20 / 38
日常
ハズキの楽しみ 1
しおりを挟む
隣に感覚されたとは言え、アヤトを無理やり抱いた翌日、ハズキはアヤトのベットで眼を覚ました。
何か頭に一撃当たった痛みに眼を覚ましたのだ。
ぼんやりとしながら隣を見ると、眠っていたはずのアヤトが居ない…。
手を伸ばせば、アヤトがいた場所に、ほんの少し温もりが、まだある。
隣の部屋の声に当てられて、自分がこんな風に暴走するとは思わなかった。
それも、アヤトのベットに潜り込むなんて…。
とは言え、ニヤニヤが止まらない…。
アヤト、可愛かったな…。
快楽に溺れて、最後には『もっと…』って、恥ずかしそうに腰を振るアヤトの姿に、滾らないわけにはいかない…。
つくづく、今まで、よく手を出さなかったと思うくらいだ。
ハズキはアヤトを抱いた事に後悔は無かった。
誤算は、アヤトが屋敷の住人の、朝食とお弁当を作らなくてはいけないことだった。
ハズキがアヤトの部屋から出てくると、アヤトに睨まれ、屋敷の住人から非難の視線を受け、朝食に出された唐揚げの山を見て納得した。
朝から唐揚げ…。
それも仕事組は、弁当も唐揚げ…。
…ウッ。
汁物無し…。
なんとかしないと、もう二度と、アヤトの可愛い姿を見れなくなってしまう…。
ハズキは最善の方法を考えるしかなかった。
アヤトのご機嫌取りではないが、今日は街に買い物へ行く日だから、一緒に行って、以前からアヤトを連れていこうと思っていた場所に、ドライブしようと思った。
…アヤトは疲れているみたいだし、気分転換になるだろう。
…まぁ、半分、そうしてしまった責任はあるし…。
アヤトと二人で市場で買い物して、増えてきた荷物を魔動車に乗せに行く途中、ビンに入った天然のオイルが目についた。
…いわゆる潤滑油…。
ハズキは足を止め、なるべく匂いのしないモノを、取り敢えず二本買った。
アヤトは料理をするから、変な匂いが付くのを嫌がる。
特に香水なんかを付けていると、部屋には絶対いれてくれない。
ハズキは良い収穫だと思いながら、自分の鞄にしまった。
ドライブ先の街外れの花屋さんは、アヤトに喜ばれた。
もともと屋敷の花壇に花を植えたり、片隅でハーブを植えて育てているのを知っていたからだ。
いつも屋敷の掃除と料理に、追い回されてるように見えて、その中でも、草木花などをに触れている時が、自然と笑みが浮かんでいて、癒されているようだったからだ。
アヤトのやる気が有れば、庭に土を盛って、家庭菜園でも始めると、もっと楽しくなるかな…。
ハズキはそんな事を思いながら、店の店員にちょっと話を聞いてみると、トラック一杯分単位で土を運んでくれるそうだ。
どこに畑を作ろうかな…。
屋敷の敷地は広い。
魔動車と、飛行船の邪魔にならない場所で、日当たりが良くて…。
あっ、僕の部屋から見える庭にしよう。
翌日、アヤトを誘って家庭菜園の候補地、僕の部屋の横辺りに、枝で地面に線を書いた場所を示した。
アヤトは複雑そうな顔をしていた。
えっ、この場所だとダメ?
僕にとって最高の場所なのに…。
そう思っていると、大きな音と爆風が二人を襲った。
ハズキは慌ててアヤトを抱き抱え、風から守り、音のした方を探った。
そして空を見上げ、青ざめる。
空から煙を上げて何かが落ちている。
ハズキはハッとした。
…飛行船が爆発した…。
部屋にいたカイトも二階の窓から空を見上げ、慌ただしく部屋に戻った。
きっと連合軍のサクラの方へ、状況確認の連絡をするのだろう。
緊急招集がかかるかも知れない…。
しばらくすると、カイトが庭を突っ切って、小型の飛行船の格納庫へと走っていった。
呼び出しがかかって、連合軍へ行くのだろう…。
ハズキはアヤトを促して、屋敷の中へ戻った。
状況が気になるが、何か有ればサクラが連絡してくるだろう。
ハズキは能天気に考え、今、一番重要なアヤトを攻略にかかる。
「それでね、今日の仕事終わったら、僕の部屋においでよ」
「…なんで?」
「一昨日の続きをしよう。今度は優しくするから」
あの時は、何も準備せずに、欲求のままアヤトを抱いた。
今度はアヤトの快楽を探し出すように、ゆっくりと教えていって、僕の事を欲しくてたまらなくなるように、アヤトの身体に快楽を刻み込もう。
ハズキは思い出して口許に笑みを浮かべる。
「…。」
アヤトは一瞬硬直したが、再び片付けを始めた。
食器の音だけで、沈黙が続く…。
返事をしてくれない…。
「なんで無視するの?一緒に気持ち良くなろうよ…」
「…昨日みたいに、朝食を作りたくない」
アヤトは頬を染めて言う。
そう言うと思ってた。
でも、ソレって僕の事を拒絶していないって事だよね。
ソレさえ解決すれば、僕の部屋へ来る気は有るって事だよね。
ハズキは口元をニヤケさせて、この間、どうやってアヤトを誘うかを考えた提案をする。
「…それなら、アヤトが居なくても良いように、前日に、おにぎりとかサンドイッチとか、暖めるだけの汁物とかスープを準備して…」
朝食の準備の時間に、起きなくても良いように。
「弁当、どれだけ作ると思ってるんだ!」
「翌日弁当が無い土曜日の夜に、日曜日の朝の準備して、一緒に朝寝坊しようよ」
「…。」
どうだ!
僕が考えた、朝寝坊のための最善の方法!!
アヤトが悩んで、直ぐに返答がなく、考えている。
と、言うことは、良いって事だよね。
ダメな時は即答で返事が返ってくる。
「決まり!約束だからね!」
ハズキはそう言って食堂を出た。
今週末が楽しみだ。
何か頭に一撃当たった痛みに眼を覚ましたのだ。
ぼんやりとしながら隣を見ると、眠っていたはずのアヤトが居ない…。
手を伸ばせば、アヤトがいた場所に、ほんの少し温もりが、まだある。
隣の部屋の声に当てられて、自分がこんな風に暴走するとは思わなかった。
それも、アヤトのベットに潜り込むなんて…。
とは言え、ニヤニヤが止まらない…。
アヤト、可愛かったな…。
快楽に溺れて、最後には『もっと…』って、恥ずかしそうに腰を振るアヤトの姿に、滾らないわけにはいかない…。
つくづく、今まで、よく手を出さなかったと思うくらいだ。
ハズキはアヤトを抱いた事に後悔は無かった。
誤算は、アヤトが屋敷の住人の、朝食とお弁当を作らなくてはいけないことだった。
ハズキがアヤトの部屋から出てくると、アヤトに睨まれ、屋敷の住人から非難の視線を受け、朝食に出された唐揚げの山を見て納得した。
朝から唐揚げ…。
それも仕事組は、弁当も唐揚げ…。
…ウッ。
汁物無し…。
なんとかしないと、もう二度と、アヤトの可愛い姿を見れなくなってしまう…。
ハズキは最善の方法を考えるしかなかった。
アヤトのご機嫌取りではないが、今日は街に買い物へ行く日だから、一緒に行って、以前からアヤトを連れていこうと思っていた場所に、ドライブしようと思った。
…アヤトは疲れているみたいだし、気分転換になるだろう。
…まぁ、半分、そうしてしまった責任はあるし…。
アヤトと二人で市場で買い物して、増えてきた荷物を魔動車に乗せに行く途中、ビンに入った天然のオイルが目についた。
…いわゆる潤滑油…。
ハズキは足を止め、なるべく匂いのしないモノを、取り敢えず二本買った。
アヤトは料理をするから、変な匂いが付くのを嫌がる。
特に香水なんかを付けていると、部屋には絶対いれてくれない。
ハズキは良い収穫だと思いながら、自分の鞄にしまった。
ドライブ先の街外れの花屋さんは、アヤトに喜ばれた。
もともと屋敷の花壇に花を植えたり、片隅でハーブを植えて育てているのを知っていたからだ。
いつも屋敷の掃除と料理に、追い回されてるように見えて、その中でも、草木花などをに触れている時が、自然と笑みが浮かんでいて、癒されているようだったからだ。
アヤトのやる気が有れば、庭に土を盛って、家庭菜園でも始めると、もっと楽しくなるかな…。
ハズキはそんな事を思いながら、店の店員にちょっと話を聞いてみると、トラック一杯分単位で土を運んでくれるそうだ。
どこに畑を作ろうかな…。
屋敷の敷地は広い。
魔動車と、飛行船の邪魔にならない場所で、日当たりが良くて…。
あっ、僕の部屋から見える庭にしよう。
翌日、アヤトを誘って家庭菜園の候補地、僕の部屋の横辺りに、枝で地面に線を書いた場所を示した。
アヤトは複雑そうな顔をしていた。
えっ、この場所だとダメ?
僕にとって最高の場所なのに…。
そう思っていると、大きな音と爆風が二人を襲った。
ハズキは慌ててアヤトを抱き抱え、風から守り、音のした方を探った。
そして空を見上げ、青ざめる。
空から煙を上げて何かが落ちている。
ハズキはハッとした。
…飛行船が爆発した…。
部屋にいたカイトも二階の窓から空を見上げ、慌ただしく部屋に戻った。
きっと連合軍のサクラの方へ、状況確認の連絡をするのだろう。
緊急招集がかかるかも知れない…。
しばらくすると、カイトが庭を突っ切って、小型の飛行船の格納庫へと走っていった。
呼び出しがかかって、連合軍へ行くのだろう…。
ハズキはアヤトを促して、屋敷の中へ戻った。
状況が気になるが、何か有ればサクラが連絡してくるだろう。
ハズキは能天気に考え、今、一番重要なアヤトを攻略にかかる。
「それでね、今日の仕事終わったら、僕の部屋においでよ」
「…なんで?」
「一昨日の続きをしよう。今度は優しくするから」
あの時は、何も準備せずに、欲求のままアヤトを抱いた。
今度はアヤトの快楽を探し出すように、ゆっくりと教えていって、僕の事を欲しくてたまらなくなるように、アヤトの身体に快楽を刻み込もう。
ハズキは思い出して口許に笑みを浮かべる。
「…。」
アヤトは一瞬硬直したが、再び片付けを始めた。
食器の音だけで、沈黙が続く…。
返事をしてくれない…。
「なんで無視するの?一緒に気持ち良くなろうよ…」
「…昨日みたいに、朝食を作りたくない」
アヤトは頬を染めて言う。
そう言うと思ってた。
でも、ソレって僕の事を拒絶していないって事だよね。
ソレさえ解決すれば、僕の部屋へ来る気は有るって事だよね。
ハズキは口元をニヤケさせて、この間、どうやってアヤトを誘うかを考えた提案をする。
「…それなら、アヤトが居なくても良いように、前日に、おにぎりとかサンドイッチとか、暖めるだけの汁物とかスープを準備して…」
朝食の準備の時間に、起きなくても良いように。
「弁当、どれだけ作ると思ってるんだ!」
「翌日弁当が無い土曜日の夜に、日曜日の朝の準備して、一緒に朝寝坊しようよ」
「…。」
どうだ!
僕が考えた、朝寝坊のための最善の方法!!
アヤトが悩んで、直ぐに返答がなく、考えている。
と、言うことは、良いって事だよね。
ダメな時は即答で返事が返ってくる。
「決まり!約束だからね!」
ハズキはそう言って食堂を出た。
今週末が楽しみだ。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる