153 / 462
滅び行く大地
調査隊
しおりを挟む
水源の様子がおかしくなり始め、まだ、誰も行ったことの無い、未知の森に入る事になった。
調査隊の本部は、獣人の住むグオルク近くの、屋敷の廃屋を手直しして準備を行い、その周辺の、かつて作物を育てていただろう荒れ地を整え、転移用の山小屋をいくつも作っていた。
山小屋作りは、熊族の大工達が協力してくれ、間伐材や解体する家の、使えそうな木材を持ってきてくれた。
近くに、誰も住まない廃屋がいくつも点在しており、町で確認を取って、主が居なければ解体して材料に、主がいて解体しても良いと言えば、手続きをヒイロがして、山小屋の材料にしていった。
どれだけ必要になるか分からないのだ。
取りあえずは、急ぎで三棟、作ってもらっていた。
小屋の中は、二部屋。
寝室に、無理やり二段ベッドを三つ置き、ダイニングに簡単なキッチンとテーブルと椅子、ソファーを置いた。
それとシャワールームが一つ。
転送前に、食料や水など必要物資を詰め込む予定だ。
水源に近いところへ行く道があれば良いが、分からないので、取りあえずは川沿いに進んでいく予定だ。
調査隊チームは、リーダーに豹族のヒイロ。
森の管理者としてリーン。
上空から偵察してもらう、有翼族の金髪の少年アレク。
道を切り開き、転送用の平地を確保する、熊族の黒髪のダグラス。
通信用や転送用の魔方陣を扱う、有翼族と獣人族のハーフ、茶髪セス。
大地と水の様子を探る、魚人族と獣人族のハーフの、深い紺色の髪のスーサー。
最小限の六人チームだ。
まずは水源に向かって進み、一つ目の拠点を作る。
そこから、転移魔法で行き来できるようにして、次の拠点を作る。
それの繰り返しだ。
だから、時間のかかる作業になる。
…それでも…未来の事を考えて、協力者が募った。
もうすぐ、果てしない旅が始まる。
家族にしばらくの別れを告げて、六人は森に入っていった。
カザンナ王国とギザ王国の間を別ける川に向かい、カザンナ王国側から川沿いを登り始めた。
各自、高位能力者ばかりなので、崖や谷を難なく通り過ぎていく。
時折アレクが上空から見て、行く手に滝があるとか崖が有るとか教えてくれるので、前に進むことに集中していた。
リーンは道中、見たことの無い植物を見つけると、採取し、ポイントの目印を付けて、前に進んだ。
夜営の準備をダグラスがしている間に、ヒイロとセスが狩りに出て、小動物を捕まえてきて、食料にした。
スーサーとアレクとリーンは、キノコや木の実を採取したり、薪拾いをしていた。
料理は、思いの外ダグラスが得意だった。
…良かった。
まともな料理が食べれる。
そんな事を思いながら、食事にありついた。
五日ほどそんな生活をして、進んで行くと、水源が途切れた。
大きな湖にぶち当たってしまったのだ。
湖に集まった水が流れ出て、カザンナ王国とギザ王国の間を流れる川になっていたのだ。
では、この湖に集まる水はどこから集まっているのか。
それは、あちらこちらの山から流れ込み、湖を作っている。
だとなると、その流れを一つ一つ追っていって、水源を確認していくしかない。
一回目の調査は、ココまでのようだ。
ダグラスは、転移用の山小屋を設置できる場所を探し、湖よりも少し高台に有る平地を見つけ出した。
そして、セスが本部とやり取りして、明日には向こうの転移魔法の準備ができる。
こちらは、リーンとセス、アレク、スーサーが転移魔法の準備を始めた。
ダグラスがならした平地に、魔方陣を写し出し、支障が無いか確認する。
夜明けと共に、転移魔法で山小屋を転移して来る。
それが、リーンの旅の終わりの合図でもあった。
調査隊の本部は、獣人の住むグオルク近くの、屋敷の廃屋を手直しして準備を行い、その周辺の、かつて作物を育てていただろう荒れ地を整え、転移用の山小屋をいくつも作っていた。
山小屋作りは、熊族の大工達が協力してくれ、間伐材や解体する家の、使えそうな木材を持ってきてくれた。
近くに、誰も住まない廃屋がいくつも点在しており、町で確認を取って、主が居なければ解体して材料に、主がいて解体しても良いと言えば、手続きをヒイロがして、山小屋の材料にしていった。
どれだけ必要になるか分からないのだ。
取りあえずは、急ぎで三棟、作ってもらっていた。
小屋の中は、二部屋。
寝室に、無理やり二段ベッドを三つ置き、ダイニングに簡単なキッチンとテーブルと椅子、ソファーを置いた。
それとシャワールームが一つ。
転送前に、食料や水など必要物資を詰め込む予定だ。
水源に近いところへ行く道があれば良いが、分からないので、取りあえずは川沿いに進んでいく予定だ。
調査隊チームは、リーダーに豹族のヒイロ。
森の管理者としてリーン。
上空から偵察してもらう、有翼族の金髪の少年アレク。
道を切り開き、転送用の平地を確保する、熊族の黒髪のダグラス。
通信用や転送用の魔方陣を扱う、有翼族と獣人族のハーフ、茶髪セス。
大地と水の様子を探る、魚人族と獣人族のハーフの、深い紺色の髪のスーサー。
最小限の六人チームだ。
まずは水源に向かって進み、一つ目の拠点を作る。
そこから、転移魔法で行き来できるようにして、次の拠点を作る。
それの繰り返しだ。
だから、時間のかかる作業になる。
…それでも…未来の事を考えて、協力者が募った。
もうすぐ、果てしない旅が始まる。
家族にしばらくの別れを告げて、六人は森に入っていった。
カザンナ王国とギザ王国の間を別ける川に向かい、カザンナ王国側から川沿いを登り始めた。
各自、高位能力者ばかりなので、崖や谷を難なく通り過ぎていく。
時折アレクが上空から見て、行く手に滝があるとか崖が有るとか教えてくれるので、前に進むことに集中していた。
リーンは道中、見たことの無い植物を見つけると、採取し、ポイントの目印を付けて、前に進んだ。
夜営の準備をダグラスがしている間に、ヒイロとセスが狩りに出て、小動物を捕まえてきて、食料にした。
スーサーとアレクとリーンは、キノコや木の実を採取したり、薪拾いをしていた。
料理は、思いの外ダグラスが得意だった。
…良かった。
まともな料理が食べれる。
そんな事を思いながら、食事にありついた。
五日ほどそんな生活をして、進んで行くと、水源が途切れた。
大きな湖にぶち当たってしまったのだ。
湖に集まった水が流れ出て、カザンナ王国とギザ王国の間を流れる川になっていたのだ。
では、この湖に集まる水はどこから集まっているのか。
それは、あちらこちらの山から流れ込み、湖を作っている。
だとなると、その流れを一つ一つ追っていって、水源を確認していくしかない。
一回目の調査は、ココまでのようだ。
ダグラスは、転移用の山小屋を設置できる場所を探し、湖よりも少し高台に有る平地を見つけ出した。
そして、セスが本部とやり取りして、明日には向こうの転移魔法の準備ができる。
こちらは、リーンとセス、アレク、スーサーが転移魔法の準備を始めた。
ダグラスがならした平地に、魔方陣を写し出し、支障が無いか確認する。
夜明けと共に、転移魔法で山小屋を転移して来る。
それが、リーンの旅の終わりの合図でもあった。
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
皇帝に追放された騎士団長の試される忠義
大田ネクロマンサー
BL
若干24歳の若き皇帝が統治するベリニア帝国。『金獅子の双腕』の称号で騎士団長兼、宰相を務める皇帝の側近、レシオン・ド・ミゼル(レジー/ミゼル卿)が突如として国外追放を言い渡される。
帝国中に慕われていた金獅子の双腕に下された理不尽な断罪に、国民は様々な憶測を立てる。ーー金獅子の双腕の叔父に婚約破棄された皇紀リベリオが虎視眈々と復讐の機会を狙っていたのではないか?
国民の憶測に無言で帝国を去るレシオン・ド・ミゼル。船で知り合った少年ミオに懐かれ、なんとか不毛の大地で生きていくレジーだったが……彼には誰にも知られたくない秘密があった。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる