から煙が出ている。と、連絡がいくつも入った。
イオは魔力の強い仲間を集めて、ワイトデ自衛団を作っていた。
ワイトデ自治区の跡取りと言うのも有るが、山火事や洪水、土砂崩れなどが起こったとき、その被害を最小限に押さえるため、住民の生活を守るために率先して行動する団体なので、何か有れば住民から連絡が来るようになっていた。
イオは仲間達と煙が出ている場所に消火に向かった。
山頂付近と言っていたが、実際はもっと下の中腹付近から煙が出ていて、地中が熱く近付けず、遠目に地面の裂け目から煙が出ているのを確認した。
「…イオ。これって…噴火の…予兆…?」
仲間達も、数百年前の話しは知っている。
だが、詳しい資料は残っていないため、これが予兆だとは断言出来なかった。
町に戻り、もしもの為に住民には避難出きるように準備しておくようにと言ったが、半分くらいの住民は聞く耳を持ってくれなかった。
話を聞いてくれる者達や、港町に親戚がいる者達には、貴重品を持って旅行のつもりで先に移動してもらった。
何もなければ良いが、もしかしたら数日中に事が起こるかもしれない。
イオは両親に言って、港町の広い市場、集会所などの場所を避難所として使えるように話をつけてもらった。
自衛団のメンバーにも、食料調達、夜営の準備頼み、取り越し苦労であることを願った。
翌日の早朝。
朝食を食べ終えた頃、ドドンとものすごい音がして、地響きが起き、家が揺れた。
イオは慌てて玄関を出て茫然とした。
…アリミネ火山が噴火していた。
山頂が赤く染まり溶岩が流れ出てきているのが見えた。
イオは急いで両親に再度、港町の広い市場、集会所に連絡をとってもらって、使用人達と共に、港に避難するように言った。
住民達を誘導して、話を付けた港町に避難させるためだ。
俺が言うより、領主である父達の方が住民が安心するからだ。
イオが自衛団員と共に、町の避難の誘導を始めると、空から灰が降り始めた。
山頂付近の溶岩で燃えた木々の灰だ…。
ゆっくりと町を灰色に染めていく…。
…あれを止めないと、町にまで流れてきてしまう!
今は山頂付近だけが赤く、少し流れ出ただけみたいだ。
いつ再度噴火して、大量に溶岩が流れてくるのかわからない。
イオは不安に刈られながら、住民の誘導をしていた。
町は叫び声とざわめきで、パニックになっていて、家財道具を馬車や引き車に詰め込み、我先にと山から離れて港の方に向かっていく。
…避難所にたどり着けないぞ…。
必要最小限の荷物を持ってと、言っていたのも聞いていないみたいだ…。
イオはため息を付いて、逃げ遅れたものが居ないか確認して回った。
あらかた避難を終えると、町がすっかり静になり、灰色に染まっていた。
屋敷の近くの広い公園からアリミネ火山が良く見え、ワイトデ自衛団員のメンバーで、魔力が強い者達五人が集まっていた。
他の自衛団員は避難所の誘導と夜営や炊き出しの準備に港に向かっていた。
町中の食料確保が一番の問題だ。
前日に話しは多少してあるから問題ないが、日数が掛かってくると、食料だけでなく気力も体力も奪われる…。
なるべく早く、そして確実に、アリミネ火山の噴火を押さえなくてはいけない。
どうしたらいいか、仲間達と話していると一人の男が近付いてきたので、イオはじろりと睨み付けた。
「早く避難しろ!」
「…私にも手伝わせて。これ以上森を焼きたくない!」
「…。」
イオ達は顔を見合わせて、男をじろじろと見た。
灰を被って、鼻から口許まで布で覆い、薄汚れた長いマントを付けていた。
…まあ、俺達も大概灰まみれだが…。
それに…。
「町の人間では無いな」
「風霊に呼ばれてきた」
男はそう言った。
「風霊だと!」
風霊に呼ばれるとは、どう言うことだ?!
彼らは気まぐれで、呼んでも来ない時もある。
そんな風霊が、一人の人間をここへ…アリミネ火山の噴火に合わせて呼ぶなどとは…聞いた事がない。
「お前は風を扱えるのか?」
「風と水と…」
「…何か良い案はあるのか?」
風霊が何か、彼に伝えて来たのだろうか。
「…その前に、噴火はいつから?噴火の時、何か変わった事は無かった?」
…彼は知らないのだ。
もしかして、ここに着いたばかりなのか?
イオは説明した。
風霊が彼を呼んだと言うことは、彼でなくては出来ないことが有るからじゃないか…。
「…噴火は今朝からだ。昨日から微弱な地震があって、山頂付近から少し煙が出ていた。山火事かと思って消化に向かったが、地中が熱くなっていていて近付けず、地面の裂け目から煙が出ているのを確認した」
「…それが予兆…」
彼は難しい顔をして一言そう言った。
「もしもの為に、町民には避難出きるように準備しておくようにと言ったが、聞いてくれなかった」
イオは気まずそうな顔をした。
それでも、半数は話を聞いてくれたから、何とか現在、落ち着いたのだ。
これが町全員となると、もっと酷い惨状になっていただろう…。
「炎を扱える者はいるのか?」
「ああ、二人」
仲間のルドとレクトスが頷く。
「あれを押さえられる?」
「まず近付くのが無理だ。熱風にやられて燃えてしまう」
「風を使えるものは?」
「二人いる」
「二人一組になって、風のフィールドで熱風を防御して、炎に近付けるかだな…」
…組み合わせ。
イオが仲間達を見ると、頷き、四人は風で空に舞い上がった。
「様子を見るだけだ。どこまで近付けるか、何か気が付いた事を報告するんだ。無理するなよ!」
「了解!」
二人一組になって、二つの風の塊はアリミネ火山に向かって飛んで行った。
残されたイオと男は、煙が出ていた裂け目に向かった。
彼が見たいと言ったからだ。
「始まりがソノ煙なら、何かあると思うんだけど…」
…ああ、俺もそう思う…。
声にはしなかったが、始まりはソレのような気がした。
この辺は地下からお湯が沸くので、各家庭に大きな風呂場が備わっている。
涌き出るお湯を一旦、空気にさらし少し冷ましてから、風呂場に引いて、熱ければタンクに冷ましたお湯があるので、それと混ぜて温度調整をする。
かけ流しの、そのお湯が熱すぎるのだ。
イオは嫌な予感がしていた。
今、アリミネ火山は眠っているが、数百年前に爆発して溶岩が流れ、森を焼いたと言う記述が残されている。
今は面影がないくらい木々が生え森になっているが、火口付近はゴツゴツとした岩場が残っている。
溶岩が固まって出来た岩場だ。
…まさか…。
イオは資料で見た、噴火の絵を思い出していた。
朝から微弱な地震が多発していた。
大きな揺れではない。
そんな中、住民からアリミネ火山の山頂付近から煙が出ている。と、連絡がいくつも入った。
イオは魔力の強い仲間を集めて、ワイトデ自衛団を作っていた。
ワイトデ自治区の跡取りと言うのも有るが、山火事や洪水、土砂崩れなどが起こったとき、その被害を最小限に押さえるため、住民の生活を守るために率先して行動する団体なので、何か有れば住民から連絡が来るようになっていた。
イオは仲間達と煙が出ている場所に消火に向かった。
山頂付近と言っていたが、実際はもっと下の中腹付近から煙が出ていて、地中が熱く近付けず、遠目に地面の裂け目から煙が出ているのを確認した。
「…イオ。これって…噴火の…予兆…?」
仲間達も、数百年前の話しは知っている。
だが、詳しい資料は残っていないため、これが予兆だとは断言出来なかった。
町に戻り、もしもの為に住民には避難出きるように準備しておくようにと言ったが、半分くらいの住民は聞く耳を持ってくれなかった。
話を聞いてくれる者達や、港町に親戚がいる者達には、貴重品を持って旅行のつもりで先に移動してもらった。
何もなければ良いが、もしかしたら数日中に事が起こるかもしれない。
イオは両親に言って、港町の広い市場、集会所などの場所を避難所として使えるように話をつけてもらった。
自衛団のメンバーにも、食料調達、夜営の準備頼み、取り越し苦労であることを願った。
翌日の早朝。
朝食を食べ終えた頃、ドドンとものすごい音がして、地響きが起き、家が揺れた。
イオは慌てて玄関を出て茫然とした。
…アリミネ火山が噴火していた。
山頂が赤く染まり溶岩が流れ出てきているのが見えた。
イオは急いで両親に再度、港町の広い市場、集会所に連絡をとってもらって、使用人達と共に、港に避難するように言った。
住民達を誘導して、話を付けた港町に避難させるためだ。
俺が言うより、領主である父達の方が住民が安心するからだ。
イオが自衛団員と共に、町の避難の誘導を始めると、空から灰が降り始めた。
山頂付近の溶岩で燃えた木々の灰だ…。
ゆっくりと町を灰色に染めていく…。
…あれを止めないと、町にまで流れてきてしまう!
今は山頂付近だけが赤く、少し流れ出ただけみたいだ。
いつ再度噴火して、大量に溶岩が流れてくるのかわからない。
イオは不安に刈られながら、住民の誘導をしていた。
町は叫び声とざわめきで、パニックになっていて、家財道具を馬車や引き車に詰め込み、我先にと山から離れて港の方に向かっていく。
…避難所にたどり着けないぞ…。
必要最小限の荷物を持ってと、言っていたのも聞いていないみたいだ…。
イオはため息を付いて、逃げ遅れたものが居ないか確認して回った。
あらかた避難を終えると、町がすっかり静になり、灰色に染まっていた。
屋敷の近くの広い公園からアリミネ火山が良く見え、ワイトデ自衛団員のメンバーで、魔力が強い者達五人が集まっていた。
他の自衛団員は避難所の誘導と夜営や炊き出しの準備に港に向かっていた。
町中の食料確保が一番の問題だ。
前日に話しは多少してあるから問題ないが、日数が掛かってくると、食料だけでなく気力も体力も奪われる…。
なるべく早く、そして確実に、アリミネ火山の噴火を押さえなくてはいけない。
どうしたらいいか、仲間達と話していると一人の男が近付いてきたので、イオはじろりと睨み付けた。
「早く避難しろ!」
「…私にも手伝わせて。これ以上森を焼きたくない!」
「…。」
イオ達は顔を見合わせて、男をじろじろと見た。
灰を被って、鼻から口許まで布で覆い、薄汚れた長いマントを付けていた。
…まあ、俺達も大概灰まみれだが…。
それに…。
「町の人間では無いな」
「風霊に呼ばれてきた」
男はそう言った。
「風霊だと!」
風霊に呼ばれるとは、どう言うことだ?!
彼らは気まぐれで、呼んでも来ない時もある。
そんな風霊が、一人の人間をここへ…アリミネ火山の噴火に合わせて呼ぶなどとは…聞いた事がない。
「お前は風を扱えるのか?」
「風と水と…」
「…何か良い案はあるのか?」
風霊が何か、彼に伝えて来たのだろうか。
「…その前に、噴火はいつから?噴火の時、何か変わった事は無かった?」
…彼は知らないのだ。
もしかして、ここに着いたばかりなのか?
イオは説明した。
風霊が彼を呼んだと言うことは、彼でなくては出来ないことが有るからじゃないか…。
「…噴火は今朝からだ。昨日から微弱な地震があって、山頂付近から少し煙が出ていた。山火事かと思って消化に向かったが、地中が熱くなっていていて近付けず、地面の裂け目から煙が出ているのを確認した」
「…それが予兆…」
彼は難しい顔をして一言そう言った。
「もしもの為に、町民には避難出きるように準備しておくようにと言ったが、聞いてくれなかった」
イオは気まずそうな顔をした。
それでも、半数は話を聞いてくれたから、何とか現在、落ち着いたのだ。
これが町全員となると、もっと酷い惨状になっていただろう…。
「炎を扱える者はいるのか?」
「ああ、二人」
仲間のルドとレクトスが頷く。
「あれを押さえられる?」
「まず近付くのが無理だ。熱風にやられて燃えてしまう」
「風を使えるものは?」
「二人いる」
「二人一組になって、風のフィールドで熱風を防御して、炎に近付けるかだな…」
…組み合わせ。
イオが仲間達を見ると、頷き、四人は風で空に舞い上がった。
「様子を見るだけだ。どこまで近付けるか、何か気が付いた事を報告するんだ。無理するなよ!」
「了解!」
二人一組になって、二つの風の塊はアリミネ火山に向かって飛んで行った。
残されたイオと男は、煙が出ていた裂け目に向かった。
彼が見たいと言ったからだ。
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