神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

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神の宿り木~再生~

ピクニック 2

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 子供達の賑やかな声にリーンは目を覚ました。
「目が覚めた見たいですね。食事にしませんか」
 そう言ってジェスが、身体を横たえたリーンに微笑む。
 リーンは身体を起こし、辺りを見回した。
 いつの間にかテントの下にはテーブルがあり、食事が並べられていた。
 チイが持ってきたお弁当も一緒に置かれていて、テーブルの横に置かれた鍋から湯気もたっていて、皆、賑やかに食事をしている。
「…。」 
 まだリーンは夢と現実の境目にいて、ぼんやりとしていた。
 さっきまで、別の名前で呼ばれて、集落の人達と賑やかに食事をしていた…。
 …ここが…現実。
「リーン」
 ルークがサラダやハムが乗った皿を持ってやって来て、隣に座りフォークでハムを取るとリーンの口の側に持ってくる。
「口を開けて…」
 リーンはルークに言われるまま口を開けると、中に入れられ口を閉じた。
 …モグモグ…。
 リーンが食べているとルークは嬉しそうに微笑んで、再びフォークにサラダを乗せ、口の側に持ってきた。
 リーンは無意識にそれを口に入れ、モグモグと食べていると、ジーンの声が聞こえた。
「あーっ。それ、僕もやる!」
 そう言って、皿を持ったジーンが近づいて来て、リーンはハッとした。
 …今、子供達の前で、何をしていた…。
 二人でベッドに居るときみたいに、ルークに食べさせてもらっていた…。
 リーンは頬を染め、隣を見ればルークが楽しそうに微笑んで、フォークに次のウインナーを刺して待ち構えている。
「お父様だげ狡い!」
 ジーンが皿を持って隣に座り、フォークに小さくカットされたオムレツを乗せて、リーンの口の側に震えながら持ってくる。
「リーン。食べて…」
 ジーンに言われて、食べないわけにはいかない。
 リーンは口を開けてジーンのフォークからオムレツを食べさせてもらった。
「美味しい?」
 不安そうに覗き込むジーンが可愛くて、リーンは微笑む。
「美味しいよ。ありがとう」
 そう言うと、満面の笑みを浮かべて、再びフォークにオムレツを乗せ始めた。
「次は私の番よ!」
 いつの間にかユーリも側にいて、フォークに野菜スティックを刺して待ち構えていた。
「リーン。あーんして…」
 ユーリに言われてリーンが口を開け、野菜スティックを食べさせてもらう。
 …嬉しいが、これはこれで、恥ずかしい…。
 リーンはルークとジーン、ユーリに、それぞれの皿の上の食べ物が無くなるまで、交互に食べさせてもらった。

「私も…」
 ルナもそう言ってリーンに近づこうとして、ヒイロに引き留められていた。
「ルナ。それは、お父さんにしてくれないか?」
 ルナはリーンの方をチラリと見て、一度ヒイロを見上げ、皿に乗っているウインナーをフォークで刺しはじめた。
 ヒイロはルナの前にしゃがみこみ、視線の高さを同じにする。
「お父様、あーん」
 ルナがフォークを差し出し、ヒイロは口を開けてルナに食べさせてもらいながら、デレデレと頬を緩ませて食べている。
 そんな様子をチイが見て、苦笑いしていた。



 サラの側使えの者達や護衛の男達も交互に食事をして、山小屋アルファの常駐者達にも交代で食事をしに来てもらった。
 たまには賑やかな食事を…と、ヒイロが呼んだのだ。
 通常なら調査中のここに人を入れることはないが、特別に入れてもらってのだ。
 のんびりと人目を気にせず、くつろげる場所。
 それには、ここが最適だった。
 集まったメンバーが国を揺るがす、重要人物ばかりなのだから…。
 
 食事が終わったら、あの場所へ行こう…。
 皆に、あの光景を見せてあげたい…。
 リーンは夢の中で見た光景を思い出していた。
 
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