先読み~あなたが一緒じゃなければ眠れない~⦅完結⦆

ゆう

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日常

眠れない…。**

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 アヤトがベッドに入り、ウトウトと寝落ち仕掛かったとき、ガタリと部屋の扉が開き、ぼんやりと視線を向けると、ハズキさんがそこに立っていた。

 どうしたんだろう…。
 奥のベッドの有る部屋まで来ることは滅多に無い…。
 アヤトは身体をお越し、ハズキに訪ねる。
「どうしたの?」
「眠れない…。隣が、うるさくて…」
「…。」
 …隣が…うるさい…?
 アヤトは首を傾げた。
「ちょっとベッド、半分貸して…」
 ハズキはそう言って、強引にアヤトのベッドの中に潜り込んでくる。
 シングルベッドだから広くはないので、アヤトは壁際に寄り、ハズキの方に背中を向けて身体を横たえた。
 誰かと一緒に眠るのは久しぶりだ…。
 触れている背中が温かくて、眠気が…。
 アヤトが再びウトウトとし始めると、ハズキが身動ぎしてアヤトに触れてきた。
「…眠れない…」
 ハズキがそう言ったように聞こえた。
 眠りに落ちそうなアヤトは聞き流し、ハズキの大きな手が、ゆっくりとアヤトの身体を撫でて来たのにも、半分眠っていたアヤトは特に気にしなかった。
 子供の頃…兄さんと一緒に添い寝して以来だ…。
 アヤトはうつらうつらとしていたが、ハズキの手が直接身体に触れてきたが、「んっ?」思ったくらいだ。
 身体がザワザワするが、それよりも寝落ち寸前のアヤトの身体は眠っいて、身体が動かない…。
 だが、ハズキの手が触れる部分が、こそ場痒くてアヤトは身動ぎする。
「…んっ…」
 目蓋が重く目が開けられない…。
 背中に触れていたハズキの体温が急に上がった気がした。
 …触れているところが…暑い…。
 うつらうつらと、眠りと現実を行き来する…。
 アヤトはもう、夢を見ているのか、現実なのか分からなくなっていた。

 夢の中でハズキの手がお腹をなぞり、ヘソをくすぐって、下へと降りて行き、アヤトのモノがハズキの手にキュッと捕まれた。
 …えっ…?
 なんか…捕まれてる…?
 …んっ…ハズキ…さん…?
 半分眠っていて、思考だけがかろうじて起きているアヤトは、背後のハズキの方を見ようするが、身体が動かない…。
 ハズキはアヤトの中心を撫でるように、上下に動かしだす。
 何で、そこを掴んで…?
「…んっ…」
 アヤトの声が漏れる…。
 …ハッハズキ…さん? 
 夢の中で戸惑うアヤトを横目に、ハズキはアヤトの中心をユルユルとシゴキだす。
「アッ…やっ…んっ…」
 自分が出している声とは思えない声を聞いて、眠っているのにゾクリとした刺激がアヤトを襲い、下半身がブルリと震える…。
 …何で…ハズキさんが…僕の…。
 羞恥心に身体が熱くなる…。
 …背後で寝ているハズキさんの体温を感じるからと言って、こんな夢を見るなんて…。
 僕は欲求不満だったのか…?
 僕が気付いていないだけで、願望が夢になってるのか?
 アヤトは狼狽えた。
 そんなアヤトの腰下から、ハズキの手がアヤトの身体をなぞるように侵入してきて、アヤトを背後から抱き締めるように胸の突起をクニクニと摘まみ擦りだし、密着したハズキの硬いモノがアヤトの太股に押し付けられる。
 リアルな温もりにアヤトは戸惑う。  
 …本当に、夢…?
「…んっ…つッ…」
 ムズムズした刺激と、他人の欲望を押し付けられ、アヤトはどうしたら良いのか分からなくて…逃れようとしても、動かない身体はハズキに押し付けるようにしかならなくて…。
 押し付けられる欲望の熱まで感じとるなんて…。
「んっ…あアッ…」
 羞恥心に顔を赤く染めて、身体の奥から熱いものが飛び出そうとして…。
 夢なのに下半身が反応して…。
 止められなくて…。
 なんか出ちゃう…。
「あアッ…んんんっ…つっ!!」
 アヤトは夢の中で、ハズキの手の中に白濁を飛ばした。
 夢なのに、生々しくて、恥ずかしいのと身体が熱いのと…。
 どうしてしまったんだ…?
「はぁ…はぁ…はぁ…」
 アヤトが荒い息を整えていると、視界が開けてきた。
 あれっ…?
 夢…?
 でも下半身が濡れてる感じがする…?
 あれっ…夢精…した…?
 アヤトの思考が、はっきりとしてきて、いつの間にか身体の下に敷いてたハズキの腕が抜かれ、アヤトの身体が仰向けにされ、アヤトが天井を見上げると、視界に苦し気に顔を歪めるハズキが見えた。
「…ハズキ…さん…?」
 あれっ…?
 夢ではないのか…?
 アヤトは肌寒さに頭を起こすと、自分のパジャマがはだけられ、ズボンも腰まで下がっていることに気が付き慌てる。
「エッ?!何?!」
 ハズキは半分ずり落ちていた掛け布団をめくり、アヤトの身体から下着ごとパジャマのズボンを引きずり下ろして脱がせ、アヤトの両足が閉じないように、ハズキの身体を挟ませて、アヤトを見下ろしてきた。
 アヤトの身体がカッと熱くなる。
 あの…すごい状態なんだけど…。
 パジャマの上をはだけ、下は裸のままハズキの身体を挟んで、僕の息子が天井を向いている…。
 恥ずかしすぎ…。
 アヤトが両手で顔を隠すと、ハズキの切羽詰まった声に、アヤトの身体がビクンと跳ねる。
「…アヤト…」
 アヤトは指の間からそっとハズキを見る。
 知らない…。
 こんな真剣な眼差しで…怖いハズキさんは…知らない…。
 怯えるアヤトにハズキは身体を重ねてきて、顔を隠すアヤトの両手首を掴み、顔から引き離し、アヤトの唇に触れてくる。
「…んっ…」
 始めは軽く触れるだけだったが、次第にアヤトの口内にハズキの舌が侵入してきて、舌が絡み合いアヤトの口元から唾液が溢れだす…。
 アヤトの手首はハズキに押さえられ、逃れようとするが逃れられない…。
 そしてアヤトの知らない痺れと熱が、アヤトの身体を襲う…。
「…ふぅんっ…んっ…」
 不意に下半身に熱いものが触れ、アヤトのモノに擦り付けられアヤトの腰がうごめく。
「んっ…あアッ…」
 熱を持つ身体とは別に、どこか隅っこで冷静な自分がいた。
 ひたりと擦れるのが、気持ちいい…。
 これって…ハズキさんの…だよね…?
 …この状況って…えっと…。
 もしかして、僕、ヤバイ…?
 もしかして…襲われてる…?



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