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滅び行く大地
小さな冒険 4 ~おやすみなさい~
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ジーンとユーリ、ルナは積み木を片付け、チイの作った夕食を食べ、順番にお風呂にも入った。
ジーンとユーリの着替えは、ルークに連絡を取って、転送してもらった。
こういう時は、便利よね…。
チイは、初めてリーンがルークを連れてきた日に、ルークとの連絡用の通信網を繋げた。
ソレを使えば話が出きるし、ちょっとした手紙や書類を転送する事も出来る。
まさか、着替えを転送してもらう事になるとは思わなかったけれど。
ルークの仕事はまだ、終わらないらしい。
今、獣人の町グオルクと、人族のカザンナ王国を繋ぐ道を作ろうと、ヒイロの補佐官、ホムラと検討しているのは知っている。
ソレを巡って、王国内でも議論や道をどうするかの話し合いが続いていると言う。
…獣人族も人族も、基本的な暮らしは変わらないんだけどね…。
チイの生まれは人族の中だった。
両親共に獣人族で、人族に紛れて暮らしていて、耳と尻尾を魔力で、消せるようになると、人族の中で暮らし、人族の友だちもいた。
街中には、獣人族を積極的に雇用してくれるリマ商会があり、その中心となっていたのが、ヒイロの親友で、私の元上司レギだった。
…そうだね。
レギさんに話をすれば、リマ商会の関係者が動いてくれるかも…。
後で、ルークに話してみるか…。
チイはそんな事を思いながら、遊び疲れて、ウトウトとし始めたルナをソファーに寝かせた。
ルナも楽しかったみたいだ。
「…寝ちゃったね…」
「寝顔、かわいい…」
そう言って、ジーンとユーリがルナの寝顔を、覗きに来る。
「あなた達は眠くないの?」
「うん」
「眠くない」
…いつも夜更かしをしているのでは無いわよね…。
「…お父様が帰ってくるまで、起きてるの」
「おやすみなさい、してから眠るの…」
ジーンとユーリはそう言って笑う。
罪な人ね…。
「だったら、早く帰ってきて欲しいわね…」
「うん。…たまに、おやすみなさい、出来ない時もある…」
「今日も、…出来るかな…」
そう言って、ジーンが欠伸する。
…そう言えば、キリトはどうしているのだろう。
二人の守役として、いつも側にいた筈なのに…。
「…キリトは、どうしているの?」
「…お城にいる」
ユーリが、寂しそうにうつ向いてぽそりと言う。
「お城?」
「もうすぐ、王都の小等科に通うから、お城に有る、お父様のお屋敷から通うの…。それで、先に行ってしまって…」
それで、居ないのね…。
先に屋敷に入って、下調べや場所の把握、子供達が通うようになったとき、都合の良いように、段取りを組んでいるのだろう。
いつも一緒にいた、キリトがいないのが、よほど寂しいのだろうか。
ユーリは思い出して、しょんぼりしている。
「…寂しいね」
ユーリは、こくんと頷く。
すると、ガチャリと扉が開き、ルークがやって来た。
「…お父様」
ユーリがルークに抱きつく。
「うん?どうした?」
ルークはユーリの頭を撫でてあげている。
そして、チイの方を向いて、微笑んだ。
「悪かったな…。風呂まで入れてもらって…」
「良いのよ。ルナも楽しそうだったし」
ルークはソファーに座って、うつらうつらと頭を揺らすジーンの元に行く。
「ジーン。起きてるか?」
「…んっ…おとう…さま…」
そう言って、ルークの腕の中に倒れてきて、寝息を立て始めた。
「…眠ったな…」
ルークはジーンを抱き上げて、ユーリを見る。
「ユーリはまだ、眠くないか?」
「うん。まだ、大丈夫…」
ユーリは目を擦りながら、そう言って、ルークの足にしがみつく。
ルークは苦笑いして、チイに向き直る。
「…なるべく早く、帰ってきてあげなさいよ」
「ああ。そのつもりなんだがな…」
「キリトもいないから、寂しがってたわよ」
ルークは苦笑いしている。
大変なのは分かっている。
でも、言っておきたかった。
「おやすみなさい、をしてから眠るって言ってたわよ。せめて、その時間くらい、側にいてあげなさい!!」
「…そうする…」
ルークは、バツが悪そうに、首をすくめる。
「…お休み」
ルークはそう言って、二人を連れて姿を消した。
直接、子供達の部屋に戻ったのだろう。
ココに来るには、リーンの魔方陣が必要だが、帰るのは、部屋にマーキングしてあるので、直接帰れる。
「…魔力の無駄使いよね…」
でも、ソレが出来るくらい、ルークの魔力は膨大だ。
そしてソレを制御している…。
リーンの魔力の番。
「…さぁ、ルナもベッドで寝ましょうね…」
チイはルナを抱き上げて、寝室に向かった。
ジーンとユーリの着替えは、ルークに連絡を取って、転送してもらった。
こういう時は、便利よね…。
チイは、初めてリーンがルークを連れてきた日に、ルークとの連絡用の通信網を繋げた。
ソレを使えば話が出きるし、ちょっとした手紙や書類を転送する事も出来る。
まさか、着替えを転送してもらう事になるとは思わなかったけれど。
ルークの仕事はまだ、終わらないらしい。
今、獣人の町グオルクと、人族のカザンナ王国を繋ぐ道を作ろうと、ヒイロの補佐官、ホムラと検討しているのは知っている。
ソレを巡って、王国内でも議論や道をどうするかの話し合いが続いていると言う。
…獣人族も人族も、基本的な暮らしは変わらないんだけどね…。
チイの生まれは人族の中だった。
両親共に獣人族で、人族に紛れて暮らしていて、耳と尻尾を魔力で、消せるようになると、人族の中で暮らし、人族の友だちもいた。
街中には、獣人族を積極的に雇用してくれるリマ商会があり、その中心となっていたのが、ヒイロの親友で、私の元上司レギだった。
…そうだね。
レギさんに話をすれば、リマ商会の関係者が動いてくれるかも…。
後で、ルークに話してみるか…。
チイはそんな事を思いながら、遊び疲れて、ウトウトとし始めたルナをソファーに寝かせた。
ルナも楽しかったみたいだ。
「…寝ちゃったね…」
「寝顔、かわいい…」
そう言って、ジーンとユーリがルナの寝顔を、覗きに来る。
「あなた達は眠くないの?」
「うん」
「眠くない」
…いつも夜更かしをしているのでは無いわよね…。
「…お父様が帰ってくるまで、起きてるの」
「おやすみなさい、してから眠るの…」
ジーンとユーリはそう言って笑う。
罪な人ね…。
「だったら、早く帰ってきて欲しいわね…」
「うん。…たまに、おやすみなさい、出来ない時もある…」
「今日も、…出来るかな…」
そう言って、ジーンが欠伸する。
…そう言えば、キリトはどうしているのだろう。
二人の守役として、いつも側にいた筈なのに…。
「…キリトは、どうしているの?」
「…お城にいる」
ユーリが、寂しそうにうつ向いてぽそりと言う。
「お城?」
「もうすぐ、王都の小等科に通うから、お城に有る、お父様のお屋敷から通うの…。それで、先に行ってしまって…」
それで、居ないのね…。
先に屋敷に入って、下調べや場所の把握、子供達が通うようになったとき、都合の良いように、段取りを組んでいるのだろう。
いつも一緒にいた、キリトがいないのが、よほど寂しいのだろうか。
ユーリは思い出して、しょんぼりしている。
「…寂しいね」
ユーリは、こくんと頷く。
すると、ガチャリと扉が開き、ルークがやって来た。
「…お父様」
ユーリがルークに抱きつく。
「うん?どうした?」
ルークはユーリの頭を撫でてあげている。
そして、チイの方を向いて、微笑んだ。
「悪かったな…。風呂まで入れてもらって…」
「良いのよ。ルナも楽しそうだったし」
ルークはソファーに座って、うつらうつらと頭を揺らすジーンの元に行く。
「ジーン。起きてるか?」
「…んっ…おとう…さま…」
そう言って、ルークの腕の中に倒れてきて、寝息を立て始めた。
「…眠ったな…」
ルークはジーンを抱き上げて、ユーリを見る。
「ユーリはまだ、眠くないか?」
「うん。まだ、大丈夫…」
ユーリは目を擦りながら、そう言って、ルークの足にしがみつく。
ルークは苦笑いして、チイに向き直る。
「…なるべく早く、帰ってきてあげなさいよ」
「ああ。そのつもりなんだがな…」
「キリトもいないから、寂しがってたわよ」
ルークは苦笑いしている。
大変なのは分かっている。
でも、言っておきたかった。
「おやすみなさい、をしてから眠るって言ってたわよ。せめて、その時間くらい、側にいてあげなさい!!」
「…そうする…」
ルークは、バツが悪そうに、首をすくめる。
「…お休み」
ルークはそう言って、二人を連れて姿を消した。
直接、子供達の部屋に戻ったのだろう。
ココに来るには、リーンの魔方陣が必要だが、帰るのは、部屋にマーキングしてあるので、直接帰れる。
「…魔力の無駄使いよね…」
でも、ソレが出来るくらい、ルークの魔力は膨大だ。
そしてソレを制御している…。
リーンの魔力の番。
「…さぁ、ルナもベッドで寝ましょうね…」
チイはルナを抱き上げて、寝室に向かった。
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