神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

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緑の館

森の湖 2 ~葛藤~ *

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 ルークは、森の中に入って行くリーンを見かけ、追いかけていった。
 リーンが岸辺で服を脱ぎ、湖に袋をもって入り、湖の中心で小さな光を放ち、潜っていくのを遠目で見ていた。
 が、何時いつになっても浮上してこない。
 …さすがに、これだけ長く潜っていれないだろう。
 不安で、脱いだ服の有る岸辺に降りてきて、辺りを見回す。
 どこかに上がってきている気配もない…。
 ルークは急いで靴と上着を脱ぎ、湖の中へ足を入れた。
 沈んでしまっているのでは無いかと、不安に駆られ、湖の中に潜った。
 視界は綺麗だが、この広い湖を探すのは無謀だ…。
 そう思いながらも、探さずには入れなかった。
 もがきながら潜っていると、誰かが近付いてきた。
 その人が頬を掴み、唇を合わせ、口の中に何かを舌で押し込んできた。
 ルークは目を見開き驚いて、それがリーンだと気付き、口を開こうとして、空気が漏れ、慌てて口を閉じた。
 そして、リーンは水面へ泳いでいった。

 ルークが水面に顔を出し、濡れた金色の髪をかき上げた。
「何やってるんだ!服のまま、水の中に入るなんて!」
 ルークはバツが悪そうに顔を歪めた。
 沈んでいたわけではない…のか…。
「…お前が…潜ったまま…上がって…来なかったから…沈んで…しまったのかと…」
「…。」
 これだけの保有魔力を持っている者が、そんな筈がないのに…、冷静さが何処かへ、いってしまっていた…。
「私には『空の石』が、有るから長時間水中に居れる…」
「…コレ…すごいな…」
 ルークは口の中の『空の石』を舌で触る。
 水中で、息ができる、不思議な石だ。
「…なぜ、付いてきた…」
 リーンが複雑そうな顔をして、こちらを見ている。
「…リーンの見てる世界を、見たくなった」
 リーンが、ため息をつく。
 そんな理由が通じるのだろうか?
「…だったら、そう言えばいい。…取り敢えず、服を脱いで。水の抵抗で引っ張られるから…」
 二人は岸辺に向かい、ルークだけが水から上がって、身体に張り付いた服を脱ぎだす。
 さすがに脱ぎにくい…。
 服を脱ぎ、ズボンを脱ぎかけて気付く。
 ヤバい…半勃はんたちになってる…。
 リーンが全裸で、水中を潜って泳いでる姿を見て、反応しないわけ無い…。
 あの日から、身体が勝手に反応…するようになってしまった…。
 ルークの葛藤をよそに、その様子をリーンはじっと見ていた。
 ルークは、下着を一枚履いたまま、再び、湖に入ってくる。
「…脱がないの?」
 リーンにそう言われて、ルークは頬を染めてリーンを見る。
 …半勃はんたちなってるんだ!
 見せれる分けないだろ!
「脱げないんだよ!お前こそ、せめて下、履けよ!」
「…誰も居ないし…」
 そう言う問題では無い…。
 頼むから、履いてくれ…。
 完勃かんたちになるだろ…。
「今は、俺がいる。…目のやり場に困るんだよ…」
「…。」
 リーンは仕方がなく湖から上がり、ジョックストラップを履いた。
 均等な身体付きに、前だけ隠して…、それが、似合っていて…色っぽくて…。
 ヤバい…そうだった!
 その下着…ますますヤバくなってきた…!
 リーンが再び湖に入ってきた。
 ルークは前を押さえ、バレない様に背を向けた。
 このまま直視できない…。
 リーンが湖の中へ歩き出し、後を追っていった。
  
 そして、二人は湖の中心に向かって泳ぎ出した。
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