50 / 83
桜
掃除を終えた倉
しおりを挟む
和也が聖の家に来てから数日が経っていた。
修司が、二、三日したら向かえに来ると言っていたが、もうすぐ、一週間になる。
聖はいつも通りとまではいかないが、普通に食事して、倉の整頓を手伝ってくれた。
とは言うものの、途中で『懐かしいな…』と、本を読み出してしまうから、側に居るだけだが…。
和也は倉に有った、気になった本を数冊部屋に持ち込み、ずっと読んでいる。
彼も、本を読むことが好きらしい。
お茶を誘いに部屋にいくと、本を読みながら寝落ちしているときも有るが…。
思ったより平穏な日常だった。
倉も見違えるように綺麗になっていった。
大きなテーブルや棚の移動は、週に二回、日用品や食材を持ってきてくれる、小納谷の知り合いに頼み、運ぶのを手伝ってもらった。
さすがに怪我人を使うわけにはいかない。
倉の床は張り替えられていて、フローリングになっていたので、倉に有る物を使って、2部屋に作り替えた。
奥の部屋は、倉側の壁際に棚を並べ、箱物の中身を確認して、マジックで書き、まずは食器類だけ一ヶ所に集めた。
ここで宴会でもしたのだろうかと思うくらい、かなりの量がある。
使えそうな物は手前に置いて、使わないだろう物はさらに奥へ片付けた。
次にタンスを並べ、本棚の壁にして、倒れてこないように固定し、季節ごとの衣類をしまえるように、引き出しやすいように通路を広めに作った。
前側の部屋の、入って左片方の壁際に本棚を並べ、外の光が入る中央辺りに、天日干しにした絨毯を敷いて、低めのテーブルとソファーを置いた。
この倉には電気が来ておらず、外の光が頼りだ。
本の種類の分別は分からないので、取りあえず、自分が興味を持った本を壁際に並べた。
植物や動物などの図鑑、果樹、樹木、野菜の育て方、化学、地学など、参考書のようなものばかりに目が行ってしまう。
今の時点で左の壁際の本棚は、半分以上埋まってしまった。
きっとこれは棚が足りないな…。
入口付近に山積みにされた本は、全部片付けられそうに無かった。
そうだな…本棚でも作るか…。
黒龍は、物作りが嫌いではなかった。
今は無理だが、木材を買ってきて、組み立てていくのも楽しいかもしれない。
そんな事を思いながら、図鑑、参考書などだけを棚に入れていった。
日曜日の昼過ぎ。
修司が和也を向かえに来た。
読みさしの本は持っていって良いから。と、聖が言うと、和也はついでに、と、興味の有る本を三冊持って行った。
久しぶりに、二人だけの時間が戻ってきた。
今日は天気が良いので、和也が使っていた布団を外に干し、黒龍は倉の片付けは止めて、聖の部屋のベッドの横に座っていた。
聖の顔色はもとに戻っていて、黒龍が聖に触れると、聖は微笑んだ。
「クロに触れるの…久しぶりの様な気がする…」
「和也さんがいたから、何となく、な…」
黒龍も微笑んだ。
「…外は明るいけど…する?」
聖が上目遣いで見上げてきて、断れるわけがない。
黒龍は聖に口付け、ベッドに押し倒した。
修司が、二、三日したら向かえに来ると言っていたが、もうすぐ、一週間になる。
聖はいつも通りとまではいかないが、普通に食事して、倉の整頓を手伝ってくれた。
とは言うものの、途中で『懐かしいな…』と、本を読み出してしまうから、側に居るだけだが…。
和也は倉に有った、気になった本を数冊部屋に持ち込み、ずっと読んでいる。
彼も、本を読むことが好きらしい。
お茶を誘いに部屋にいくと、本を読みながら寝落ちしているときも有るが…。
思ったより平穏な日常だった。
倉も見違えるように綺麗になっていった。
大きなテーブルや棚の移動は、週に二回、日用品や食材を持ってきてくれる、小納谷の知り合いに頼み、運ぶのを手伝ってもらった。
さすがに怪我人を使うわけにはいかない。
倉の床は張り替えられていて、フローリングになっていたので、倉に有る物を使って、2部屋に作り替えた。
奥の部屋は、倉側の壁際に棚を並べ、箱物の中身を確認して、マジックで書き、まずは食器類だけ一ヶ所に集めた。
ここで宴会でもしたのだろうかと思うくらい、かなりの量がある。
使えそうな物は手前に置いて、使わないだろう物はさらに奥へ片付けた。
次にタンスを並べ、本棚の壁にして、倒れてこないように固定し、季節ごとの衣類をしまえるように、引き出しやすいように通路を広めに作った。
前側の部屋の、入って左片方の壁際に本棚を並べ、外の光が入る中央辺りに、天日干しにした絨毯を敷いて、低めのテーブルとソファーを置いた。
この倉には電気が来ておらず、外の光が頼りだ。
本の種類の分別は分からないので、取りあえず、自分が興味を持った本を壁際に並べた。
植物や動物などの図鑑、果樹、樹木、野菜の育て方、化学、地学など、参考書のようなものばかりに目が行ってしまう。
今の時点で左の壁際の本棚は、半分以上埋まってしまった。
きっとこれは棚が足りないな…。
入口付近に山積みにされた本は、全部片付けられそうに無かった。
そうだな…本棚でも作るか…。
黒龍は、物作りが嫌いではなかった。
今は無理だが、木材を買ってきて、組み立てていくのも楽しいかもしれない。
そんな事を思いながら、図鑑、参考書などだけを棚に入れていった。
日曜日の昼過ぎ。
修司が和也を向かえに来た。
読みさしの本は持っていって良いから。と、聖が言うと、和也はついでに、と、興味の有る本を三冊持って行った。
久しぶりに、二人だけの時間が戻ってきた。
今日は天気が良いので、和也が使っていた布団を外に干し、黒龍は倉の片付けは止めて、聖の部屋のベッドの横に座っていた。
聖の顔色はもとに戻っていて、黒龍が聖に触れると、聖は微笑んだ。
「クロに触れるの…久しぶりの様な気がする…」
「和也さんがいたから、何となく、な…」
黒龍も微笑んだ。
「…外は明るいけど…する?」
聖が上目遣いで見上げてきて、断れるわけがない。
黒龍は聖に口付け、ベッドに押し倒した。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
【完結】海の家のリゾートバイトで口説かれレイプされる話
にのまえ
BL
※未成年飲酒、ビールを使ったプレイがあります
親友の紹介で海の家で短期アルバイトを始めたリョウ。
イケメン店長のもとで働き始めたものの、初日から常連客による異常なセクハラを受けた上、それを咎めるどころか店長にもドスケベな従業員教育を受け……。
【完結】遍く、歪んだ花たちに。
古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
おっさん家政夫は自警団独身寮で溺愛される
月歌(ツキウタ)
BL
妻に浮気された上、離婚宣告されたおっさんの話。ショックか何かで、異世界に転移してた。異世界の自警団で、家政夫を始めたおっさんが、色々溺愛される話。
☆表紙絵
AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる