神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

文字の大きさ
上 下
119 / 462
実を結ぶ

新たなる旅立ち ***

しおりを挟む
 リーンが屋敷から森へ入る時間が増えていった。
 初めは、朝出掛けていって、昼頃には帰ってきていた。
 今は、夕方にしか帰って来なくなった。
 それも、すごく疲れた顔をして帰ってきて、子供達の寝顔を見て、食事してそのまま眠る事が多くなってきた。
 もうすぐ、森に戻っていくのだろう。
 俺達にも手伝える事は無いかと、聞いたが、人見知りをする小人族のため、連れていけないと言われた。
 倒木が川をせき止め、小人族の集落に水が流れ込んできて、水浸みずびたしになり、撤去作業をしているらしい。
 小人族達だけでは、魔力も力も、人族の半分らしく、時間がかかるので、手伝っているのだと言うことだ。
 俺達が手伝えれば、もっと早く出来るだろうが、人見知りで姿を隠してしまうのでは、どうにも出来ない。
 リーンはいろんな所で、そうやって森に住む者達を助けているのだろう。
 だから、俺達が独占してしまうわけにはいかない…。

 
 その日は『人魚の湖』の事が少し落ち着き、久しぶりに1日、屋敷に居れる日だった。
 本当ならば、リーンと子供達とのんびりと少したかったが、リーンは朝早くから出掛けて行っていた。
 ルークは乳母に教えてもらって、ミルクをあげたり、抱っこして寝かしつけたりしていた。
 そんな事をしなくてもと、言われたが、リーンがいない寂しさを紛らわせる為でもあった。
 これから、そんな日が続くのだろう。
 そう思いながら、眠たそうなユーリを抱いていると、リーンが帰ってきた。
 まだ昼過ぎで、子供達の昼寝の時間だ。
「リーン」
「ただいま」
 リーンが微笑んでくる。
 この存在を、独占出来なくても、愛しいのは変わらない。
「だいぶん、似合ってきたね」
「お帰り。毎日、抱っこしているからな」
 リーンは嬉しそうに笑う。
「…ユーリも眠ったみたいだ」
 ルークは乳母にユーリを預け、部屋を出て、リーンに誘われるまま、小屋に向かった。

「…ルークに掛けられた、魔法を一つ解除できるから…」
 小屋に入るなりそう言って、リーンはルークに口付けてきた。
「…リーン?」
 リーンは頬を染め、ルークの首筋に掴まると、耳元で囁いた。
「『魔力の交合』…して…」
 ルークはリーンを抱き寄せ、抱き上げると、奥の寝室に向かった。
 最近疲れて帰ってくるから、添い寝ぐらいで、身体には触れていなかった。
 その反動が来たのかもしれない。
 リーンをベッドに寝かせると、覆い被さって、早急に服を脱がせながら身体中に口付けていった。
「…ああっ…んっ…はぁ…ルーク…ああっ…」
 リーンの甘い声と艶めいた表情に下半身が痛くなる。
 きっと当分、この姿は拝めない。
「はああっ…ああっ…」
 じっくりと、脳裏に焼き付けて、俺の印を付けていく。
 ルークは胸の突起を甘噛みして、舌でなぶる。
「あんっ…ああっ…あっ、あっんっ…」
 リーンの腰がビクビクと跳ね、ルークに擦り付けてくる。
 何が欲しいのかは、分かっている。
 だけど、今日は直ぐには与えない。
 帰ってくると言ったが、俺達を置いて行くのだ。
 付いていけないのも分かるし、連れていけないのも分かる。
 だけど、その葛藤が、ルークの中で渦巻いていた。
「…んっ…ルーク…」
 潤んだ瞳で見上げられる。
 ルークはリーンから一度離れると、服を脱ぎ落とし、はち切れんばかりに反り上がったモノを、リーンの顔の前に向け、リーンは躊躇ためらいもなくくわえた。
「…くっ…」
 ルークは顔を歪めて、放ちそうになるのを耐える。
「んっ…」
 リーンは時折、物欲しそうに見上げてきて、ルークをあおる。
 …俺の敗けだ…。
 そんな目で見られたら、我慢出来るわけ無いだろ…。
 ルークはリーンの口内に放ち、リーンはそれを飲み干し、口を離した。
 リーンは両膝裏を掴み、頬を染めながら開脚してトロトロに濡れた股間をさらし、後孔が濡れて、ひくひくうごめき、ルークを誘う。
 その姿に、グンと反り上がる。
 この姿に誰があらがえるのか…。
 ルークは誘われるまま、リーンの後孔に嵌め込む。
「んっ…」
 誘い込むようにうごめき、直ぐにでも打ち付けたいのを我慢して、リーンを見下ろす。
「はぁ…んっ…ルーク…早く…」 
 火照って欲情に溺れるリーンは蜜をトロトロと溢す。
「んっ…欲しい…あああああっ!!」
 ルークが挿入そうにゅうすると、リーンは白濁を溢した。
「んっ…ルーク…ああっ…あんっ…あっあっ…はあんっ…ああっ…」
 ルークはリーンをむさぼった。
 愛しくて、止まらなくて、離したくなくて、ずっとこうして繋がって居たかった。


 目覚めると、リーンは服を着てベッドに腰を掛けて座っていた。
「…行くのか」
「うん。ユーリとジーンはキリトにお願いしてきた」
 ルークは身体を起こし、リーンを抱きしめる。
「また、…直ぐに…帰ってくるよ」
 そう言って、リーンが右手をかざすと、巨大な魔方陣が壁一杯に写し出された。
「だから、行ってきます」
「ああ。行ってらっしゃい。待ってるよ」
 リーンは微笑んで、魔方陣の中に消えていった。
 残されたルークはうつ向いて、涙を溢していた。

 


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

見ぃつけた。

茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは… 他サイトにも公開しています

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

若さまは敵の常勝将軍を妻にしたい

雲丹はち
BL
年下の宿敵に戦場で一目惚れされ、気づいたらお持ち帰りされてた将軍が、一週間の時間をかけて、たっぷり溺愛される話。

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

皇帝に追放された騎士団長の試される忠義

大田ネクロマンサー
BL
若干24歳の若き皇帝が統治するベリニア帝国。『金獅子の双腕』の称号で騎士団長兼、宰相を務める皇帝の側近、レシオン・ド・ミゼル(レジー/ミゼル卿)が突如として国外追放を言い渡される。 帝国中に慕われていた金獅子の双腕に下された理不尽な断罪に、国民は様々な憶測を立てる。ーー金獅子の双腕の叔父に婚約破棄された皇紀リベリオが虎視眈々と復讐の機会を狙っていたのではないか? 国民の憶測に無言で帝国を去るレシオン・ド・ミゼル。船で知り合った少年ミオに懐かれ、なんとか不毛の大地で生きていくレジーだったが……彼には誰にも知られたくない秘密があった。

処理中です...