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神の宿り木~再生~
目覚めの朝 *
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リーンは目覚めると、ルークに抱えあげられて、ソファーにいた。
…そうだ。
昨日、目が覚めて、ルークと一緒にここで眠ったんだ…。
リーンは温もりから離れがたくて、ルークの上で微睡んでいた。
ルークも目を覚ましたのか、リーンの髪に触れ撫で始めた。
互いに起きるのが、もったいなくて、微睡んでいると、寝室の扉が勢いよく開いた。
「お父様!」
「…リーンが居ない!!」
ジーンのユーリが執務室に駆け込んできた。
「…。」
二人の時間はここまでみたいだ。
駆け寄ってくるジーンとユーリがソファーに近付き、リーンに気が付いて、しがみついてきた。
「「リーン!!」」
リーンは身体を起こし、二人の頭を撫でて微笑んだ。
「おはよう。ジーン、ユーリ」
顔を上げた二人は、涙で顔をぐちゃぐちゃに濡らして返事してきた。
「…おっ…はよっ…」
「ううっ…お…はっ…よっ…」
そんな二人が可愛くて、リーンは二人を抱き寄せた。
ジーンとユーリは、今まで我慢してきたのか、泣き出してしまった。
…どうしよう…。
そんな事を思っていると、ルークも身体を起こして、背後からリーンと二人の子供達を抱き締めてくる。
「二人とも、そろそろ朝食の時間だぞ。食堂にリーンの分もたのんで来てくれ」
二人はハッとして、自分達の仕事を思い出したようだ。
「行ってくる!」
「待ってよジーン!」
涙を拭いながら、ジーンとユーリは執務室を出ていった。
「…あれは?」
リーンが不思議そうに聞くと、ルークが答えてくれた。
「学校が休みの間、ここに来て手伝いをすると言って、朝は朝食を隣の宿舎の食堂から執務室に持ってくる、なんだ。後は、役所の部屋案内や話し相手をしてくれている」
…お手伝い…。
ジーンもユーリも、そんな歳になっているんだな…。
「明日から学校だから、夕方には王都に戻る。しばらくは、離れないだろうから、たくさん抱き締めてあげてくれ…」
「うん。わかった」
休みのたびにここに来て、側にいてくれたんだ。
…寂しい思いも、たくさんさせた分、抱き締めて触れてあげよう。
「戻ってくるまでの間、俺も補充させてくれ」
そう言ってルークは背後からリーンを抱き締め、首筋に口付ける。
「んっ…」
どうしよう…ゾクゾクしてくる…。
ルークの匂いと…体温と…。
ルークの手が、服の上からリーンの胸の突起に触れてくる。
「…んっ…あっ…ダメ…だって…」
そんな触り方をされると、久し振りだから勃っちゃうって…。
「…んっ…ルーク…」
子供達が…戻ってきてしまう…。
…でも、触られて…ゾクゾクするのが…気持ちよくて…。
廊下をバタバタと歩く音が聞こえてきて、リーンは頬を染め、慌ててルークの手を胸から離した。
ジーンが魔法で浮かせたワゴン台に、三人分の朝食を乗せて戻ってきた。
「リーンの分は消化の良い、朝食にするって言ってた」
ユーリが一緒に戻ってこなかったから、きっとユーリが持ってくるのだろう。
ジーンはなれた手付きで、テーブルの上の書類をサイドテーブルに重ねて置いて、朝食の入ったトレイをテーブルに置いた。
トーストにサラダ、ベーコンと卵焼き、スープ。
そしてもう一つ、飲み物の入ったボトルとコップを置いた。
こんな風に朝食を取るのも楽しいかもしれない。
ルークの屋敷では、食堂に集まって食事をしていた。
子供達と少しでも一緒にいられる時間を作るため、ルークが、きっとこうして朝食の時間と手伝いを作ったのかもしれない。
リーンは微笑ましかった。
そこへ、ユーリが魔法で浮かせたワゴンをもう一つ持ってきて、リーンの前に置いた。
とろみの有る野菜スープとドロッとしたお粥。
病人食だね…。
…まあしばらく眠っていて、食べていないから仕方ないけど…。
ルークがリーンの後ろから離れると、ジーンとユーリがリーンの両サイドに座り、自分の分のトレイを引き寄せた。
何をするのかと見ていると、ジーンがリーンの分のお粥をスプーンで救い取り、リーンの目の前に持ってきた。
「はい」
リーンは、ルークをチラリとみると、頷いたのでそのまま付き合うことにした。
リーンが口を開けると、ジーンは震えながらリーンの口にスプーンを入れ、リーンはそれを食した。
ジーンはスプーンを引出し、じっとリーンを見ている。
「美味しいよ」
食べ終わりリーンがそう答えると、ジーンはニッコリと微笑んだ。
…うちの子可愛い…。
親バカかもしれないが、そう思ってしまった。
「次は私の番!」
そう言って今度は、ユーリが野菜スープをスプーンに乗せて運んでくる。
リーンは再び口を開け、食べさせてもらう。
その間に、ジーンは自分の朝食を食べていた。
…なるほど、交互にすれば自分達も食事が出きる。
リーンは子供達に世話をされると言う事を楽しんだ。
…そうだ。
昨日、目が覚めて、ルークと一緒にここで眠ったんだ…。
リーンは温もりから離れがたくて、ルークの上で微睡んでいた。
ルークも目を覚ましたのか、リーンの髪に触れ撫で始めた。
互いに起きるのが、もったいなくて、微睡んでいると、寝室の扉が勢いよく開いた。
「お父様!」
「…リーンが居ない!!」
ジーンのユーリが執務室に駆け込んできた。
「…。」
二人の時間はここまでみたいだ。
駆け寄ってくるジーンとユーリがソファーに近付き、リーンに気が付いて、しがみついてきた。
「「リーン!!」」
リーンは身体を起こし、二人の頭を撫でて微笑んだ。
「おはよう。ジーン、ユーリ」
顔を上げた二人は、涙で顔をぐちゃぐちゃに濡らして返事してきた。
「…おっ…はよっ…」
「ううっ…お…はっ…よっ…」
そんな二人が可愛くて、リーンは二人を抱き寄せた。
ジーンとユーリは、今まで我慢してきたのか、泣き出してしまった。
…どうしよう…。
そんな事を思っていると、ルークも身体を起こして、背後からリーンと二人の子供達を抱き締めてくる。
「二人とも、そろそろ朝食の時間だぞ。食堂にリーンの分もたのんで来てくれ」
二人はハッとして、自分達の仕事を思い出したようだ。
「行ってくる!」
「待ってよジーン!」
涙を拭いながら、ジーンとユーリは執務室を出ていった。
「…あれは?」
リーンが不思議そうに聞くと、ルークが答えてくれた。
「学校が休みの間、ここに来て手伝いをすると言って、朝は朝食を隣の宿舎の食堂から執務室に持ってくる、なんだ。後は、役所の部屋案内や話し相手をしてくれている」
…お手伝い…。
ジーンもユーリも、そんな歳になっているんだな…。
「明日から学校だから、夕方には王都に戻る。しばらくは、離れないだろうから、たくさん抱き締めてあげてくれ…」
「うん。わかった」
休みのたびにここに来て、側にいてくれたんだ。
…寂しい思いも、たくさんさせた分、抱き締めて触れてあげよう。
「戻ってくるまでの間、俺も補充させてくれ」
そう言ってルークは背後からリーンを抱き締め、首筋に口付ける。
「んっ…」
どうしよう…ゾクゾクしてくる…。
ルークの匂いと…体温と…。
ルークの手が、服の上からリーンの胸の突起に触れてくる。
「…んっ…あっ…ダメ…だって…」
そんな触り方をされると、久し振りだから勃っちゃうって…。
「…んっ…ルーク…」
子供達が…戻ってきてしまう…。
…でも、触られて…ゾクゾクするのが…気持ちよくて…。
廊下をバタバタと歩く音が聞こえてきて、リーンは頬を染め、慌ててルークの手を胸から離した。
ジーンが魔法で浮かせたワゴン台に、三人分の朝食を乗せて戻ってきた。
「リーンの分は消化の良い、朝食にするって言ってた」
ユーリが一緒に戻ってこなかったから、きっとユーリが持ってくるのだろう。
ジーンはなれた手付きで、テーブルの上の書類をサイドテーブルに重ねて置いて、朝食の入ったトレイをテーブルに置いた。
トーストにサラダ、ベーコンと卵焼き、スープ。
そしてもう一つ、飲み物の入ったボトルとコップを置いた。
こんな風に朝食を取るのも楽しいかもしれない。
ルークの屋敷では、食堂に集まって食事をしていた。
子供達と少しでも一緒にいられる時間を作るため、ルークが、きっとこうして朝食の時間と手伝いを作ったのかもしれない。
リーンは微笑ましかった。
そこへ、ユーリが魔法で浮かせたワゴンをもう一つ持ってきて、リーンの前に置いた。
とろみの有る野菜スープとドロッとしたお粥。
病人食だね…。
…まあしばらく眠っていて、食べていないから仕方ないけど…。
ルークがリーンの後ろから離れると、ジーンとユーリがリーンの両サイドに座り、自分の分のトレイを引き寄せた。
何をするのかと見ていると、ジーンがリーンの分のお粥をスプーンで救い取り、リーンの目の前に持ってきた。
「はい」
リーンは、ルークをチラリとみると、頷いたのでそのまま付き合うことにした。
リーンが口を開けると、ジーンは震えながらリーンの口にスプーンを入れ、リーンはそれを食した。
ジーンはスプーンを引出し、じっとリーンを見ている。
「美味しいよ」
食べ終わりリーンがそう答えると、ジーンはニッコリと微笑んだ。
…うちの子可愛い…。
親バカかもしれないが、そう思ってしまった。
「次は私の番!」
そう言って今度は、ユーリが野菜スープをスプーンに乗せて運んでくる。
リーンは再び口を開け、食べさせてもらう。
その間に、ジーンは自分の朝食を食べていた。
…なるほど、交互にすれば自分達も食事が出きる。
リーンは子供達に世話をされると言う事を楽しんだ。
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