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緑の館
癒しの森
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ルークに触られて上がった熱量は何処かへ行き、森の中を少し歩いて落ち着きを取り戻す。
どうしたんだろう…。
いつもなら、あのまま『魔力の交合』にもつれ込んでいる…。
人に見られようが、構わないくらい慣れさせられたから、少しの抵抗しかない…。
どうせ理性が飛んで、周りが気にならなくなってしまうからだ。
だけど…さっきは…何故か羞恥心が先行した。
それに、触られて気持ち良かったのと、拒絶された感じに、混乱している。
何でこんなに、気持ちが揺れる…。
少し、距離を置こう…。
リーンはしゃがみこみ、頭を抱える。
ダメだ…!
…明日、ココを出ていこう…。
屋敷にいれば、何処かで会い、不意に触れてしまい兼ねない…。
明日、魔法石の使い方を再確認して、魔法剣を返して、ミーネに挨拶して…。
…気持ちより…身体の方が先に…ルークの魔力を求めてしまう…。
それが怖い…。
屋敷から出て、山を歩けば直ぐに忘れる…。
リーンは気を取り直して、木に果物がなっている、奥地へと向かった。
ある程度、整備されているのでとても歩きやすい。
鳥のさえずりと、落ち葉や小枝を踏む音。
この静寂な空気が気持ちいい…。
目的地にたどり着くと、たくさん延びた枝に連なって、房のように実が付いている果実を一房とり、一粒づづ口に入れた。
少し酸味のある、甘い果実を口にして、ほっと一息つく。
その場に座り込み、ぼーっとしながら果実を口に入れていると、小さな小動物が近付いて来た。
普段は木の実を食べている、尻尾の大きいリス…だろうか?
手のひらに果実を少し千切って乗せ、差し出すと、じんわりと近付いて来て、一粒持って逃げていく。
その様すが可愛くて、笑みが浮かぶ。
しばらくすると、もう一匹を連れて戻ってくる。
そして、また、ゆっくりと近付いて来て、一粒持つと逃げていく。
この穏やかな時間が好きだ。
いつまでも、こうして居たいくらい…。
直ぐ側に街があるのに、これだけの自然と静寂を保っているのは、やはりミーネの結界があるおかげだろう…。
心地好く、離れ難くなってしまう。
だけど、いつまでもココには居れない。
日差しが傾き、ふわりと『風霊』が、頬をかすめる。
そろそろ、戻らなくては…。
小動物の為に、持っていた果実をばらして、大きめの葉っぱの上に乗せ、立ち上がって、新たに熟した果実を五房取って、その場を後にした。
屋敷を出ていく準備をしよう。
小さな魔法石をポーチに入れ、洗濯された着替えももらって、直ぐにでも出ていける様に…。
どうしたんだろう…。
いつもなら、あのまま『魔力の交合』にもつれ込んでいる…。
人に見られようが、構わないくらい慣れさせられたから、少しの抵抗しかない…。
どうせ理性が飛んで、周りが気にならなくなってしまうからだ。
だけど…さっきは…何故か羞恥心が先行した。
それに、触られて気持ち良かったのと、拒絶された感じに、混乱している。
何でこんなに、気持ちが揺れる…。
少し、距離を置こう…。
リーンはしゃがみこみ、頭を抱える。
ダメだ…!
…明日、ココを出ていこう…。
屋敷にいれば、何処かで会い、不意に触れてしまい兼ねない…。
明日、魔法石の使い方を再確認して、魔法剣を返して、ミーネに挨拶して…。
…気持ちより…身体の方が先に…ルークの魔力を求めてしまう…。
それが怖い…。
屋敷から出て、山を歩けば直ぐに忘れる…。
リーンは気を取り直して、木に果物がなっている、奥地へと向かった。
ある程度、整備されているのでとても歩きやすい。
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この静寂な空気が気持ちいい…。
目的地にたどり着くと、たくさん延びた枝に連なって、房のように実が付いている果実を一房とり、一粒づづ口に入れた。
少し酸味のある、甘い果実を口にして、ほっと一息つく。
その場に座り込み、ぼーっとしながら果実を口に入れていると、小さな小動物が近付いて来た。
普段は木の実を食べている、尻尾の大きいリス…だろうか?
手のひらに果実を少し千切って乗せ、差し出すと、じんわりと近付いて来て、一粒持って逃げていく。
その様すが可愛くて、笑みが浮かぶ。
しばらくすると、もう一匹を連れて戻ってくる。
そして、また、ゆっくりと近付いて来て、一粒持つと逃げていく。
この穏やかな時間が好きだ。
いつまでも、こうして居たいくらい…。
直ぐ側に街があるのに、これだけの自然と静寂を保っているのは、やはりミーネの結界があるおかげだろう…。
心地好く、離れ難くなってしまう。
だけど、いつまでもココには居れない。
日差しが傾き、ふわりと『風霊』が、頬をかすめる。
そろそろ、戻らなくては…。
小動物の為に、持っていた果実をばらして、大きめの葉っぱの上に乗せ、立ち上がって、新たに熟した果実を五房取って、その場を後にした。
屋敷を出ていく準備をしよう。
小さな魔法石をポーチに入れ、洗濯された着替えももらって、直ぐにでも出ていける様に…。
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