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カザンナ王国
父兄弟~男達~
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リーンがジーンとユーリを連れて、サラと、ロバートと共に、庭園に向かっていった。
子供達には退屈させるより、遊ばせて置いたほうが楽しめるだろう。
ルークはため息を付いて、父と兄達を見た。
「座りませんか。話せば長くなるし、今後の事についても相談したいので…」
側にあったテーブルには、すでにお茶が用意されていた。
いつの間に…。
それぞれイスに座ると、ルークは簡単に、リーンの説明をした。
「…森の管理者…」
「…獣人の魔法と魔女の魔方陣…で、身ごもったと…」
「正確には、それだけでは無いそうですが…」
「それで、産まれたと…」
三人は大きなため息を付いた。
驚いているだろう。
俺でさえ、時々、夢ではないかと思うくらいだ。
「なので、俺は結婚しません。妻とは言わないが、俺にとっての最良のパートナーはリーンだ」
それを伝えたかった。
見合い話はいらない。
父は再び、ため息を付いて、訪ねてくる。
「子供達はどうする」
「俺の子供だと正式に発表しても良い。ただ、リーンの事は出来たら伏せておきたい」
「…そうだな…カザンナ王国が『森の管理者』を手に入れたとなれば、奪い合いになる。それだけは避けたい」
「リーンもそう言っていた。何処にも属してはいけないと…」
だから俺達が出会ったのは、本当に運が良かったのだと…。
「…だったら、相手は森の民で、街では暮らせないから、正式に発表出来ない。と、したらどうだろう。実際そうだしね」
ローレンスがそう言ってくる。
「カザナのお屋敷は、森続きだから、時々居るだろうし…」
一度リーンに会っているからか、ローレンスが味方して、色々説明を作ってくれる。
森の民であるルークのパートナーは街では暮らせない。
なので、お披露目は出来ないが、子供達と一緒に幸せに暮らしているから、そっとしておいて欲しいと。
外交的な内容が、ある程度、整ったところで、今まで黙っていた、もう一人の兄、レオンが口を開いた。
「…見合いの話し。俺も断ってくれ」
「レオン?」
突然の話しに、三人は驚いて目を見張った。
「…俺にも愛する人がいるが、結婚は無理だ。子供は期待しないでくれ」
「…。」
それって…もしかして、幼馴染みの神官の事なのか?
ルークはなんとなく、察していた。
自分がリーンと、そう言う関係になったこともあって、なんとなく感じていた。
確か一年ほど前、神官が行方不明になって、探すのに、ジェスが呼ばれて行った事を思い出す。
レオン兄上の荒れ狂い様に、ジェスは怯えていたと後でこっそりと話してくれた。
「何か変な、告白タイムになってしまったね」
のんびりとローレンスが言い出し、それなら私もと、言い出した。
「私の妃、サラは元シラミネの魔女だよ。と、言っても、魔力はほとんど無いし、薬草術のほうが得意なんだけどね」
おっと、ローレンス兄上も、凄いことを言い出した。
魔女は未だに苦手としている者が多い。
まあ、『魔女の宴』を経験したから分かるが、あれが全部な訳ではない。
しかし、そればかりが伝わって、苦手意識が抜けないのだ。
「我々だけの秘密だ」
父がそう言って締め括ってくれた。
何を隠そう、父上の妃も、俺達の母親も魔女なのだから…。
子供達には退屈させるより、遊ばせて置いたほうが楽しめるだろう。
ルークはため息を付いて、父と兄達を見た。
「座りませんか。話せば長くなるし、今後の事についても相談したいので…」
側にあったテーブルには、すでにお茶が用意されていた。
いつの間に…。
それぞれイスに座ると、ルークは簡単に、リーンの説明をした。
「…森の管理者…」
「…獣人の魔法と魔女の魔方陣…で、身ごもったと…」
「正確には、それだけでは無いそうですが…」
「それで、産まれたと…」
三人は大きなため息を付いた。
驚いているだろう。
俺でさえ、時々、夢ではないかと思うくらいだ。
「なので、俺は結婚しません。妻とは言わないが、俺にとっての最良のパートナーはリーンだ」
それを伝えたかった。
見合い話はいらない。
父は再び、ため息を付いて、訪ねてくる。
「子供達はどうする」
「俺の子供だと正式に発表しても良い。ただ、リーンの事は出来たら伏せておきたい」
「…そうだな…カザンナ王国が『森の管理者』を手に入れたとなれば、奪い合いになる。それだけは避けたい」
「リーンもそう言っていた。何処にも属してはいけないと…」
だから俺達が出会ったのは、本当に運が良かったのだと…。
「…だったら、相手は森の民で、街では暮らせないから、正式に発表出来ない。と、したらどうだろう。実際そうだしね」
ローレンスがそう言ってくる。
「カザナのお屋敷は、森続きだから、時々居るだろうし…」
一度リーンに会っているからか、ローレンスが味方して、色々説明を作ってくれる。
森の民であるルークのパートナーは街では暮らせない。
なので、お披露目は出来ないが、子供達と一緒に幸せに暮らしているから、そっとしておいて欲しいと。
外交的な内容が、ある程度、整ったところで、今まで黙っていた、もう一人の兄、レオンが口を開いた。
「…見合いの話し。俺も断ってくれ」
「レオン?」
突然の話しに、三人は驚いて目を見張った。
「…俺にも愛する人がいるが、結婚は無理だ。子供は期待しないでくれ」
「…。」
それって…もしかして、幼馴染みの神官の事なのか?
ルークはなんとなく、察していた。
自分がリーンと、そう言う関係になったこともあって、なんとなく感じていた。
確か一年ほど前、神官が行方不明になって、探すのに、ジェスが呼ばれて行った事を思い出す。
レオン兄上の荒れ狂い様に、ジェスは怯えていたと後でこっそりと話してくれた。
「何か変な、告白タイムになってしまったね」
のんびりとローレンスが言い出し、それなら私もと、言い出した。
「私の妃、サラは元シラミネの魔女だよ。と、言っても、魔力はほとんど無いし、薬草術のほうが得意なんだけどね」
おっと、ローレンス兄上も、凄いことを言い出した。
魔女は未だに苦手としている者が多い。
まあ、『魔女の宴』を経験したから分かるが、あれが全部な訳ではない。
しかし、そればかりが伝わって、苦手意識が抜けないのだ。
「我々だけの秘密だ」
父がそう言って締め括ってくれた。
何を隠そう、父上の妃も、俺達の母親も魔女なのだから…。
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