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実を結ぶ
合流
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森の中を少し歩くと、ガーディが地面に座って、ボーッとしている姿が見えてきた。
結界が張ってあるので、ソコからか出られず、何が起こったのか理解できていないようだった。
「ガーディ!」
ルークは駆け寄り、側に一端、リーンを降ろす。
「ルーク様。俺…いったい…」
「魔女の宴に呼ばれて、ふらふらここまで来てしまったんだ。それより、ここから離れるぞ!」
「待って、今、結界外すから…」
リーンは手をかかげて、魔方陣を解除する。
それを確認し、ルークは再び、リーンを抱き上げた。
「リーンは大丈夫なんですか?」
「…体力的に…限界なだけ…」
そう言って頬を染める。
何でそうなったか、言えないよな…。
「アオ達のいる馬車に戻るぞ」
ルークとリーン、ガーディは森の中の細い道を歩き、街道に向かって歩きだした。
日は昇っているが、森の木々がその光を遮って、少し薄暗く感じる。
ここへ来たときは、迎えに行かなくてはと、必死だった為、ソコまで感じなかったのかも知れない。
寒々として、人を寄せ付けない空気をかもし出している。
この分、抱えているリーンが温かく、安心できるのも不思議だ。
どれだけか、無言で歩き続けると、細い小道の先に見慣れた馬車が止まっていた。
あれって…。
「おい、あの馬車、俺達じゃないか?」
ルークが話しかけると、ガーディが頷く。
「そうだと思います」
「よく、ここが分かったな」
「カズキが『木霊』に、訪ねたんじゃないかな…。魔女の森の入口は何処に?ってね」
だいぶん回復してきたリーンが、腕の中で答える。
「そうだな」
そんな話をしながら馬車に近付いて行くと、ちょうど、アオが馬車から出てきて、硬直し、慌てて馬車に戻り、カズキと共に、出迎えてくれた。
「ルーク様!」
「よかった。戻ってきてくれた…」
「もう、心配で心配で…」
カズキとアオは涙ぐんでいた。
心配かけた事は後で謝ろう。
「それより、場所を移そう。魔女の森の近くにいるのは危険だ」
結界が閉じたとは言え、魔女が来ないとも限らない。
「そうですね」
カズキは馬車の前に向かう。
「リーンさんは大丈夫なんですか?」
アオが不安そうにルークに抱えられたリーンを覗き込む。
「大丈夫…」
ルークはリーンを抱えたまま馬車に乗り込み、ガーディとアオも乗り込むと、馬車は動き出した。
「取りあえず、水浴びの出来る場所に止めてくれ。…てか、お腹が空いたな…」
緊張が取れ始めたのか、ルークは空腹を感じ出した。
そう言えば、昨日の夜は食べてない…。
それどころでは無かったから、空腹を感じなかったのだろう。
「確か、果物や軽食が有るはず」
そう言ってアオが馬車の中の荷物をゴソゴソと探り、りんごや固形パンを取り出した。
「馬車を止めたら、食事を作ります。それまで、これで我慢してください」
アオから、固形パンを渡され、ルークとリーン、ガーディは、少しの空腹を紛らわすように、食べ始めた。
良く考えたら、まだ、屋敷を出発して、二日目…だよな…。
なんか、ずいぶん長く、『魔女の森』にいたような気がしてならない…。
たった一日で、封じられた魔力の、いろんな事が分かって、リーンと抱き合って、『魔女の森』から、脱出してきたんだよな…。
ルークはぼんやりと、固形パンを齧りながら思っていると、馬車の速度が落ちて、止まった。
「この辺なら、馬車を停めておいても、邪魔にならないだろうし、食事の準備も出来るよ」
カズキがそう言って、御者席から後ろを覗いた。
ガーディが簡単な天幕を張り、アオ、カズキが食事を作るよう、道具を降ろし始めた。
ルークは水浴びをするため、タオルをリーンに持たせ、再びリーンを抱えると、近くの泉に向かった。
「ちょっと泉に行ってくる」
結界が張ってあるので、ソコからか出られず、何が起こったのか理解できていないようだった。
「ガーディ!」
ルークは駆け寄り、側に一端、リーンを降ろす。
「ルーク様。俺…いったい…」
「魔女の宴に呼ばれて、ふらふらここまで来てしまったんだ。それより、ここから離れるぞ!」
「待って、今、結界外すから…」
リーンは手をかかげて、魔方陣を解除する。
それを確認し、ルークは再び、リーンを抱き上げた。
「リーンは大丈夫なんですか?」
「…体力的に…限界なだけ…」
そう言って頬を染める。
何でそうなったか、言えないよな…。
「アオ達のいる馬車に戻るぞ」
ルークとリーン、ガーディは森の中の細い道を歩き、街道に向かって歩きだした。
日は昇っているが、森の木々がその光を遮って、少し薄暗く感じる。
ここへ来たときは、迎えに行かなくてはと、必死だった為、ソコまで感じなかったのかも知れない。
寒々として、人を寄せ付けない空気をかもし出している。
この分、抱えているリーンが温かく、安心できるのも不思議だ。
どれだけか、無言で歩き続けると、細い小道の先に見慣れた馬車が止まっていた。
あれって…。
「おい、あの馬車、俺達じゃないか?」
ルークが話しかけると、ガーディが頷く。
「そうだと思います」
「よく、ここが分かったな」
「カズキが『木霊』に、訪ねたんじゃないかな…。魔女の森の入口は何処に?ってね」
だいぶん回復してきたリーンが、腕の中で答える。
「そうだな」
そんな話をしながら馬車に近付いて行くと、ちょうど、アオが馬車から出てきて、硬直し、慌てて馬車に戻り、カズキと共に、出迎えてくれた。
「ルーク様!」
「よかった。戻ってきてくれた…」
「もう、心配で心配で…」
カズキとアオは涙ぐんでいた。
心配かけた事は後で謝ろう。
「それより、場所を移そう。魔女の森の近くにいるのは危険だ」
結界が閉じたとは言え、魔女が来ないとも限らない。
「そうですね」
カズキは馬車の前に向かう。
「リーンさんは大丈夫なんですか?」
アオが不安そうにルークに抱えられたリーンを覗き込む。
「大丈夫…」
ルークはリーンを抱えたまま馬車に乗り込み、ガーディとアオも乗り込むと、馬車は動き出した。
「取りあえず、水浴びの出来る場所に止めてくれ。…てか、お腹が空いたな…」
緊張が取れ始めたのか、ルークは空腹を感じ出した。
そう言えば、昨日の夜は食べてない…。
それどころでは無かったから、空腹を感じなかったのだろう。
「確か、果物や軽食が有るはず」
そう言ってアオが馬車の中の荷物をゴソゴソと探り、りんごや固形パンを取り出した。
「馬車を止めたら、食事を作ります。それまで、これで我慢してください」
アオから、固形パンを渡され、ルークとリーン、ガーディは、少しの空腹を紛らわすように、食べ始めた。
良く考えたら、まだ、屋敷を出発して、二日目…だよな…。
なんか、ずいぶん長く、『魔女の森』にいたような気がしてならない…。
たった一日で、封じられた魔力の、いろんな事が分かって、リーンと抱き合って、『魔女の森』から、脱出してきたんだよな…。
ルークはぼんやりと、固形パンを齧りながら思っていると、馬車の速度が落ちて、止まった。
「この辺なら、馬車を停めておいても、邪魔にならないだろうし、食事の準備も出来るよ」
カズキがそう言って、御者席から後ろを覗いた。
ガーディが簡単な天幕を張り、アオ、カズキが食事を作るよう、道具を降ろし始めた。
ルークは水浴びをするため、タオルをリーンに持たせ、再びリーンを抱えると、近くの泉に向かった。
「ちょっと泉に行ってくる」
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