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新年会
昼間の事情
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「それより、昨日の真っ昼間から部屋に込もって!ビックリするじゃないの!」
紅緒がそう言い出して、思い出した。
そうだった。
それで、怒鳴り込んで来たのだ。
「何が?」
大輔は何の話か分からず首を傾げている。
「…急に部屋に上がって来るからだろ!こっちだって、そんなつもりは無かったんだからな!」
そんなつもりは無くても、抗えない。
「…おい、聖に何させてるんだ」
大輔が黒龍を睨んでくる。
みんな、聖に関しては、過保護になってしまう。
「…甘えて、離れたがらない。必死に理性を押さえても、誘ってきたら、断れないだろ!」
「…誘うって…」
大輔はキョトンとして黒龍を見てくる。
この際、ハッキリ言った方が分かるのかも知れない。
「膝の上に乗ってきて、胸に顔を埋めてきたりとか、帰ろうとしても『眠るまで側にいて』と、服を掴まれたりとか、断れないだろうが!」
可愛すぎて断れない。
「…断れない…」
大輔は同意して頷いてくれる。
分かってくれて嬉しい。
「もう!あんた逹わ!」
紅緒が頬を染めて怒る。
「だったら家に上がってくるな。せめて、庭先から声を掛けろ」
それが、精一杯の予防策。
聖の欲情に濡れた顔は誰にも見せたくないし、見られたくない。
「…わかったわよ。もう、遭遇したくないし…」
三人はため息をつく。
聖が大切すぎて、裏で手を取り合って予防線を張る気持ちがよく分かる。
「土曜日は、作り笑いで引き吊りそうだぜ。あっ、黒龍は聖を連れてきたら、いつも通り大浴場の掃除をしろよ」
「分かっている」
大輔が、話をそらそうと、週末の段取りを確認して、しっかりと念を押してくる。
「仕事が終わって聖を待っている間は、この部屋を使えばいいから」
そして、アメと鞭の使い方をよく分かっている。
聖の部屋に居れるのは、嬉しい。
ここには、本しか置いていないが、聖がどんなものに興味が有るのかを、少しでも知るためには、有難い。
「紗羅ちゃんも帰ってきてるのよね。久しぶりに会えるわ」
紅緒は嬉しそうに微笑む。
そうだな、彼女は聖の妹だから、パーティーに出席するため、帰省しているのかも知れない。
まあ、あの後、普通に学校の話をして、拒絶されてはいないから、会っても大丈夫だと思うが…。
「…紗羅は知っているのか?こいつらの事」
大輔が不安そうに紅緒に聞いている。
「知っている。年末に見られた。聖にキスされている所を…」
大輔は顔を真っ赤にして怒鳴った。
「何やってんだよ!」
「仕方ないだろ。気付くの遅れて、戸を開けてしまったんだから…」
聖からしてくれることは、たまにしか無いんだから、堪能するだろ…。
紅緒は頭を抱えて、言った。
「紗羅ちゃんにも言っておくわ。返事が来てから、戸を開けるように…」
「頼む」
そうしてくれ。
こっちもハラハラして聖に気付かれないように、するのは大変だ。
週末のパーティーを思い、三人は再びため息を付いた。
紅緒がそう言い出して、思い出した。
そうだった。
それで、怒鳴り込んで来たのだ。
「何が?」
大輔は何の話か分からず首を傾げている。
「…急に部屋に上がって来るからだろ!こっちだって、そんなつもりは無かったんだからな!」
そんなつもりは無くても、抗えない。
「…おい、聖に何させてるんだ」
大輔が黒龍を睨んでくる。
みんな、聖に関しては、過保護になってしまう。
「…甘えて、離れたがらない。必死に理性を押さえても、誘ってきたら、断れないだろ!」
「…誘うって…」
大輔はキョトンとして黒龍を見てくる。
この際、ハッキリ言った方が分かるのかも知れない。
「膝の上に乗ってきて、胸に顔を埋めてきたりとか、帰ろうとしても『眠るまで側にいて』と、服を掴まれたりとか、断れないだろうが!」
可愛すぎて断れない。
「…断れない…」
大輔は同意して頷いてくれる。
分かってくれて嬉しい。
「もう!あんた逹わ!」
紅緒が頬を染めて怒る。
「だったら家に上がってくるな。せめて、庭先から声を掛けろ」
それが、精一杯の予防策。
聖の欲情に濡れた顔は誰にも見せたくないし、見られたくない。
「…わかったわよ。もう、遭遇したくないし…」
三人はため息をつく。
聖が大切すぎて、裏で手を取り合って予防線を張る気持ちがよく分かる。
「土曜日は、作り笑いで引き吊りそうだぜ。あっ、黒龍は聖を連れてきたら、いつも通り大浴場の掃除をしろよ」
「分かっている」
大輔が、話をそらそうと、週末の段取りを確認して、しっかりと念を押してくる。
「仕事が終わって聖を待っている間は、この部屋を使えばいいから」
そして、アメと鞭の使い方をよく分かっている。
聖の部屋に居れるのは、嬉しい。
ここには、本しか置いていないが、聖がどんなものに興味が有るのかを、少しでも知るためには、有難い。
「紗羅ちゃんも帰ってきてるのよね。久しぶりに会えるわ」
紅緒は嬉しそうに微笑む。
そうだな、彼女は聖の妹だから、パーティーに出席するため、帰省しているのかも知れない。
まあ、あの後、普通に学校の話をして、拒絶されてはいないから、会っても大丈夫だと思うが…。
「…紗羅は知っているのか?こいつらの事」
大輔が不安そうに紅緒に聞いている。
「知っている。年末に見られた。聖にキスされている所を…」
大輔は顔を真っ赤にして怒鳴った。
「何やってんだよ!」
「仕方ないだろ。気付くの遅れて、戸を開けてしまったんだから…」
聖からしてくれることは、たまにしか無いんだから、堪能するだろ…。
紅緒は頭を抱えて、言った。
「紗羅ちゃんにも言っておくわ。返事が来てから、戸を開けるように…」
「頼む」
そうしてくれ。
こっちもハラハラして聖に気付かれないように、するのは大変だ。
週末のパーティーを思い、三人は再びため息を付いた。
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