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プロローグ
あの人
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あの人が、別れる前に言った。
「きっとリーンも、いつか分かるときが来る。自分の全てを投げ出してでも、護りたいもの。叶えたい…願い。叶えてあげたい願い。そんな時が来る」
私には、いまだに、そんな風に思える者はいない。
たくさんの出会いと別れを繰り返し、ゆっくりと流れる時間の中を渡り歩く…旅人。
獣人や水人、魔女、人族…。
いろんな種族と交流してきたが、あの人より『無くしたくない…』と思える者はいない。
いつか、そんな風に思える時が来るのだろうか…。
森の奥の魔素の多い『森の聖域』に暫く戻っていないからか、最近、魔力の回復が遅い…。
そろそろ帰らないと…。
けれど今、かなり離れた王都の近くまで来てしまっている。
王都に近くにつれ建物が多くなり、木々の多い場所が減っているせいか、『風霊』達の声も聞きづらい。
だけど、もう暫く、ここに留まらなくてはいけない気がした。
『風霊』が呼んでいる。
風に呼ばれてリーンは、隣町のカタヤを目指した。
それが旅の終わりを告げる、出会いの始まりとは知らずに…。
「きっとリーンも、いつか分かるときが来る。自分の全てを投げ出してでも、護りたいもの。叶えたい…願い。叶えてあげたい願い。そんな時が来る」
私には、いまだに、そんな風に思える者はいない。
たくさんの出会いと別れを繰り返し、ゆっくりと流れる時間の中を渡り歩く…旅人。
獣人や水人、魔女、人族…。
いろんな種族と交流してきたが、あの人より『無くしたくない…』と思える者はいない。
いつか、そんな風に思える時が来るのだろうか…。
森の奥の魔素の多い『森の聖域』に暫く戻っていないからか、最近、魔力の回復が遅い…。
そろそろ帰らないと…。
けれど今、かなり離れた王都の近くまで来てしまっている。
王都に近くにつれ建物が多くなり、木々の多い場所が減っているせいか、『風霊』達の声も聞きづらい。
だけど、もう暫く、ここに留まらなくてはいけない気がした。
『風霊』が呼んでいる。
風に呼ばれてリーンは、隣町のカタヤを目指した。
それが旅の終わりを告げる、出会いの始まりとは知らずに…。
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