神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

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魔女の宴 

空の攻防

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 ルークがフードを被り、城門を引いて外に出ると、そこには、魔女が三人待っていた。
「月が沈む前に、城を出た」
 リーンはハッとして、ルークの手を取り、空中に浮かんだ。
「『風霊』!!」
 リーンはルークを抱き寄せ、魔女の繰り出す拘束の魔法から逃れる。
「待ち伏せされた。狙いはお前だ!逃げるぞ!」
 リーンは空中を『瞬足移動』で移動しながら、魔女の森の出入り口へと向かう。
「もし、別々になったら門に印を付けてあるから、それに向かって逃げろ!小川を越えれば追ってこない!」
「さっき言っていた小川?!」
「そうだ!そう言うルールだ!」
 
 さすがに三人を相手に逃げけるのは至難だ。
 リーンはルークを左側に抱え直し、落ちないようにしっかりと捕まるように言う。
 ルークは右手をリーンの肩に回し、リーンはルークの腰を左手で支える。
「『水の壁』を使え!小さくても、攻撃の中心を捕らえれば、防げる!」
 ルークは左手を伸ばし、集中する。
「『水の壁』!!」
 手のひらほどの『水の壁』が出現し、ルークはそれを操って、魔女の『拘束の鎖』や『拘束の蔦』を叩き落とし、何とか逃れる。
「リーン。貴方は逃がしてあげるから、その男を置いていって」
 風の魔法で空中に立つ魔女が、リーンに向かってそう言う。
「置いていくわけ無いだろ!」
「強い魔力がマントから漏れ出ているわ…」
 魔女はうっとりと頬を染め、ルークを見る。
「まだ若い…強い魔力…」
 やはり、上級魔女には魔力を隠すマントだけでは、隠し切れなかったのか!
 リーンは右手を掲げ、
「『水球の檻』!『空の壁』!」
 同時に二つを魔女に放った。
 『水球の檻』は魔女を取り囲むように水の金網が組み立てられていき、『空の壁』がそれを包むように、空間を閉じていく。
「さすがね。『見えない鎖』!」
 魔女が『空の壁』を壊しながら、それを鎖に変える。
 リーンは慌てて自分達側に『空の壁』を作り出し、『水のシャワー』降らして、水がかかっていない空間を割出し、鎖の位置を特定させる。
「『冷却』!」
 リーンは濡れた鎖を凍らせていき、『水球の檻』ごと凍らせて、地上に落とす。
 あっという間の出来事だった。
 落ちた『水球の檻』の周囲から、湯気が上がり出し、他の魔女が熱で氷を溶かし始めている。
 急がないと!
 リーンはルークと共に、急いで出入り口に向かって行く。
 肉眼で森の出入り口が見えたとき、下からつたが伸びてきて、ルークの足が捕まってしまい、体制が崩れ、ルークが落ちそうになる。
 ルークをしっかりと捕まえて、つたを引き離そうとしても、絡み付いて外れない。
「もう少しなのに!」
 リーンは『空のやいば』、かまいたちで、つたを切り落とす。
 リーンがルークの手を掴み直し、引き上げようとしたら、いつの間にか背後にいた、魔女王がポンとリーンの背中を押した。
 それに気付いたリーンは振り返り、目を見張る。
 ソフィア?!
 そのまま、バランスを崩し、二人は地上で待ち構える魔女の元に落ちていった。


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