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緑の館
魔法石
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リーンは魔法石の欠片を、ビー玉ぐらいの丸い形に成形した。
その方が扱いやすく、魔力に馴染むからだ。
浅い木製の箱に布を敷き、それらのサイズを別けて並べていく。
小さ過ぎて、魔力の弱いものだけは袋に入れ、半分も終わらない内に、お昼だと呼びに来られてしまった。
この分だと、今日中に終わらない…。
午後からの訓練で、どこまで出きるようになったかを確認する。
『空の壁』で器を作れたジェスは『水球』を作れる様になっていた。
さすがだね…。
「ジェス。魔法石を選んで、コレを核に『水球』を作ってみて」
アオが持ってきていた、浅い木の箱に入った魔法石を選び、再び『水球』を作り出す。
「…コレって…」
ジェスはさっさとは違う感覚にリーンを見る。
「核が有れば『天水球』が作れるだろ」
リーンは微笑んだ。
ジェスは、魔法石の効果にちゃんと気付いた。
「後は、どれだけ中に溜め込むことが出きるか…。圧縮より多くの量が入るからね」
ジェスは頷き、魔法石を核にした『水球』を手に取る。
そして、近くに流れる小川に向かった。
川からの水を溜める練習にだ。
魔方陣を木の実に込める。を、やっていたカズキは、破裂しないようになっていた。
なので、魔法石を選んでもらい、その魔法石の中に魔方陣を押し込めてもらう。
「幾つまで入るかわからないけど、回りの強化をあまりしなくても、覚えさせることが出きるから…」
カズキは目を丸くして、すんなり押し込められるのを見ていた。
「あくまでも、補佐だから木の実で出きるように練習はしてね」
これはどの属性でも出きるから、最終的に全員が練習していたみたいだ。
なので全員に、出来上がっている、丸く加工した魔法石を選んでもらった。
魔法石との相性があるし、どこまで使えるかは、わからない。
「一個選んで。コレが魔法を安定させるのを手伝ってくれるから…」
それぞれに選んでもらって、再び練習に励んでもらう。
…やっぱり優秀だね。
完全に使いこなせれば、もう一個くらい使える様になるかも…。
全員がそれぞれ、魔法石を使って練習し始めたので、魔法石の入った箱を手に、練習場の端へ向かった。
そこには、ルークが居て全体の様子をうかがっていたからだ。
リーンが近付くと、ルークも気付き、じっと見てくる。
「ルークはまだ、魔法石を選んで無いだろ」
「俺は…」
ルークは少し戸惑いながら、魔法石を見る。
「一個、選んで…」
ルークはじっと見つめ、ひとつに手を伸ばし、つまみ上げた。
「ふ~ん…。もう一個選んで」
ルークは左手の、手のひらに魔法石を乗せ、再び魔法石を一個つまみ上げる。
「なるほど…。もう一個…」
それを繰り返し、ルークの手元に五つの魔法石があった。
無意識にだろうが、ちゃんとバランスよく選らんでる。
これで、魔法が使えないのが、惜しい気もする。
解読は苦手だからな…。
ルークに掛けられた魔法は複雑すぎて、見えなかった。
ああ、たぶん…なら、解読出来るかも…。
ふと、一人の顔が浮かんだが、すぐに書き消した。
あまり近づきたく無い場所だからな…。
それより、コレを何にするか…。
「身に付けるとしたら、何が良い?」
「?」
ルークが不思議そうにリーンを見る。
「この魔法石を身に付けるのに、ブレスレット、指輪、ネックレスとかなんだけど…」
「あまりそういうのは、身に付けないからな…」
ルークは苦笑いし、魔法石をぐっと握る。
すると、ほんのり淡く魔力が立ち上るのが見えた。
「…やっぱり魔法石が、掛けられた魔法を中和してくれる…」
その言葉にルークはハッと顔を上げた。
リーンは手を差し出し、ルークが選んだ魔法石を受け取って、別の入れ物に入れる。
「…苦手かも知れないけど、ブレスレットを作ってもらおう。それで、魔力の調整が出きるようになるかもしれない」
そうすれば、少しずつ使える様になるかもしれない。
基本的な魔法しか、使えないかも知れないけれど、全く使えないよりは良い…。
生活していく上で、各所に魔法で操作する物がある。
せめてそれだけでも使えるようになれば、気分的にも違うだろう…。
「…リーンは、なぜ、俺達にここまでしてくれる…」
ルークは疑問に思ったことを口にする。
「なぜだろね…。もう暫く…ここに居るためかも…」
リーンは苦笑いし、魔法石の入った箱を持って屋敷の方に、戻っていった。
そう、自分でもわからないのだ…。
その方が扱いやすく、魔力に馴染むからだ。
浅い木製の箱に布を敷き、それらのサイズを別けて並べていく。
小さ過ぎて、魔力の弱いものだけは袋に入れ、半分も終わらない内に、お昼だと呼びに来られてしまった。
この分だと、今日中に終わらない…。
午後からの訓練で、どこまで出きるようになったかを確認する。
『空の壁』で器を作れたジェスは『水球』を作れる様になっていた。
さすがだね…。
「ジェス。魔法石を選んで、コレを核に『水球』を作ってみて」
アオが持ってきていた、浅い木の箱に入った魔法石を選び、再び『水球』を作り出す。
「…コレって…」
ジェスはさっさとは違う感覚にリーンを見る。
「核が有れば『天水球』が作れるだろ」
リーンは微笑んだ。
ジェスは、魔法石の効果にちゃんと気付いた。
「後は、どれだけ中に溜め込むことが出きるか…。圧縮より多くの量が入るからね」
ジェスは頷き、魔法石を核にした『水球』を手に取る。
そして、近くに流れる小川に向かった。
川からの水を溜める練習にだ。
魔方陣を木の実に込める。を、やっていたカズキは、破裂しないようになっていた。
なので、魔法石を選んでもらい、その魔法石の中に魔方陣を押し込めてもらう。
「幾つまで入るかわからないけど、回りの強化をあまりしなくても、覚えさせることが出きるから…」
カズキは目を丸くして、すんなり押し込められるのを見ていた。
「あくまでも、補佐だから木の実で出きるように練習はしてね」
これはどの属性でも出きるから、最終的に全員が練習していたみたいだ。
なので全員に、出来上がっている、丸く加工した魔法石を選んでもらった。
魔法石との相性があるし、どこまで使えるかは、わからない。
「一個選んで。コレが魔法を安定させるのを手伝ってくれるから…」
それぞれに選んでもらって、再び練習に励んでもらう。
…やっぱり優秀だね。
完全に使いこなせれば、もう一個くらい使える様になるかも…。
全員がそれぞれ、魔法石を使って練習し始めたので、魔法石の入った箱を手に、練習場の端へ向かった。
そこには、ルークが居て全体の様子をうかがっていたからだ。
リーンが近付くと、ルークも気付き、じっと見てくる。
「ルークはまだ、魔法石を選んで無いだろ」
「俺は…」
ルークは少し戸惑いながら、魔法石を見る。
「一個、選んで…」
ルークはじっと見つめ、ひとつに手を伸ばし、つまみ上げた。
「ふ~ん…。もう一個選んで」
ルークは左手の、手のひらに魔法石を乗せ、再び魔法石を一個つまみ上げる。
「なるほど…。もう一個…」
それを繰り返し、ルークの手元に五つの魔法石があった。
無意識にだろうが、ちゃんとバランスよく選らんでる。
これで、魔法が使えないのが、惜しい気もする。
解読は苦手だからな…。
ルークに掛けられた魔法は複雑すぎて、見えなかった。
ああ、たぶん…なら、解読出来るかも…。
ふと、一人の顔が浮かんだが、すぐに書き消した。
あまり近づきたく無い場所だからな…。
それより、コレを何にするか…。
「身に付けるとしたら、何が良い?」
「?」
ルークが不思議そうにリーンを見る。
「この魔法石を身に付けるのに、ブレスレット、指輪、ネックレスとかなんだけど…」
「あまりそういうのは、身に付けないからな…」
ルークは苦笑いし、魔法石をぐっと握る。
すると、ほんのり淡く魔力が立ち上るのが見えた。
「…やっぱり魔法石が、掛けられた魔法を中和してくれる…」
その言葉にルークはハッと顔を上げた。
リーンは手を差し出し、ルークが選んだ魔法石を受け取って、別の入れ物に入れる。
「…苦手かも知れないけど、ブレスレットを作ってもらおう。それで、魔力の調整が出きるようになるかもしれない」
そうすれば、少しずつ使える様になるかもしれない。
基本的な魔法しか、使えないかも知れないけれど、全く使えないよりは良い…。
生活していく上で、各所に魔法で操作する物がある。
せめてそれだけでも使えるようになれば、気分的にも違うだろう…。
「…リーンは、なぜ、俺達にここまでしてくれる…」
ルークは疑問に思ったことを口にする。
「なぜだろね…。もう暫く…ここに居るためかも…」
リーンは苦笑いし、魔法石の入った箱を持って屋敷の方に、戻っていった。
そう、自分でもわからないのだ…。
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