神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

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人魚の泉~海の魔法石~

フールシアの憤り 1 **

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 水中都市を管理する立場に有るフールシアは悩んでいた。
 近年、水上集落が激増しているのだ。
 始めりは、人魚の湖と呼ばれる集落一つだったのだか、地上から拐ってきた獣人や、人族と家庭を作る者が増えたのだ。
 そのため、水中に住めない家族のために、海や湖の周辺に家を建て、集落が出来ていった。
 だが、湖の国境が曖昧な場所での小競り合いが、激増している。
 一番頭を悩ませている事だ。
 地上の事は、ココからでは伝わるのに時間がかかるし、勝手も違う。
 広範囲になり、収集が付かなくなりそうな所まで来ていた。
 そこへ、地上集落担当からの報告で、新たな問題が発生した。
 土砂崩れが起こり、貯水槽が流れてしまった。と、偶然、居合わせた旅の者達が、助けてくれたので、かろうじて生活はしていける。との事。
 そのため復旧作業が必要になってくるため、支援して欲しい。との、報告だった。
 地上のこう言った問題を、解決するには地上の者たちでないと、作業は出来ない…。
 そして最後に、追伸で書かれているモノにも目がいく。
『漆黒のリーン様が、カザンナ王国の王子達と人魚の湖フールシアに居られます』
「リーン…」
 ソレを見て、今すぐにでも駆けつけたかったが、リーンとの約束があった。
 『ちゃんと水中都市の仕事はしろよ。お前にしか出来ないことなんだろ。それをせず、会いに来たら叩き返す!』
 嘘を付いても何故かすぐにバレてしまう。
 なので急ピッチで、机の上の書類を片付けていく。
 そしてふと思う。
 地上の集落の事について、リーンに相談してみよう。
 そう、仕事の一貫として会いに行けば問題はない。
 フールシアは直ぐ段取りを付けさせ、地上の集落へ連絡を付けさせた。
 貯水槽の復旧の、話し合いの前日の夜、迎えに行く、と。
 
 
 フールシアは水竜の姿になって、地上集落に向かって、水中を泳ぎ、集落の近くで水面に顔を出した。
 水辺にリーンの姿を捉え、再び潜り、水際で水中から出ると、水面に水柱が上がり、水飛沫が辺り一面に広がった。
 そして、リーンの回りを透明の膜『水泡すいほう』で包む。
「リーン!」
 側にいた男が手を伸ばし、リーンに触れようとしていた。
 誰だ?この男は?
 リーンは苦笑いして、男を見る。
 こんなリーンは見たことがない…。
「リーン!」
 男が叫ぶ声が聞こえたが、フールシアはリーンの入った『水泡』を掴むと、水中に潜った。

 フールシアは水中を移動して、かつて知ったる崖の下の洞窟にたどり着いた。
 『水泡』に包まれたリーンと共に水中から上がり、奥にある部屋へ向かうまでに、姿を変え、包まれていたリーンの『水泡』も消え、フールシアの腕の中にいた。
 そのまま奥にある、高さの低い巨大なベットの上にリーンを降ろした。
「さっきのは誰だ」
 いつも一人でいるリーンが一緒にいた男。
 リーンはうつ向きながら、答えた。
「今、一緒に旅をしている仲間だ」
 答えるのが苦しそうな、切なそうな、今までに見たことの無い、表情をしている。
「そんな顔をして、ただの仲間なのか?」
 フールシアは顎を持ち、上を向かせリーンと視線を合わせる。
 迷いと、戸惑い。自分の中で、処理出来ていない感情なのかも知れない。
「まあ、いい…。おいおい聞かせてもらう…」
 そう言って『魔力の交合』をするために、リーンに口付けた。
 
 フールシアはリーンがされるがままに、身体を明け渡していて、様子がいつもと違うことに気付いていた。
 やはり、あの男の事が気になっているのか?
「…気乗りしないみたいだな。…少し趣向を変えよう」
 フールシアは洞窟の外に向かって、『水泡』を放ち、背後からリーンを穿うがち突き上げた。
「んっっ…あっ…あっ…」
 フールシアはリーンの首筋に口付け、耳元で囁く。
「何か別の事を考えているな…」
「…。」
「ココにいる間は俺を見ろ…」
 そう言って両胸の突起をきつく摘まんだ。
「あああっっ…」
 リーンは涙を流していた。
 快楽に溺れる涙ではなく、苦しそうな表情だった。

 フールシアは背後からリーンを抱え、楔を打ち込み、上下に動くたびリーンの髪が揺れ、声が上がった。
「あっ…あっ…あんっ…んんんっ…」
 しばらくすると、水際に『水泡』が戻って来たのに気付き、動きを止め、右手をリーンの前方に掲げた。
「『移動』」
 驚く顔が見たくて、リーンの目の前に男を連れてきた。
「「!?」」
 何が起こったのか、驚いている男とリーンを見て、フールシアはニヤリと笑う。
「リーン。お前の可愛いところを見せてやれ」
 そう言って、フールシアはリーンの両ひざ裏を掴み、左右に開いた。
 リーンは我に返り、蜜を溢しながらち上がっているモノを両手で隠し、涙を溢した。
「嫌っ!見ないで!」
 狼狽えて!涙を流し、恥ずかしそうに頬を染めるリーンを、男は固まったまま、じっとリーンを見ている。
 もしかして、リーンの欲情する姿を見たことがないのか?
 と、言うことは…。
「…抱かせてないのか?」
 二人の様子が、初々しい感じがして不思議だった。
「…そんな…関係じゃ…ない…って…」
 リーンは男の視線にさらされながら、恥ずかしいのか、しどろもどろで答える。
「ふ~ん」
 フールシアは何か面白くなかったので、男の方をみると、股間が反応している事に気付く。
 こっちはその気が有りそうだな…。
「リーンが苦しそうだから、お前が慰めてやれ」
「ちょっと!何を言って!」
 慌てるリーンを横目に、男は顔を赤くして、操られたかのようにリーンに近付いて来て、顔を近づけてきた。
「ちょっとルーク!んっ…っ…」
 やはり、リーンに興味を持っているようだ。
「んっ…っ…んっ…つっ…んっっ…」
 唇が離され、唾液が糸を作り、リーンの身体の力が抜け、もたれ掛かってきた。
 男はリーンが両手で隠している股間に顔を近付け、その隙間から見える濡れた茎に舌を這わし始めた。
「あああっっ…!」
 蜜を溢しながら、悶えるリーン。
「…ダメ…ルークが…ああっ…そんなことを…はぁ…んんっ…ダメ…」
 そう言いながらも、リーンのモノはビクビクと震え、蜜を溢し、快楽から逃げようと腰が揺れ、中のフールシアを締め付ける。
 外からと中からの刺激にリーンの身体が揺れだし、男はリーンが手で隠しているモノを暴き、目の前に曝された、濡れてち上がるモノに熱い視線を向けて、リーンの身体が赤く火照っていくのがわかる。 
「…あっ…」
 視観され、トロリと蜜が流れて、それを男が舌で舐め取っていく。
「あああぁぁ…!」
 俺も、そろそろ限界だな…。
 フールシアは後ろから突き上げた。
「あああっっ…あっ…あああっっ…あっ…あっ…あああっ…!」
 リーンが身悶える声に、益々、硬く反り上げた。

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