191 / 462
神の宿り木~再生~
目覚めの午後
しおりを挟む
昼食を食べてから、ジーンとユーリはベッタリとリーンに付くついていた。
午後からは、役所の案内は良いのだろうか?
リーンは気になって、聞いてみた。
「…案内のお手伝いは良いのか?」
「うん。受付のお姉さんに、リーンの側に居たいから、お休みにしてって、頼んだの」
ユーリがそう言うと、ジーンも。
「午前中だけにしてもらってんだ」
…この二人にお願いをされれば、断れないだろう…。
ましてや、お手伝いなのだから…。
「そうか。それなら良いが…」
ジーンとユーリは、リーンの膝の上に座るのを取り合い始めたので、両足にそれぞれ座らせた。
少し重たいが、二人はそれで満足したみたいで、あとは普通に学校であったことを話し始めた。
楽しそうに話す二人に、リーンは微笑んだ。
楽しく学校に行っているのなら良かった。
リーンは学校と言うモノに縁がなく、ルークが家族以外のいろんな友達と接する機会だし、世界が広がるから…。と、言われて、そうなんだ。と、思ったくらいだ。
…楽しく学べて、知識を得れるのならば、それはそれで良いのだろう…。
おやつを食べ終える頃に、キリトが二人を迎えに来た。
「目覚めて良かったです…」
キリトはホッとため息をついて、ルークの寝室に入り、ジーンとユーリの着替えや荷物をカバンに詰めだす。
キリトは当たり前のように片付け出したので、聞いてみた。
「…それ、ジーンやユーリにさせなくて良いの?」
「…出先になるので、ここでは俺がします。…屋敷に帰ったら、自分で片付けを出きるようには、してるつもりなんですが…つい、手をだしてしまって…」
キリトが苦笑いする。
「…キリトが離れれば、寂しいかもしれないけれど…自分で出きるようになるかな…」
「…。俺が、離れがたいんですけどね…」
アリミネ火山に行くメンバーに入れても良いかもしれないと、思ったからだ。
キリトは狼の獣人…雷を使う。
素早く情報を察知して、偵察に向いているのだが…私が子供達の事をお願いしたから、側に居てくれているのもある…。
時々、ルークに頼まれて、出掛けてはいたみたいだが…。
「…まだ分からないけど、ルークの手が空いたらアリミネ火山に向かうんだ。その時、一緒に来ないか?」
キリトは驚いて、リーンを見てくる。
…なんとなく…連れていった方が良いような気がしたからだ。
「…少し、考えさせてください」
「こっちも、ルーク次第だから…」
リーンはそう言って、執務室に戻った。
すぐには行けない。
…でも、それまでに出きることから、していかないと…。
夕食前には、王都の屋敷に戻る約束になっているみたいで、帰りたくないと、ジーンとユーリが駄々をこね始めた。
「…。」
学校があるから、次に来るのは週末…。
しばらくは会えない。
寂しいのは寂しいけれど…親離れ、子離れの練習もかねている。
「…今度、ピクニックがしたい…」
ユーリがそう言い出した。
学校の友達の話をしていたときに、言っていた。
家族でお出かけして、外でご飯を食べて、楽しかったと言うのが、羨ましかったと…。
そうだよな…。
ルークはリオナスにいるし、カザンナ王国の第三王子だから、ピクニックと言っても、大勢連れて豪勢になってしまうだろう。
それに私は、ルークの元には帰ってくるが、定住しているわけではない。
…約束が出来ない…。
「…分かった。来週、休みを取って出掛けよう」
「…ルーク…」
リーンが不安そうにルークを見ると、微笑んで来た。
「ルナも誘おう…。そうすれば、リーンはどこへも出掛けられない…」
「…。」
…その通だ。
ルナが来るとなれば、チイは絶対に来るし、ヒイロも休みをもぎ取るだろう…。
ヒイロとチイが来るのに、私が、行かないわけには行かない…。
「…私の負け…。来週末、一緒に出掛けよう…」
リーンがそう言うと、ユーリは、ぱあっと笑顔になって頷いた。
「約束だからね!」
ジーンも嬉しそうに「お弁当楽しみ」と、笑っている。
「ほら、王都に戻るぞ」
キリトが二人の荷物をもって、二人をせかす。
「また、来週!」
そう言って、キリトが魔法陣を開き、グオルクのリーンの部屋に繋がる魔法陣の中に入っていった。
「…出掛けても、絶対に戻ってこいよ」
ルークが念を押す。
「うん。あんな嬉しそうな顔をされたら、約束を破るわけにはいかないからね…」
リーンはそう言って微笑んだ。
「さて、後はアオ達に任せる」
ジーンとユーリ、キリトが帰ってすぐ、ルークがそう言って、突然リーンの腰を抱き上げ、抱えられた。
帰るのを待っていたみたいに…。
「ルーク?」
「ごゆっくり」
アオはそう言って、苦笑いしている。
…何?
リーンの戸惑いをよそにルークは寝室に入り、リーンをベットの縁に降ろす。
「そろそろ、俺にもリーンが帰ってきたと言うことを、実感させてくれ」
そう言って口付けてくる。
…そう言う…意味…。
リーンは頬を染めながら、ルークを抱き締めた。
午後からは、役所の案内は良いのだろうか?
リーンは気になって、聞いてみた。
「…案内のお手伝いは良いのか?」
「うん。受付のお姉さんに、リーンの側に居たいから、お休みにしてって、頼んだの」
ユーリがそう言うと、ジーンも。
「午前中だけにしてもらってんだ」
…この二人にお願いをされれば、断れないだろう…。
ましてや、お手伝いなのだから…。
「そうか。それなら良いが…」
ジーンとユーリは、リーンの膝の上に座るのを取り合い始めたので、両足にそれぞれ座らせた。
少し重たいが、二人はそれで満足したみたいで、あとは普通に学校であったことを話し始めた。
楽しそうに話す二人に、リーンは微笑んだ。
楽しく学校に行っているのなら良かった。
リーンは学校と言うモノに縁がなく、ルークが家族以外のいろんな友達と接する機会だし、世界が広がるから…。と、言われて、そうなんだ。と、思ったくらいだ。
…楽しく学べて、知識を得れるのならば、それはそれで良いのだろう…。
おやつを食べ終える頃に、キリトが二人を迎えに来た。
「目覚めて良かったです…」
キリトはホッとため息をついて、ルークの寝室に入り、ジーンとユーリの着替えや荷物をカバンに詰めだす。
キリトは当たり前のように片付け出したので、聞いてみた。
「…それ、ジーンやユーリにさせなくて良いの?」
「…出先になるので、ここでは俺がします。…屋敷に帰ったら、自分で片付けを出きるようには、してるつもりなんですが…つい、手をだしてしまって…」
キリトが苦笑いする。
「…キリトが離れれば、寂しいかもしれないけれど…自分で出きるようになるかな…」
「…。俺が、離れがたいんですけどね…」
アリミネ火山に行くメンバーに入れても良いかもしれないと、思ったからだ。
キリトは狼の獣人…雷を使う。
素早く情報を察知して、偵察に向いているのだが…私が子供達の事をお願いしたから、側に居てくれているのもある…。
時々、ルークに頼まれて、出掛けてはいたみたいだが…。
「…まだ分からないけど、ルークの手が空いたらアリミネ火山に向かうんだ。その時、一緒に来ないか?」
キリトは驚いて、リーンを見てくる。
…なんとなく…連れていった方が良いような気がしたからだ。
「…少し、考えさせてください」
「こっちも、ルーク次第だから…」
リーンはそう言って、執務室に戻った。
すぐには行けない。
…でも、それまでに出きることから、していかないと…。
夕食前には、王都の屋敷に戻る約束になっているみたいで、帰りたくないと、ジーンとユーリが駄々をこね始めた。
「…。」
学校があるから、次に来るのは週末…。
しばらくは会えない。
寂しいのは寂しいけれど…親離れ、子離れの練習もかねている。
「…今度、ピクニックがしたい…」
ユーリがそう言い出した。
学校の友達の話をしていたときに、言っていた。
家族でお出かけして、外でご飯を食べて、楽しかったと言うのが、羨ましかったと…。
そうだよな…。
ルークはリオナスにいるし、カザンナ王国の第三王子だから、ピクニックと言っても、大勢連れて豪勢になってしまうだろう。
それに私は、ルークの元には帰ってくるが、定住しているわけではない。
…約束が出来ない…。
「…分かった。来週、休みを取って出掛けよう」
「…ルーク…」
リーンが不安そうにルークを見ると、微笑んで来た。
「ルナも誘おう…。そうすれば、リーンはどこへも出掛けられない…」
「…。」
…その通だ。
ルナが来るとなれば、チイは絶対に来るし、ヒイロも休みをもぎ取るだろう…。
ヒイロとチイが来るのに、私が、行かないわけには行かない…。
「…私の負け…。来週末、一緒に出掛けよう…」
リーンがそう言うと、ユーリは、ぱあっと笑顔になって頷いた。
「約束だからね!」
ジーンも嬉しそうに「お弁当楽しみ」と、笑っている。
「ほら、王都に戻るぞ」
キリトが二人の荷物をもって、二人をせかす。
「また、来週!」
そう言って、キリトが魔法陣を開き、グオルクのリーンの部屋に繋がる魔法陣の中に入っていった。
「…出掛けても、絶対に戻ってこいよ」
ルークが念を押す。
「うん。あんな嬉しそうな顔をされたら、約束を破るわけにはいかないからね…」
リーンはそう言って微笑んだ。
「さて、後はアオ達に任せる」
ジーンとユーリ、キリトが帰ってすぐ、ルークがそう言って、突然リーンの腰を抱き上げ、抱えられた。
帰るのを待っていたみたいに…。
「ルーク?」
「ごゆっくり」
アオはそう言って、苦笑いしている。
…何?
リーンの戸惑いをよそにルークは寝室に入り、リーンをベットの縁に降ろす。
「そろそろ、俺にもリーンが帰ってきたと言うことを、実感させてくれ」
そう言って口付けてくる。
…そう言う…意味…。
リーンは頬を染めながら、ルークを抱き締めた。
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

けものとこいにおちまして
ゆきたな
BL
医者の父と大学教授の母と言うエリートの家に生まれつつも親の期待に応えられず、彼女にまでふられたカナタは目を覚ましたら洞窟の中で二匹の狼に挟まれていた。状況が全然わからないカナタに狼がただの狼ではなく人狼であると明かす。異世界で出会った人狼の兄弟。兄のガルフはカナタを自分のものにしたいと行動に出るが、カナタは近付くことに戸惑い…。ガルフと弟のルウと一緒にいたいと奔走する異種族ファミリー系BLストーリー。

お客様と商品
あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)
貢がせて、ハニー!
わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。
隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。
社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。
※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8)
■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました!
■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。
■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる