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神の宿り木~再生~
目覚めの夜 *
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リーンの意識が、浮上した。
…『記憶の図書館』から、自分の記憶の中から、目覚める時の浮遊感…。
…光が小さくになっていく…。
それと同時に、温もりが身体を包んだ。
暖かい…。
リーンはその温もりに身を委ねて、目を閉じた。
意識が戻り、リーンはゆっくりと目を開けた。
薄暗い部屋…。
見覚えの有る天井…。
…ここは…。
両脇に有る温もりに気が付き、見るとジーンとユーリが身体をぴったりとくっつけて眠っている。
…あの温もりは、ジーンとユーリだったんだ…。
リーンは微笑んで、二人の頭をそっと撫でてあげる。
二人を起こさないように、そっとベットから抜け出て降り、立とうとして足に力が入らず、ベットの横に座り込んでしまった。
足に…膝に…力が入らない…。
…どれだけ、眠っていたんだ…。
すると、部屋の扉が開いた。
「どうし…」
扉の方を見上げると、ルークが目を見開き、こちらを凝視して、声を詰まらせた。
「…リーン…」
ルークが近付いてきて膝を付き、リーンを抱き締めてくる。
…ルーク…。
「…ルーク…ただいま…」
「…お帰り…リーン…」
リーンがしばらくルークの温もりを堪能すると、ルークがリーンを両腕に抱き上げて、隣の部屋へ…執務室へと運んでいった。
執務室には誰も居らず、テーブルに書類が整頓して置かれていた。
夜遅くまで、仕事をしていたのだろう…。
リーンはソファーに降ろされ、ルークが隣に座った。
互いに見つめあい、額をコツンとくっつける。
「…目覚めないかと…不安だった…」
「…ごめん。…ルークが…呼ぶ声…聞こえていたよ…」
リーンがそう言うと、ルークの両手がリーンの頬に触れ、唇が触れた。
ついばむような口付け…。
「…お帰り…リーン…」
ルークは再びそう言って、確かめるように濃厚な口付けを始めた。
「ふっ…んっ…」
ルークとこうやって触れるのが気持ちいい…。
蕩けるような、気持ち良さ…。
ルークの腕がリーンの腰を捕み、ルークがソファーの上に寝転がって、ルークの身体の上にリーンが乗り上がった。
狭いソファーの上で足を絡め合って、ルークの身体の上に抱き上げられていた。
「ふふっ…」
リーンは微笑んだ。
ルークとこうやって、触れていると落ち着く…。
…過去の『私』には、こうやって、帰る場所は無かった…。
側で支えてくれる者はいなかった。
リーンはルークの身体に顔を擦り付けた。
…ルークの匂い…。
「…あんまり俺を煽るな…」
ルークがぼそりと言う。
「…目覚めたばっかりで、無理させるわけにはいかないと、自制しているんだ…」
リーンは最初、何の事だか分からずキョトンとして、そして頬を染めた。
そんなルークが好きだ…。
リーンは自ら、ルークの唇に口付けた。
「…好き…」
そう言って、ルークの身体の上で微睡んだ。
ルークはソファーに掛けてあった、仮眠用の毛布を引っ張ってきて、リーンに掛けるとリーンの髪を撫で始めた。
…心地良い…。
ルークの温かい体温が伝わってきて、冷えきっていたリーンの身体が暖まっていく。
ゆっくりとその温もりに身を委ねて、リーンは再び眠りについた。
…今度は普通の眠り…。
明日、目覚める眠り…。
…『記憶の図書館』から、自分の記憶の中から、目覚める時の浮遊感…。
…光が小さくになっていく…。
それと同時に、温もりが身体を包んだ。
暖かい…。
リーンはその温もりに身を委ねて、目を閉じた。
意識が戻り、リーンはゆっくりと目を開けた。
薄暗い部屋…。
見覚えの有る天井…。
…ここは…。
両脇に有る温もりに気が付き、見るとジーンとユーリが身体をぴったりとくっつけて眠っている。
…あの温もりは、ジーンとユーリだったんだ…。
リーンは微笑んで、二人の頭をそっと撫でてあげる。
二人を起こさないように、そっとベットから抜け出て降り、立とうとして足に力が入らず、ベットの横に座り込んでしまった。
足に…膝に…力が入らない…。
…どれだけ、眠っていたんだ…。
すると、部屋の扉が開いた。
「どうし…」
扉の方を見上げると、ルークが目を見開き、こちらを凝視して、声を詰まらせた。
「…リーン…」
ルークが近付いてきて膝を付き、リーンを抱き締めてくる。
…ルーク…。
「…ルーク…ただいま…」
「…お帰り…リーン…」
リーンがしばらくルークの温もりを堪能すると、ルークがリーンを両腕に抱き上げて、隣の部屋へ…執務室へと運んでいった。
執務室には誰も居らず、テーブルに書類が整頓して置かれていた。
夜遅くまで、仕事をしていたのだろう…。
リーンはソファーに降ろされ、ルークが隣に座った。
互いに見つめあい、額をコツンとくっつける。
「…目覚めないかと…不安だった…」
「…ごめん。…ルークが…呼ぶ声…聞こえていたよ…」
リーンがそう言うと、ルークの両手がリーンの頬に触れ、唇が触れた。
ついばむような口付け…。
「…お帰り…リーン…」
ルークは再びそう言って、確かめるように濃厚な口付けを始めた。
「ふっ…んっ…」
ルークとこうやって触れるのが気持ちいい…。
蕩けるような、気持ち良さ…。
ルークの腕がリーンの腰を捕み、ルークがソファーの上に寝転がって、ルークの身体の上にリーンが乗り上がった。
狭いソファーの上で足を絡め合って、ルークの身体の上に抱き上げられていた。
「ふふっ…」
リーンは微笑んだ。
ルークとこうやって、触れていると落ち着く…。
…過去の『私』には、こうやって、帰る場所は無かった…。
側で支えてくれる者はいなかった。
リーンはルークの身体に顔を擦り付けた。
…ルークの匂い…。
「…あんまり俺を煽るな…」
ルークがぼそりと言う。
「…目覚めたばっかりで、無理させるわけにはいかないと、自制しているんだ…」
リーンは最初、何の事だか分からずキョトンとして、そして頬を染めた。
そんなルークが好きだ…。
リーンは自ら、ルークの唇に口付けた。
「…好き…」
そう言って、ルークの身体の上で微睡んだ。
ルークはソファーに掛けてあった、仮眠用の毛布を引っ張ってきて、リーンに掛けるとリーンの髪を撫で始めた。
…心地良い…。
ルークの温かい体温が伝わってきて、冷えきっていたリーンの身体が暖まっていく。
ゆっくりとその温もりに身を委ねて、リーンは再び眠りについた。
…今度は普通の眠り…。
明日、目覚める眠り…。
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