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神の宿り木~再生~
ピクニック 1
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晴れた青空のもと、リーン達はユーリの希望していたピクニックに向かった。
と言っても、予定より人数の規模が大きくなり、夜営状態だった。
リーンとルーク、ジーンとユーリ。
グオルク獣人のヒイロとチイ、ルナ。
主要メンバーはそれくらいで、側近のアオとカズキ、キリトも護衛と荷物運びに付いてきていた。
それから、カザンナ王国の第一王子ローレンスの王子妃サラと、その王子ロベルトが、来ることになって、護衛と側使えの達が増え、大所帯になってしまったのだ。
なので場所をどうしようか迷って、始まりの山小屋アルファへ行くことにした。
ここならば、調査隊の関係者しかいないし、転移魔法を使って移動しても迷惑はかけない。
と言うことで、リーン達はリオナスの執務室からグオルクのリーンの部屋に移動し、グオルクのヒイロの家の玄関から、ヒイロの執務室に移動して、ヒイロの執務室から山小屋アルファへの部屋の中に移動した。
ヒイロの執務室には、山小屋アルファへの直通の魔法陣が有るため、移動するにはとても便利だ。
実質、歩けば何日もかかる場所だが、固定の魔法陣を三つ通り抜けて来たので、短時間でかなりの距離を移動してきた。
そして山小屋アルファの外に有る転移魔法所には、ジェスが転移魔法の中心となって、王都から一個団体を移動して連れてきた。
「俺ってこんな仕事ばかり…」
ジェスが後でぼやいていた。
山小屋アルファから湖に向かって少し下り、見晴らしの良い木陰にキリトが敷物を敷いた。
そしてその側で、護衛の男達が日除けのテントを張り、側使えの者達三人が荷物を広げ始め、昼食の準備を始めた。
大人数の分だから、かなりの量がある。
チイもお弁当を準備してきたが、集まった人数を見て、ビックリしていた。
護衛の五人をいれると総勢二十人のピクニックだからだ。
そのうち子供が四人て…。
リーンは苦笑いした。
そんな子供達は、はしゃいで湖の側で追いかけっこをしている。
それをヒイロとルークが見守りながら後を付いていく。
さらにその後を、護衛の男達二人が遠巻きに付いていく。
…何もないと思うけど、カザンナ王国の王子と、第一王子の子供だもんな…。
リーンはキリトが敷いた敷物の上に座り、ほのぼのとした光景を眺めていた。
「リーン様は一緒に行かなくて良いのですか?」
そう言ってサラが隣に座る。
「…そこまで体力無いから…」
森を歩く分には気にならないが、子供達と遊ぶとなると、また別の体力が必要だとつくづく感じていた。
「ルークとヒイロに任せる」
そう言って苦笑いした。
「チイは行かなくて良いの?」
キリトと一緒に昼食の準備をしているチイに声をかけると、チイも苦笑いした。
「ヒイロに任せとく。ルナもお父さんと一緒に、なかなか遊びに行けないから…今日くらいは好きにさせておこうと思って…」
それぞれ、家庭の事情がある。
「…ロベルトの気晴らしにはなってるかな…?」
「ええ。ルナちゃんの耳に触らせてもらって、顔が緩んでいたから…それに、お兄ちゃんぶっているのが、可愛くて…」
サラは頬を染めながら遊んでいる子供達を見ている。
サラも王都では気を張って生活しているのだろう。
たまにはこんな癒しも良いのかもしれない。
「今日一日、のんびりしようね」
リーンはそう言って微笑んだ。
「リーン様…眠ってしまったみたい…」
サラの声が遠くでする。
「疲れているのよ。目覚めてから直ぐに、あちらこちらに移動していたから…」
チイの声がする。
「山小屋から毛布を借りて来ます」
キリトがそう言って動く気配を感じる。
「ゆっくり休ませておきましょう」
チイとサラが何か話しているみたいだったが、リーンは眠りに誘われて眠ってしまった。
過去の『私』の夢を見た。
いくつ前かは分からないが、ここに住んでいた『私』。
なぜこの湖周辺の集落が、無くなってしまったのか…。
そして…大切なモノの存在を教えてくれた。
…ああ、そうか。
この湖周辺の、魔法の基盤の中心はソコに有ったのか…。
…だから、私が呼ばれた…。
リーンはそんな風に感じた。
と言っても、予定より人数の規模が大きくなり、夜営状態だった。
リーンとルーク、ジーンとユーリ。
グオルク獣人のヒイロとチイ、ルナ。
主要メンバーはそれくらいで、側近のアオとカズキ、キリトも護衛と荷物運びに付いてきていた。
それから、カザンナ王国の第一王子ローレンスの王子妃サラと、その王子ロベルトが、来ることになって、護衛と側使えの達が増え、大所帯になってしまったのだ。
なので場所をどうしようか迷って、始まりの山小屋アルファへ行くことにした。
ここならば、調査隊の関係者しかいないし、転移魔法を使って移動しても迷惑はかけない。
と言うことで、リーン達はリオナスの執務室からグオルクのリーンの部屋に移動し、グオルクのヒイロの家の玄関から、ヒイロの執務室に移動して、ヒイロの執務室から山小屋アルファへの部屋の中に移動した。
ヒイロの執務室には、山小屋アルファへの直通の魔法陣が有るため、移動するにはとても便利だ。
実質、歩けば何日もかかる場所だが、固定の魔法陣を三つ通り抜けて来たので、短時間でかなりの距離を移動してきた。
そして山小屋アルファの外に有る転移魔法所には、ジェスが転移魔法の中心となって、王都から一個団体を移動して連れてきた。
「俺ってこんな仕事ばかり…」
ジェスが後でぼやいていた。
山小屋アルファから湖に向かって少し下り、見晴らしの良い木陰にキリトが敷物を敷いた。
そしてその側で、護衛の男達が日除けのテントを張り、側使えの者達三人が荷物を広げ始め、昼食の準備を始めた。
大人数の分だから、かなりの量がある。
チイもお弁当を準備してきたが、集まった人数を見て、ビックリしていた。
護衛の五人をいれると総勢二十人のピクニックだからだ。
そのうち子供が四人て…。
リーンは苦笑いした。
そんな子供達は、はしゃいで湖の側で追いかけっこをしている。
それをヒイロとルークが見守りながら後を付いていく。
さらにその後を、護衛の男達二人が遠巻きに付いていく。
…何もないと思うけど、カザンナ王国の王子と、第一王子の子供だもんな…。
リーンはキリトが敷いた敷物の上に座り、ほのぼのとした光景を眺めていた。
「リーン様は一緒に行かなくて良いのですか?」
そう言ってサラが隣に座る。
「…そこまで体力無いから…」
森を歩く分には気にならないが、子供達と遊ぶとなると、また別の体力が必要だとつくづく感じていた。
「ルークとヒイロに任せる」
そう言って苦笑いした。
「チイは行かなくて良いの?」
キリトと一緒に昼食の準備をしているチイに声をかけると、チイも苦笑いした。
「ヒイロに任せとく。ルナもお父さんと一緒に、なかなか遊びに行けないから…今日くらいは好きにさせておこうと思って…」
それぞれ、家庭の事情がある。
「…ロベルトの気晴らしにはなってるかな…?」
「ええ。ルナちゃんの耳に触らせてもらって、顔が緩んでいたから…それに、お兄ちゃんぶっているのが、可愛くて…」
サラは頬を染めながら遊んでいる子供達を見ている。
サラも王都では気を張って生活しているのだろう。
たまにはこんな癒しも良いのかもしれない。
「今日一日、のんびりしようね」
リーンはそう言って微笑んだ。
「リーン様…眠ってしまったみたい…」
サラの声が遠くでする。
「疲れているのよ。目覚めてから直ぐに、あちらこちらに移動していたから…」
チイの声がする。
「山小屋から毛布を借りて来ます」
キリトがそう言って動く気配を感じる。
「ゆっくり休ませておきましょう」
チイとサラが何か話しているみたいだったが、リーンは眠りに誘われて眠ってしまった。
過去の『私』の夢を見た。
いくつ前かは分からないが、ここに住んでいた『私』。
なぜこの湖周辺の集落が、無くなってしまったのか…。
そして…大切なモノの存在を教えてくれた。
…ああ、そうか。
この湖周辺の、魔法の基盤の中心はソコに有ったのか…。
…だから、私が呼ばれた…。
リーンはそんな風に感じた。
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