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神の宿り木~再生~
新しい橋
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ダレスに水中都市への連絡をお願いして、リーンとカズキは新しく建て直された、集落の家々を見て回った。
以前は、どうせ飛ばされるからと、簡単な木造の家だったが、今はしっかりとした壁の、平屋の家々が建ち並んでいた。
「ローレンス様が、王都の建築家にお願いして、風や嵐に強い家を考案してくれたんです。わざわざ、どれだけの強風がどちら側から来るとか、調べてくれたみたいで。ソレからは、家の中の方が安心だと住民の方達は言ってくれてますから…」
「…詳しいな」
「ここは、僕が担当でしたから」
カズキはそう言って微笑む。
「住民と王都側との仲介に入ってました」
カズキなら、住民達の意見と王都側が言っていることを、分かりやすく説明してくれるだろうし、物腰も優しく、第三王子の側近として、王都側も信頼してくれている。
「意志疎通が出きるまでは、大変でしたけどね」
思い出してか、カズキか楽しそうに微笑む。
「リーンさんの部屋はそのまま残して有りますよ。…そう言えば、あの絵画を、見せてもらいました」
「…。」
「あの絵を見たら、リーンさんの事、水人族の方は皆、崇拝しますよ」
水上集落の神殿にある、私の意識が無いときに描かれたモノだ。
絵画の中で、竜の姿になったフールシアが愛しそうに、眠っている青年の姿を見て、微笑んでいる。
それだけの加護を、竜人が与えた者なのだと伝える絵画。
ソレが自分なのだと言うことが信じられなかった。
それは昔の事…。
ルークと出会う前の出来事…。
「カズキさんと、リーン様だ!」
「リーン様!」
住民達が家から出てきて、崇め始める。
「…あの、崇めないでくれませんか…」
戸惑いながらリーンがそう言うと、カズキが囁きかける。
「出会った、始めだけです。後は、普通に接してくれるように言ってありますから」
「…始めだけ…?」
「崇拝は、竜人族の加護を受けた者として、諦めてください。その後もそのままだと、居ずらいので止めるように話は付けてあります」
「…助かるよ…」
さすがにそう言うところは抜け目無い。
水人族の意向と、リーンの思いを汲んでくれている。
しばらくリーンは崇められながら、集落の中を見学して歩き、果実や干しものを、差し入れられた。
カズキがそれを持ってくれて、地上集落から水上集落に向かう桟橋に付くと、見違えるほどに、川に架かっているような普通の橋がかかっていた。
そして、水上集落も家の作りは昔のままだが、太い柱が何本も水中に刺さり、上の集落を支えていた。
「ここはあまり変わっていませんよ。その代わり、防波堤を湖に作りました。湖側から強い風が高波を運んできても、軽減できるように…それでいて、水人族の生活をあまり変えないように…」
よく見れば、水上集落の向こう側に岩がいくつも見える。
ここにたどり着くまでに、波の威力を押さえてくれるために…。
「カザンナ王国の海側の街では、場所によって高波が強いので、こんな風に防波堤を作っているんです。ここは風景を変えすぎないように、洪水で流れてきた岩や石を積み上げて、魔法で固定させてます。…ここの獣人の方達はすごいですね。説明して場所を教えたら、筏を組んで、岩を抱えて運んできて、次々と水中に沈めていく…意欲的な方達ばかりですよ」
まあ、そうだろう。
彼らのほとんどの伴侶が水人族で、一緒に暮らすと言うことがどういう事か、よく分かっている。
「リーン様。『水中都市』と繋がりました。フールシア様がお待ちです」
ダレスが水上集落の神殿の方から声をかけてくる。
リーンとカズキは足早に、新しい橋を渡り始めた。
以前は、どうせ飛ばされるからと、簡単な木造の家だったが、今はしっかりとした壁の、平屋の家々が建ち並んでいた。
「ローレンス様が、王都の建築家にお願いして、風や嵐に強い家を考案してくれたんです。わざわざ、どれだけの強風がどちら側から来るとか、調べてくれたみたいで。ソレからは、家の中の方が安心だと住民の方達は言ってくれてますから…」
「…詳しいな」
「ここは、僕が担当でしたから」
カズキはそう言って微笑む。
「住民と王都側との仲介に入ってました」
カズキなら、住民達の意見と王都側が言っていることを、分かりやすく説明してくれるだろうし、物腰も優しく、第三王子の側近として、王都側も信頼してくれている。
「意志疎通が出きるまでは、大変でしたけどね」
思い出してか、カズキか楽しそうに微笑む。
「リーンさんの部屋はそのまま残して有りますよ。…そう言えば、あの絵画を、見せてもらいました」
「…。」
「あの絵を見たら、リーンさんの事、水人族の方は皆、崇拝しますよ」
水上集落の神殿にある、私の意識が無いときに描かれたモノだ。
絵画の中で、竜の姿になったフールシアが愛しそうに、眠っている青年の姿を見て、微笑んでいる。
それだけの加護を、竜人が与えた者なのだと伝える絵画。
ソレが自分なのだと言うことが信じられなかった。
それは昔の事…。
ルークと出会う前の出来事…。
「カズキさんと、リーン様だ!」
「リーン様!」
住民達が家から出てきて、崇め始める。
「…あの、崇めないでくれませんか…」
戸惑いながらリーンがそう言うと、カズキが囁きかける。
「出会った、始めだけです。後は、普通に接してくれるように言ってありますから」
「…始めだけ…?」
「崇拝は、竜人族の加護を受けた者として、諦めてください。その後もそのままだと、居ずらいので止めるように話は付けてあります」
「…助かるよ…」
さすがにそう言うところは抜け目無い。
水人族の意向と、リーンの思いを汲んでくれている。
しばらくリーンは崇められながら、集落の中を見学して歩き、果実や干しものを、差し入れられた。
カズキがそれを持ってくれて、地上集落から水上集落に向かう桟橋に付くと、見違えるほどに、川に架かっているような普通の橋がかかっていた。
そして、水上集落も家の作りは昔のままだが、太い柱が何本も水中に刺さり、上の集落を支えていた。
「ここはあまり変わっていませんよ。その代わり、防波堤を湖に作りました。湖側から強い風が高波を運んできても、軽減できるように…それでいて、水人族の生活をあまり変えないように…」
よく見れば、水上集落の向こう側に岩がいくつも見える。
ここにたどり着くまでに、波の威力を押さえてくれるために…。
「カザンナ王国の海側の街では、場所によって高波が強いので、こんな風に防波堤を作っているんです。ここは風景を変えすぎないように、洪水で流れてきた岩や石を積み上げて、魔法で固定させてます。…ここの獣人の方達はすごいですね。説明して場所を教えたら、筏を組んで、岩を抱えて運んできて、次々と水中に沈めていく…意欲的な方達ばかりですよ」
まあ、そうだろう。
彼らのほとんどの伴侶が水人族で、一緒に暮らすと言うことがどういう事か、よく分かっている。
「リーン様。『水中都市』と繋がりました。フールシア様がお待ちです」
ダレスが水上集落の神殿の方から声をかけてくる。
リーンとカズキは足早に、新しい橋を渡り始めた。
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