先読み~あなたが一緒じゃなければ眠れない~⦅完結⦆

ゆう

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日常

朝寝坊 *

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 アヤトはふと眼を覚めし、辺りを見回す。
 見覚えの無い部屋…。
 アヤトはハッとして、飛び起きた。
「今、何時?!」
「…う~ん…九時回ったところかな…」
 隣でハズキが眠そうに答えてくれる。
 そうだった。
 昨日はハズキの部屋で…。
 グシャグシャになったシーツを見て思い出し、アヤトは頬を染めるが、ハッとする。
「朝食?!」
 アヤトがベットから立ち上がろうとすると、ハズキに腰を捕まれ引きずり倒される。
「ハズキさん!」
 アヤトはハズキの腕に閉じ込められて動けない。
「朝寝坊するの…。昨日、朝食の準備をしたでしょう」
「でも!」
 昨日、朝食の準備はした。
 だけど、食堂の様子が気になってしたかない…。
 …職業病だろう…。
「今日の朝は、アヤトの休み」
 ハズキはそう言って、アヤトをベットに押し倒し、覆い被さり腰を押し付けてくる。
「…んっ…」
 ハズキの硬いモノが、アヤトの太股の内側に押し付けられる。
 …朝ち…なのか…。
 そう思ったら、ハズキのソレを思い出し、カッと赤くなってアヤトの内股が疼いた。
 朝からと、思うけれど、教え込まれた身体が熱を持って体温を上げ、勝手に腰が揺れてしまう。
「…んっ…」
 互いのモノを擦り付け合わせ、ハズキが口付けてくる。
「…んっ…あああ…」
 気持ちが良い…。
 ハズキの温もりが、気持ち良い…。
 

 昼前になり、やっとハズキから解放され、アヤトはシャワーを浴びた。
 と、言っても、一緒にシャワールームに入ってきて、『中に出したのを洗ってあげる』と、さんざん中を掻き回されて、何度もイってしまった…。
 まだジクジクと疼いていたが、ハズキをシャワールームから押し出し、やっとゆっくりとシャワーを浴びれたのだ。
 そしてふと思う。
 着替えが無い…。
 脱ぎ散らかした服が、シャワールームの前に落ちていたような…。
 アヤトはシャワーを止めて、そっと部屋を覗くと、ハズキはベットに横たわっていたので、服を拾って…、タオルが無い…。
 仕方ないので、自分のシャツで身体を拭き、ズボンを履いてシャワールームを出た。
 そしてハズキの服が部屋の端にかけてあったので、ソレを拝借した。
 さすがに少し大きい…。
 だが、そんな事は言ってられないので、ハズキの服を着て部屋を出た。
 
 さすがにお腹が空いた。
 朝食、抜きだもんな…。
 規則正しい生活をしているアヤトにとって、食事を食べないと…食べれないと言うことは珍しかった。
 アヤトは一階に下り食堂に行くと、ガラスケースの中を覗き、ホッと息をついた。
 おにぎりが三個残っているだけで、あの大量に作ったおにぎりは無くなっていたからだ。
 皆、ケースの中に置いてあるのを分かってくれたんだ。
 一応、メモには書いたが、読んでいない者もいるだろう…。
 冷凍庫の味噌汁の味噌玉も半分は使用され、使用済みの食器が山積みにされていた。
 大丈夫みたいだね…。
 アヤトは残っている量を確認すると、ガラスケースの中に残っていた、おにぎりを一つ手にとって、噛りつきながら、冷凍庫から取り出した味噌玉を茶碗に入れて、お湯を注ぎ味噌汁を作り、空腹を満たしながら、ぼんやりと考えた。
 今の僕とハズキさんの関係って、何なんだろう…。
 身体を繋げて、気持ち良くなって…。
 …ソレだけの…関係…?
 ハズキさんとの事が、嫌ではない事だけは確か…。
 恥ずかしいけれど…。
 それに今回は、二回目だと言うのも有るのか、ハズキが優しくしてくれたのも有るのか、身体はそれほど辛くない…。
 気だるいのは仕方ないが、初めての時みたいに、筋肉痛や関節が痛くて立っているのが辛い事はない…。
 強いて言うのならば、叫びすぎて少し喉が痛い…。
 ハズキとの曖昧な関係…。
 サクラさんに知られたら、恥ずかしいよな…。
 と、言うか、この間の事が有るから、朝食が準備されている時点で、僕がハズキさんの所に行ってたの、屋敷の住人達に知られているって事だよね…。
「…。」
 アヤトは頬を染めた。
 あまり深く考えないでおこう…。
 アヤトはおにぎりを食べ終わると、調理場の方に向かい食器の後片付けに入った。
 ハズキさん、食べに下りて来るかな…。
 
 
 それからは、いつもと変わらない日々が続いた。

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