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カザンナ王国
昼寝
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カザナのお屋敷に帰ると、約束どうり、ルークがジーンとユーリを連れて、迎えに出てくれた。
ルークの顔色も良くなり、ほっとする。
ユーリを抱き上げると、キャッキャとはしゃいで、顔に触れてきて、暖かな温もりを感じる。
…可愛くて仕方がない…。
そんな風に感じるようになった。
これも、変化の一つだ。
小さな命が、成長する姿は生命力と魔力に溢れている。
とても美しいものだ…。
アオに言われた通り、自分でもそうするつもりだったが、ジーンとユーリの側にいた。
よちよちと歩けるようになった二人はリーンを追いかけて、膝によじ登って、降りて、乳母の所によちよちと歩いて、また、戻ってきて…。
それを二人が交代で一生懸命するので、自然と笑みが浮かび、見ていても飽きない。
何度か繰り返すと、疲れたのか、ジーンが膝の上に座りうとうとと、し始めた。
それと同時に、ユーリがリーンの側で座り寄りかかってきた。
「あら、眠たいみたいですね」
乳母が側に来て、ユーリをそっと抱き上げる。
「…このまま、私もここで昼寝をするよ。ジーンも眠たそうだし…」
「でしたら、毛布を持ってきますね」
ユーリを抱いたまま、乳母は毛布を取りに行く。
リーンはジーンを膝の上から下ろすと、横に寝かせ、リーンも一緒に横になった。
すでに眠りに入ったジーンの頬をつつくと、ムニムニと顔を動かし、寝息をたてている。
その横に、ユーリが寝かせられ、毛布が掛けられる。
「ゆっくりお休み下さい」
乳母は微笑んで、部屋を出ていった。
リーンはユーリの頬もつつくと、ムニムニと顔を動かし、うっすらと目を開ける。
ルークと同じ青い瞳。
「ごめん。起こしたね。一緒に寝よう」
リーンがユーリの頭を撫でて上げると、再び目を閉じた。
一緒に、お昼寝をしよう。
私も、疲れているのか眠気か襲って来る。
子供たちの温かい体温に誘われるように、リーンも目を閉じた。
人の気配に目が覚めると、腕の中にユーリだけがいて、ジーンは?と、身体を起こすと、ソファーにルークが座っていて、その膝にジーンが座り、絵本を読んでいた。
「…。」
…なんだろう。
その光景に、頬が緩んで見いってしまう。
「…起きたか…」
ルークがリーンに気付き、微笑んでくる。
リーンはまだ眠るユーリを抱き上げ、ルークの横に座る。
「夕食まで、まだ時間があるから、のんびりしよう」
「そうだね」
リーンはルークに寄りかかる。
「明日の誕生日のお祝いは、少し早めの夕食の時にすることになった。…皆、それを口実に飲みたいみたいだから…」
リーンはクスリと笑う。
「そうだね。『人魚の湖』の事やら、ギザ王国の事があって、緊張しっぱなしだったからね…」
「ううっん、んっ、んっ」
ジーンが絵本を叩いて、ルークに催促する姿を見て、リーンは笑った。
「ほら、ジーンが次のページを捲れって、言ってるよ」
ルークは絵本のページを捲る。
ジーンは今、文字は読めないが、絵を眺めて満足すると、次のページを催促するのだ。
可愛い…。
「ギザ王国の件なんだが、王にも話さなくてはいけない。それで…」
ルークは何かを言うのを迷っているようだ。
「…お前の事と、双子の事を話してもいいか?」
ルークは真剣な眼差しでリーンを見る。
「…。良いよ。家族だけになら…」
双子の事は、確か伝えてあると言っていた。
ただ、魔力が安定しないから、王城には連れて行けないし、どういう相手かを話さなくてはいけないため、誤魔化して交わしているのも、限界なのだろう。
「…リーン」
「国には関わってはいけない。と、思っていたけれど、関わってしまったし…」
「後悔しているのか?」
ルークは不安そうに訪ねてくるが、リーンは微笑んで答えた。
「してないよ。こんな可愛い子供たちも産まれた。きっと一人で旅をしていたら、知らない楽しさばかりだ」
ルークは決意したように、言う。
「それでだな…。一緒に王城に来てくれないか。家族を紹介したいし、甥っ子にも、会わせてあげたい」
「…この際だ。行くよ」
ルークはパアッと、明るい笑顔になる。
こう言う所を、可愛いと思うようになってしまった。
ここまで関わってしまったのだから、ルークが望むなら、とことん付き合ってやろう。
今だけの、家族ごっこかも知れないけれど、楽しくて、手放したくない。
そんな風にも思うようになって、時折、どうしたら良いか分からなくなってしまう。
今はまだ…。
ルークの顔色も良くなり、ほっとする。
ユーリを抱き上げると、キャッキャとはしゃいで、顔に触れてきて、暖かな温もりを感じる。
…可愛くて仕方がない…。
そんな風に感じるようになった。
これも、変化の一つだ。
小さな命が、成長する姿は生命力と魔力に溢れている。
とても美しいものだ…。
アオに言われた通り、自分でもそうするつもりだったが、ジーンとユーリの側にいた。
よちよちと歩けるようになった二人はリーンを追いかけて、膝によじ登って、降りて、乳母の所によちよちと歩いて、また、戻ってきて…。
それを二人が交代で一生懸命するので、自然と笑みが浮かび、見ていても飽きない。
何度か繰り返すと、疲れたのか、ジーンが膝の上に座りうとうとと、し始めた。
それと同時に、ユーリがリーンの側で座り寄りかかってきた。
「あら、眠たいみたいですね」
乳母が側に来て、ユーリをそっと抱き上げる。
「…このまま、私もここで昼寝をするよ。ジーンも眠たそうだし…」
「でしたら、毛布を持ってきますね」
ユーリを抱いたまま、乳母は毛布を取りに行く。
リーンはジーンを膝の上から下ろすと、横に寝かせ、リーンも一緒に横になった。
すでに眠りに入ったジーンの頬をつつくと、ムニムニと顔を動かし、寝息をたてている。
その横に、ユーリが寝かせられ、毛布が掛けられる。
「ゆっくりお休み下さい」
乳母は微笑んで、部屋を出ていった。
リーンはユーリの頬もつつくと、ムニムニと顔を動かし、うっすらと目を開ける。
ルークと同じ青い瞳。
「ごめん。起こしたね。一緒に寝よう」
リーンがユーリの頭を撫でて上げると、再び目を閉じた。
一緒に、お昼寝をしよう。
私も、疲れているのか眠気か襲って来る。
子供たちの温かい体温に誘われるように、リーンも目を閉じた。
人の気配に目が覚めると、腕の中にユーリだけがいて、ジーンは?と、身体を起こすと、ソファーにルークが座っていて、その膝にジーンが座り、絵本を読んでいた。
「…。」
…なんだろう。
その光景に、頬が緩んで見いってしまう。
「…起きたか…」
ルークがリーンに気付き、微笑んでくる。
リーンはまだ眠るユーリを抱き上げ、ルークの横に座る。
「夕食まで、まだ時間があるから、のんびりしよう」
「そうだね」
リーンはルークに寄りかかる。
「明日の誕生日のお祝いは、少し早めの夕食の時にすることになった。…皆、それを口実に飲みたいみたいだから…」
リーンはクスリと笑う。
「そうだね。『人魚の湖』の事やら、ギザ王国の事があって、緊張しっぱなしだったからね…」
「ううっん、んっ、んっ」
ジーンが絵本を叩いて、ルークに催促する姿を見て、リーンは笑った。
「ほら、ジーンが次のページを捲れって、言ってるよ」
ルークは絵本のページを捲る。
ジーンは今、文字は読めないが、絵を眺めて満足すると、次のページを催促するのだ。
可愛い…。
「ギザ王国の件なんだが、王にも話さなくてはいけない。それで…」
ルークは何かを言うのを迷っているようだ。
「…お前の事と、双子の事を話してもいいか?」
ルークは真剣な眼差しでリーンを見る。
「…。良いよ。家族だけになら…」
双子の事は、確か伝えてあると言っていた。
ただ、魔力が安定しないから、王城には連れて行けないし、どういう相手かを話さなくてはいけないため、誤魔化して交わしているのも、限界なのだろう。
「…リーン」
「国には関わってはいけない。と、思っていたけれど、関わってしまったし…」
「後悔しているのか?」
ルークは不安そうに訪ねてくるが、リーンは微笑んで答えた。
「してないよ。こんな可愛い子供たちも産まれた。きっと一人で旅をしていたら、知らない楽しさばかりだ」
ルークは決意したように、言う。
「それでだな…。一緒に王城に来てくれないか。家族を紹介したいし、甥っ子にも、会わせてあげたい」
「…この際だ。行くよ」
ルークはパアッと、明るい笑顔になる。
こう言う所を、可愛いと思うようになってしまった。
ここまで関わってしまったのだから、ルークが望むなら、とことん付き合ってやろう。
今だけの、家族ごっこかも知れないけれど、楽しくて、手放したくない。
そんな風にも思うようになって、時折、どうしたら良いか分からなくなってしまう。
今はまだ…。
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