神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

文字の大きさ
上 下
171 / 462
神の宿り木

新たなメンバー

しおりを挟む
 山小屋『オメガ』を転移して、二日が過ぎていた。
 ベッドから出てこれるようになったスーサーに地下水の様子を見てもらった。
「…あきらかに、今までの場所と違う。水量が増えていない」
「…やはり、そうなんだね…」
 山には雨が降り、その雨水が地中を通って浄化されながら、地下に集まっていく。
 それが、一ヶ所に集まったとき、地下水となる。
 なので、山に雨が降っているのに、地下水が増加していないのはおかしいのだ。
 それもココはリムナード山の水脈の一つ。
 …やはり、あの山肌が関係している…。
「スーサーは、ココに残る?」
「…そうします。…風を纏えない…」
 山小屋なら安全だ。
 それに、スーサーには、地下水の変動を監視してもらう役目がある。
 急激に変化しないかが、心配だからだ。
 ダグラスはまだ、動けない。
 どうも纏う風を止めると、呼吸困難になってしまうみたいで、魔方陣での移動が可能になったら、ココから離れた山小屋に移動してもらうことになった。
 ずっと纏っていると、それだけ魔力を消費するし、体力も奪われていく。
 ダグラスはココでリタイアだ。


 リムナード山に向かう新たなメンバーは、ヒイロとリーン、セス、アレクは行けるところまで、付いていく。と、言うのでアレクと、本部からやって来た、ルークの側近アオと、ジェスだった。
「本当はルーク様が、行くと言って、聞かなかったのですが、あの方を今、リオナスの町から連れてくる訳にいかず、我々が来ることになりました」
 ルークの側近のジェスは風を扱う。
 でも、アオは確か水…。
「俺がいるのが不思議なんでしょう」
 アオはニッコリと笑ってリーンに言う。
「水を纏えるようになりました。…と、言っても、空気中に有る水分を周囲に張り巡らせて防御する。水泡の応用です。どこまで通用するか分かりませんが、付いていきます」
 …水泡の応用。
 水泡はもともと、水中内を移動するために使う空気の玉。
 ソレを身に纏う為に…天水球の空気中の水分を集めて水の玉を作る、その応用とを組み合わせたのか?!
「…良く考えたな…」
 リーンが感心すると、セスが興味を持って聞いてくる。
「ソレって、水が扱えないと出来ないのか?」
「…出来ないことはないが、まずは水球作りから、…だったよね」
 そう言ってアオがリーンを見てくる。
「そうだね」
 リーンは、アオやジェス達に水球の作り方を教えていた頃を思い出し、クスッと笑う。
「て、事は、僕も出来るようになる?」
 そう言って、アレクも話しに参戦してくる。
「水を纏うより、まずは水球から」
 リーンがそう言うと、ヒイロがため息を付いて言う。
「それは帰ってきてから、訓練だ!」
「そうだね」
 リーンが微笑むと、アレクとセスは首をすくめた。
「今日は準備を整えて、明日、出発するぞ」
「「はい!」」
 明日、再び、リムナード山に向かう…。
 


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。 一途なシオンと、皇帝のお話。 ※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

当て馬的ライバル役がメインヒーローに喰われる話

屑籠
BL
 サルヴァラ王国の公爵家に生まれたギルバート・ロードウィーグ。  彼は、物語のそう、悪役というか、小悪党のような性格をしている。  そんな彼と、彼を溺愛する、物語のヒーローみたいにキラキラ輝いている平民、アルベルト・グラーツのお話。  さらっと読めるようなそんな感じの短編です。

処理中です...