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カザンナ王国
サラ
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翌日。
昼食を食べ、服を着替えさせられて、豪華な馬車に乗せられて、王城に向かった。
王城までは、ほんの数分の距離らしく、歩いてでも行けるそうだ。
着せられた服は柔らかい絹で出来ていて、シンプルだけど豪華さを演出してくれる。
子供達に着せられた服にもヒラヒラとレースが付いていたり、飾り石がさりげなく付けられていた。
「…豪華すぎない?」
「…これでも、最小限にしてもらったんだぞ」
「…。」
水人族の衣装と一緒で、着なれないから、落ち着かない。
「…似合ってるよ」
ルークはさりげなく囁いてくる。
そう言うのに、相変わらず慣れなくて、耳を赤くする。
膝の上にはユーリがフリフリのドレス姿でいて、ルークの膝の上にはジーンが、何処へ行くのかとキョロキョロとしている。
「子供達の服を選んだのはジェスですよ」
隣にいるアオが、やはりシルクの柔らかく光沢のある服を着て、そう言ってきた。
「普段、シンプルな服ばかりだから、ユーリにフリフリを着せたかったみたいです」
「こらアオ!告げ口するな!」
ルークの隣に座るジェスは、もう一つ華やかな服を着て、怒鳴っていた。
服装が違うだけで、いつもと変わらない二人にリーンは微笑んだ。
ルークとリーンは双子を連れて、王城の大きな中庭に案内された。
アオやジェス達は、別の場所へ行く予定らしい。
中庭は、色とりどりの花が咲き乱れ、休憩用のテーブルとイスが何脚もあり、庭を眺めながらお茶するには、気持ち良さそうだ。
そう、ルークの家族との対面でなければ、こんな緊張せず、花を楽しめるのに…。
そう思っていると、ルークの父、カザンナ王国の王。
顔見知りの第一王子ローレンスと、お妃様と、子供。
第二王子の確か騎士だと言っていた五人が姿を表した。
「お久しぶりです。父上」
「ああ。やっと連れてきてくれたな…」
「…色々と有りまして…」
そんなやり取りをルークがしている時、ローレンスのお妃を、どこかで見たような気がした。
どこでだっただろう…。
「彼が俺の子供を産んでくれたリーン」
ルークが紹介し始める。
リーンはペコリと頭を下げる。
「で、この子がジーンで、ユーリです」
二人は慣れないのか、しがみついたまま、顔を埋めている。
「…家族だけなんだから、もう少し気楽に話しましょう」
そう言ってきたのは第一王子のローレンス。
「まあ、そうだな…」
ルークは苦笑いする。
そこへ、助け船をだしてくれてのは、第一王子のお妃様だった。
「ローレンスの妃、サラです。こちらが息子のロバート。ほら…」
彼女がそう言うと、五歳くらいのルークに似た金髪の子供が、モジモジしながらリーンを見上げてくる。
「カザンナ王国第一王子の息子、ロバートです。ようこそお出でくださいました」
ロバートは緊張した顔で、練習しただろう台詞を一生懸命に話す。
その声にユーリとジーンが反応して、ロバートの方を向く。
「私達は、お庭を散歩してきますので、ゆっくりとお話なさってください」
お妃のサラがそう言って、庭園に誘ってくる。
「ルーク。彼女と行ってくるよ」
そう言うと、ルークはジーンを降ろし、リーンもユーリを降ろすと、しゃがみこんで子供達と視線を合わせる。
「お花、見に行こうか」
リーンがそう言うと、二人はよちよちと歩きだしたので、リーンは立ち上がり、後を付いていった。
少し先に庭園にいたお妃のサラとロバートは、よちよちと歩く二人を見ていた。
「…可愛い」
「あなたも小さい頃は、あんな感じだったのよ」
「いえ、あの子達の方が可愛いです」
そんな親子のやり取りが聞こえてきて、リーンは微笑んだ。
名前を聞いて思い出した。
彼女は『魔女の森』シラミネの薬師のサラだ。
あの頃はまだ、少女で、ソフィアと一緒に『物質保管庫』を作ったときに、いた女の子だ。
どんな縁が有って、お妃になったのかちょっと気になるが…。
人の事、言えないか…。
ジーンとユーリが、よちよちとロバートに近付いて、しがみつかれて、ロバートが硬直している。
自分達より少し大きい子供に会うことがないから、興味深々なのだろう。
「…は、母上。どうすれば良いですか」
それは、ロバートも一緒らしい。
王城にいて、子供と接する機会が少ないのかも知れない。
「良い子、良い子と、頭を撫でて上げてください」
リーンがそう言うと、ぎこちなく、ユーリの頭を撫でる。
すると、ユーリがロバートの方を見て、満面の笑みを浮かべた。
「は、母上。可愛すぎます」
ロバートはサラに助けを求める。
「ユーリだけでなくジーンも、撫でて上げて」
リーンがそういうと、ロバートは意を決して、ジーンの頭も撫でてあげる。
ジーンはロバートを見上げて、恥ずかしそうに顔をロバートの服に擦り付ける。
「こっちも、可愛すぎます。母上、助けてください」
ロバートの慌てる姿に、サラとリーンは笑った。
ロバートは、ジーンとユーリに気に入られ、ロバートの後をよちよちと歩いて付いていく。
ロバートも、ゆっくりと歩き、二人が来るのを待っている。
そんな三人を見守りながら、リーンはサラに、声をかけた。
「男性恐怖症は治ったのか?」
サラが驚いたように、まじまじとリーンを見てくる。
「…リーン様…」
サラ驚いて目を丸くする。
「…確か…ソフィア様の…確か…男の方…でしたよね…」
「そうなんだ。色々有って…」
リーンは苦笑いする。
「今、幸せ?」
「はい。ローレンスも優しいし、ロバートも産まれて…。大変ですけど、ローレンスに会えて良かったと思ってます」
サラは幸せそうに微笑んだ。
「リーン様は、ルーク様と…」
「…ずっとは側に居れない。でも、なるべく側にいると約束したから…。…何かあったら、二人の事、お願いね」
側に見知った人がいるのは安心だ。
『魔女の森』出身なら、尚更。
何かあれば、直ぐにソフィアに連絡が出来る。
何かある予定は無いが、頼んでおくのに越したことはない。
いつまで、側にいれるだろうか…。
昼食を食べ、服を着替えさせられて、豪華な馬車に乗せられて、王城に向かった。
王城までは、ほんの数分の距離らしく、歩いてでも行けるそうだ。
着せられた服は柔らかい絹で出来ていて、シンプルだけど豪華さを演出してくれる。
子供達に着せられた服にもヒラヒラとレースが付いていたり、飾り石がさりげなく付けられていた。
「…豪華すぎない?」
「…これでも、最小限にしてもらったんだぞ」
「…。」
水人族の衣装と一緒で、着なれないから、落ち着かない。
「…似合ってるよ」
ルークはさりげなく囁いてくる。
そう言うのに、相変わらず慣れなくて、耳を赤くする。
膝の上にはユーリがフリフリのドレス姿でいて、ルークの膝の上にはジーンが、何処へ行くのかとキョロキョロとしている。
「子供達の服を選んだのはジェスですよ」
隣にいるアオが、やはりシルクの柔らかく光沢のある服を着て、そう言ってきた。
「普段、シンプルな服ばかりだから、ユーリにフリフリを着せたかったみたいです」
「こらアオ!告げ口するな!」
ルークの隣に座るジェスは、もう一つ華やかな服を着て、怒鳴っていた。
服装が違うだけで、いつもと変わらない二人にリーンは微笑んだ。
ルークとリーンは双子を連れて、王城の大きな中庭に案内された。
アオやジェス達は、別の場所へ行く予定らしい。
中庭は、色とりどりの花が咲き乱れ、休憩用のテーブルとイスが何脚もあり、庭を眺めながらお茶するには、気持ち良さそうだ。
そう、ルークの家族との対面でなければ、こんな緊張せず、花を楽しめるのに…。
そう思っていると、ルークの父、カザンナ王国の王。
顔見知りの第一王子ローレンスと、お妃様と、子供。
第二王子の確か騎士だと言っていた五人が姿を表した。
「お久しぶりです。父上」
「ああ。やっと連れてきてくれたな…」
「…色々と有りまして…」
そんなやり取りをルークがしている時、ローレンスのお妃を、どこかで見たような気がした。
どこでだっただろう…。
「彼が俺の子供を産んでくれたリーン」
ルークが紹介し始める。
リーンはペコリと頭を下げる。
「で、この子がジーンで、ユーリです」
二人は慣れないのか、しがみついたまま、顔を埋めている。
「…家族だけなんだから、もう少し気楽に話しましょう」
そう言ってきたのは第一王子のローレンス。
「まあ、そうだな…」
ルークは苦笑いする。
そこへ、助け船をだしてくれてのは、第一王子のお妃様だった。
「ローレンスの妃、サラです。こちらが息子のロバート。ほら…」
彼女がそう言うと、五歳くらいのルークに似た金髪の子供が、モジモジしながらリーンを見上げてくる。
「カザンナ王国第一王子の息子、ロバートです。ようこそお出でくださいました」
ロバートは緊張した顔で、練習しただろう台詞を一生懸命に話す。
その声にユーリとジーンが反応して、ロバートの方を向く。
「私達は、お庭を散歩してきますので、ゆっくりとお話なさってください」
お妃のサラがそう言って、庭園に誘ってくる。
「ルーク。彼女と行ってくるよ」
そう言うと、ルークはジーンを降ろし、リーンもユーリを降ろすと、しゃがみこんで子供達と視線を合わせる。
「お花、見に行こうか」
リーンがそう言うと、二人はよちよちと歩きだしたので、リーンは立ち上がり、後を付いていった。
少し先に庭園にいたお妃のサラとロバートは、よちよちと歩く二人を見ていた。
「…可愛い」
「あなたも小さい頃は、あんな感じだったのよ」
「いえ、あの子達の方が可愛いです」
そんな親子のやり取りが聞こえてきて、リーンは微笑んだ。
名前を聞いて思い出した。
彼女は『魔女の森』シラミネの薬師のサラだ。
あの頃はまだ、少女で、ソフィアと一緒に『物質保管庫』を作ったときに、いた女の子だ。
どんな縁が有って、お妃になったのかちょっと気になるが…。
人の事、言えないか…。
ジーンとユーリが、よちよちとロバートに近付いて、しがみつかれて、ロバートが硬直している。
自分達より少し大きい子供に会うことがないから、興味深々なのだろう。
「…は、母上。どうすれば良いですか」
それは、ロバートも一緒らしい。
王城にいて、子供と接する機会が少ないのかも知れない。
「良い子、良い子と、頭を撫でて上げてください」
リーンがそう言うと、ぎこちなく、ユーリの頭を撫でる。
すると、ユーリがロバートの方を見て、満面の笑みを浮かべた。
「は、母上。可愛すぎます」
ロバートはサラに助けを求める。
「ユーリだけでなくジーンも、撫でて上げて」
リーンがそういうと、ロバートは意を決して、ジーンの頭も撫でてあげる。
ジーンはロバートを見上げて、恥ずかしそうに顔をロバートの服に擦り付ける。
「こっちも、可愛すぎます。母上、助けてください」
ロバートの慌てる姿に、サラとリーンは笑った。
ロバートは、ジーンとユーリに気に入られ、ロバートの後をよちよちと歩いて付いていく。
ロバートも、ゆっくりと歩き、二人が来るのを待っている。
そんな三人を見守りながら、リーンはサラに、声をかけた。
「男性恐怖症は治ったのか?」
サラが驚いたように、まじまじとリーンを見てくる。
「…リーン様…」
サラ驚いて目を丸くする。
「…確か…ソフィア様の…確か…男の方…でしたよね…」
「そうなんだ。色々有って…」
リーンは苦笑いする。
「今、幸せ?」
「はい。ローレンスも優しいし、ロバートも産まれて…。大変ですけど、ローレンスに会えて良かったと思ってます」
サラは幸せそうに微笑んだ。
「リーン様は、ルーク様と…」
「…ずっとは側に居れない。でも、なるべく側にいると約束したから…。…何かあったら、二人の事、お願いね」
側に見知った人がいるのは安心だ。
『魔女の森』出身なら、尚更。
何かあれば、直ぐにソフィアに連絡が出来る。
何かある予定は無いが、頼んでおくのに越したことはない。
いつまで、側にいれるだろうか…。
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