154 / 462
滅び行く大地
転移魔法
しおりを挟む
夜明けと共に、リーンとセス、アレク、スーサーが転移魔法を発動させた。
ダグラスがならした平地に、魔方陣が写し出され、強い光を放つ。
そして、いままで何もなかった場所に、突如、山小屋が出現した。
グオルクの本部周辺に作った、山小屋だ。
魔方陣の光が収まると、ダグラスはすぐさま、支障が無いか確認を始めた。
山小屋の歪みや破損が無いかを確認し終えると、扉を開けて、ダグラスは小屋の中から杭とハンマーを取り出し、山小屋を固定し始めた。
このままでは、風や地震などで、山小屋が動いてしまうからだ。
リーンとスーサーは、山小屋と一緒に運ばれた食料や物資の確認を始め、セスとヒイロは、山小屋内に取り付けてある通信用の鏡を起動させ、本部へ転移完了の報告と、現在の状況を報告し始めた。
アレクは、始めて大きい魔法を使い、その場に座り込んで、動けないでいた。
「…何で皆、…そんなに…普通なわけ?」
「…経験の差、だと思うよ」
リーンは苦笑いして、アレクに手を貸してあげ、アレクはふらふらと歩いて山小屋の中に移動した。
「数日間はココで魔力回復と、この湖周辺の状況を把握するために滞在するから安心して」
「…助かった。…しばらくベッドで寝れる」
アレクはベッドが恋しかったらしい。
夜営や野宿をの経験があまり無い、アレクには待ちに待った山小屋のベッドなのだろう。
多分、普段のベッドよりも固いだろうけれど…。
一通りの作業が終えると六人は、ダイニングでテーブルを囲むように椅子に座った。
「行動するときは、必ず二人で移動すること。日没までに小屋に戻って、夕食の後、各自の報告をする事。取りあえずは、それくらいは決めておこう」
ヒイロが皆の顔を見て、確認しあった。
「その方が良いね。日没までに帰れるくらいの距離なら、行動範囲が広がる」
「後は、だいたいの地図みたいなものでも描ければ、湖の傾向が分かるのだが」
湖の何処に川があり、どっちの山に繋がっているかを描き込んでいけば、後で確認したり、他の作業をするにも便利だろう。
「はい!」
さっきまでは、ぐったりとしていたアレクが手を上げる。
「僕、絵を描くの好きだから、任せてもらって良いかな。まずは上空から湖周辺を見て、川の道筋とか形とか、書き込むよ」
自分の役割が明確になって、アレクは元気を取り戻していた。
「それは良いですね。そこに実際見てきた我々が細かく書き込んで行く」
セスがそう言うと、スーサーが、
「同じものをもう一枚、描いてくれるかな。私は地中を探って、地下水がどの辺に流れているのか探って見ます」
「良いよ。何枚でも描く!」
アレクは嬉しそうに、微笑んだ。
「そうだな。それを最終的に、一枚に書き込んで行くと、何か見えてくるかも知れないな…」
ヒイロがそう言うと、アレクが待てないかのように、セスに話しかけた。
「セスさん。通信魔法で僕の家と繋いでくれる?紙とかペンとか道具が必要なんだ」
「分かりました。でも、転送用の魔法は自分で繋いで下さいね」
「やっぱり。…頑張ります」
アレクは苦笑いして、必要なものをメモり始めた。
ダグラスがならした平地に、魔方陣が写し出され、強い光を放つ。
そして、いままで何もなかった場所に、突如、山小屋が出現した。
グオルクの本部周辺に作った、山小屋だ。
魔方陣の光が収まると、ダグラスはすぐさま、支障が無いか確認を始めた。
山小屋の歪みや破損が無いかを確認し終えると、扉を開けて、ダグラスは小屋の中から杭とハンマーを取り出し、山小屋を固定し始めた。
このままでは、風や地震などで、山小屋が動いてしまうからだ。
リーンとスーサーは、山小屋と一緒に運ばれた食料や物資の確認を始め、セスとヒイロは、山小屋内に取り付けてある通信用の鏡を起動させ、本部へ転移完了の報告と、現在の状況を報告し始めた。
アレクは、始めて大きい魔法を使い、その場に座り込んで、動けないでいた。
「…何で皆、…そんなに…普通なわけ?」
「…経験の差、だと思うよ」
リーンは苦笑いして、アレクに手を貸してあげ、アレクはふらふらと歩いて山小屋の中に移動した。
「数日間はココで魔力回復と、この湖周辺の状況を把握するために滞在するから安心して」
「…助かった。…しばらくベッドで寝れる」
アレクはベッドが恋しかったらしい。
夜営や野宿をの経験があまり無い、アレクには待ちに待った山小屋のベッドなのだろう。
多分、普段のベッドよりも固いだろうけれど…。
一通りの作業が終えると六人は、ダイニングでテーブルを囲むように椅子に座った。
「行動するときは、必ず二人で移動すること。日没までに小屋に戻って、夕食の後、各自の報告をする事。取りあえずは、それくらいは決めておこう」
ヒイロが皆の顔を見て、確認しあった。
「その方が良いね。日没までに帰れるくらいの距離なら、行動範囲が広がる」
「後は、だいたいの地図みたいなものでも描ければ、湖の傾向が分かるのだが」
湖の何処に川があり、どっちの山に繋がっているかを描き込んでいけば、後で確認したり、他の作業をするにも便利だろう。
「はい!」
さっきまでは、ぐったりとしていたアレクが手を上げる。
「僕、絵を描くの好きだから、任せてもらって良いかな。まずは上空から湖周辺を見て、川の道筋とか形とか、書き込むよ」
自分の役割が明確になって、アレクは元気を取り戻していた。
「それは良いですね。そこに実際見てきた我々が細かく書き込んで行く」
セスがそう言うと、スーサーが、
「同じものをもう一枚、描いてくれるかな。私は地中を探って、地下水がどの辺に流れているのか探って見ます」
「良いよ。何枚でも描く!」
アレクは嬉しそうに、微笑んだ。
「そうだな。それを最終的に、一枚に書き込んで行くと、何か見えてくるかも知れないな…」
ヒイロがそう言うと、アレクが待てないかのように、セスに話しかけた。
「セスさん。通信魔法で僕の家と繋いでくれる?紙とかペンとか道具が必要なんだ」
「分かりました。でも、転送用の魔法は自分で繋いで下さいね」
「やっぱり。…頑張ります」
アレクは苦笑いして、必要なものをメモり始めた。
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…

皇帝に追放された騎士団長の試される忠義
大田ネクロマンサー
BL
若干24歳の若き皇帝が統治するベリニア帝国。『金獅子の双腕』の称号で騎士団長兼、宰相を務める皇帝の側近、レシオン・ド・ミゼル(レジー/ミゼル卿)が突如として国外追放を言い渡される。
帝国中に慕われていた金獅子の双腕に下された理不尽な断罪に、国民は様々な憶測を立てる。ーー金獅子の双腕の叔父に婚約破棄された皇紀リベリオが虎視眈々と復讐の機会を狙っていたのではないか?
国民の憶測に無言で帝国を去るレシオン・ド・ミゼル。船で知り合った少年ミオに懐かれ、なんとか不毛の大地で生きていくレジーだったが……彼には誰にも知られたくない秘密があった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる