144 / 462
蜜月
報告と決断
しおりを挟む
楽しい誕生会が終わり、子供達が眠った後、リーンは大人達を集めて、今、森で起こっていることを説明した。
ルークと仲間のアオ、ガーディ、カズキ、ジェス。
獣人族のキリト、元魔女のサラ。
信用できる彼らなら、今後の対策を考えてくれるはず…。
リーンはそう決断し、全てを伝えた。
ヒイロ達による調査と、各国での水量減少の現実。
今は、『おや?』と、言う程度だが、確実に減少していくだろう。
魔女王のソフィアと、地下に貯水槽を作る話をしたのは、何年も前の話だ。
まさかこれ程、各地に少しづつ影響が出てくると、黙ってはいられない。
大事になる前に、原因を調べにいくしかない。と、説明した。
皆、頭を抱え込んで唸っていた。
「大雨が降って、土砂崩れが起こるくらいなのに、地下水の水が増えないのもそのせいか?」
「わからない。だが、可能性はある」
水を扱うアオが、頭を抱える。
「この辺はまだ、影響はない。川沿いに、それで生計を立てている者達には、少なからず影響が出ている可能性がある」
川魚などの水産、水を引いて使う田畑など、流れる水の恩恵をもらって、成り立っている。
「『人魚の湖』は、どうだ?」
リーンがルークに訪ねる。
ルークは『人魚の湖』担当だ。
何かあれば報告が全て、ルークの元に集まる。
「何も聞いていないが、今度、変化が無いか聞いてみる」
ルークはため息をついた。
「サラは…。あっ、言って良いのか?」
リーンは思わず躊躇した。
サラは元、魔女だ。
秘密にしておかなくては、いけないのなら、全てを話すわけにはいかない。
「大丈夫ですよ」
そう言って、サラは微笑んだ。
「ココに呼ばれた時点で、覚悟は決めていました。…私はシラミネの元魔女です。魔女と言っても、魔力は弱く薬草学が得意なだけです。…リーン様が言いたいのは、ソフィア様との連絡の事ですよね」
察しの良いサラはそう言って、リーンを見る。
「そう。私は直接ソフィアと連絡は取れない」
サラは微笑んだ。
「分かりました。ソフィア様には私から伝えます」
「異変を感じたらすぐに教えて欲しいと伝えて」
「はい」
サラが頷くと、ルークは遠慮がちに、質問してきた。
「…知り合い…なのか?」
「…魔女の森に居た幼い頃、ソフィア様に連れられた、リーン様とはお会いしているのです」
サラは素直に答えた。
今さら隠しても、仕方ない。
「…。」
ルークが驚いてリーンを見てきたので、リーンは苦笑いした。
「昔の話だよ」
それよりは、今の話しだ。
「ルークはカザンナ王国の川沿いの調査をしてみて。あと、森の様子で変わったことが無いか…。全ての森を回れないから、把握しきれていないから」
「ああ、わかった。兄上に相談して、カザンナ王国全土を調べる」
「時間は掛かるけど、同時に貯水槽の話も考えておいてもらって。必要になるかもしれない」
「ああ。」
「子供達が大きくなる頃には、原因がわかって、対策がとれていると良いけどね…」
リーンは苦笑いした。
そして大人達は頷いた。
「それまでに、何とかしよう」
「それを目標に、まずは調査からだな」
大人達は団結して、今の生活を守るために、新たな調査を開始することになった。
ルークと仲間のアオ、ガーディ、カズキ、ジェス。
獣人族のキリト、元魔女のサラ。
信用できる彼らなら、今後の対策を考えてくれるはず…。
リーンはそう決断し、全てを伝えた。
ヒイロ達による調査と、各国での水量減少の現実。
今は、『おや?』と、言う程度だが、確実に減少していくだろう。
魔女王のソフィアと、地下に貯水槽を作る話をしたのは、何年も前の話だ。
まさかこれ程、各地に少しづつ影響が出てくると、黙ってはいられない。
大事になる前に、原因を調べにいくしかない。と、説明した。
皆、頭を抱え込んで唸っていた。
「大雨が降って、土砂崩れが起こるくらいなのに、地下水の水が増えないのもそのせいか?」
「わからない。だが、可能性はある」
水を扱うアオが、頭を抱える。
「この辺はまだ、影響はない。川沿いに、それで生計を立てている者達には、少なからず影響が出ている可能性がある」
川魚などの水産、水を引いて使う田畑など、流れる水の恩恵をもらって、成り立っている。
「『人魚の湖』は、どうだ?」
リーンがルークに訪ねる。
ルークは『人魚の湖』担当だ。
何かあれば報告が全て、ルークの元に集まる。
「何も聞いていないが、今度、変化が無いか聞いてみる」
ルークはため息をついた。
「サラは…。あっ、言って良いのか?」
リーンは思わず躊躇した。
サラは元、魔女だ。
秘密にしておかなくては、いけないのなら、全てを話すわけにはいかない。
「大丈夫ですよ」
そう言って、サラは微笑んだ。
「ココに呼ばれた時点で、覚悟は決めていました。…私はシラミネの元魔女です。魔女と言っても、魔力は弱く薬草学が得意なだけです。…リーン様が言いたいのは、ソフィア様との連絡の事ですよね」
察しの良いサラはそう言って、リーンを見る。
「そう。私は直接ソフィアと連絡は取れない」
サラは微笑んだ。
「分かりました。ソフィア様には私から伝えます」
「異変を感じたらすぐに教えて欲しいと伝えて」
「はい」
サラが頷くと、ルークは遠慮がちに、質問してきた。
「…知り合い…なのか?」
「…魔女の森に居た幼い頃、ソフィア様に連れられた、リーン様とはお会いしているのです」
サラは素直に答えた。
今さら隠しても、仕方ない。
「…。」
ルークが驚いてリーンを見てきたので、リーンは苦笑いした。
「昔の話だよ」
それよりは、今の話しだ。
「ルークはカザンナ王国の川沿いの調査をしてみて。あと、森の様子で変わったことが無いか…。全ての森を回れないから、把握しきれていないから」
「ああ、わかった。兄上に相談して、カザンナ王国全土を調べる」
「時間は掛かるけど、同時に貯水槽の話も考えておいてもらって。必要になるかもしれない」
「ああ。」
「子供達が大きくなる頃には、原因がわかって、対策がとれていると良いけどね…」
リーンは苦笑いした。
そして大人達は頷いた。
「それまでに、何とかしよう」
「それを目標に、まずは調査からだな」
大人達は団結して、今の生活を守るために、新たな調査を開始することになった。
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…

春を拒む【完結】
璃々丸
BL
日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。
「ケイト君を解放してあげてください!」
大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。
ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。
環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』
そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。
オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。
不定期更新になります。

皇帝に追放された騎士団長の試される忠義
大田ネクロマンサー
BL
若干24歳の若き皇帝が統治するベリニア帝国。『金獅子の双腕』の称号で騎士団長兼、宰相を務める皇帝の側近、レシオン・ド・ミゼル(レジー/ミゼル卿)が突如として国外追放を言い渡される。
帝国中に慕われていた金獅子の双腕に下された理不尽な断罪に、国民は様々な憶測を立てる。ーー金獅子の双腕の叔父に婚約破棄された皇紀リベリオが虎視眈々と復讐の機会を狙っていたのではないか?
国民の憶測に無言で帝国を去るレシオン・ド・ミゼル。船で知り合った少年ミオに懐かれ、なんとか不毛の大地で生きていくレジーだったが……彼には誰にも知られたくない秘密があった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる