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6 旅の途中
*旅の途中~
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あれから…ジンが『御神木』『宿り木』となって一年が過ぎ、リーンは再びヤマツカ村を訪れていた。
療養所のスバルの元を訪ねる。
植えた薬草が、どうなっているか気になっていた。
もう少し長く滞在する予定が、数日間しか居なかったため、管理の仕方のメモは置いてきたのだが…。
「獣人達が面等を見てくれてる」
そう言って笑った。
「俺、マメじゃないから…。リーンが植えていった薬草がある。て、話になって、山から狼達が来たときには驚いた。残してくれたメモを渡して、今は管理してくれてる」
「良かった。無駄にならなくて…」
獣人達との交流が行われる、もう一つのきっかけになったのならいい。
スバルと共に、『御神木』のもとへ行く。
静寂で優しい空気が流れている。
小風がふわふわと漂い、木の葉を揺らす。
かつて、ジンの住んでいた家は、綺麗に直され、村人や獣人の休憩所になっていた。
時折、ここで獣人達とも話すらしい。
『御神木』に触れ、
「…ジンフリークス」
そう呼ぶと、ジンそっくりの木霊が姿を現し微笑む。
まだ、一年…。
名前を呼ばれて姿を現すだけ。
後、十年、二十年と『御神木』として敬われれば、『木霊』としての声が聞こえるようになるかもしれない。
「また来るね、…ジン」
狼の里に預けてあるキリトと子獣達が心配だ…。
うまく皆とやって、いけてるだろうか…。
スバルと別れ、狼の里に向かうため森に入るとキリトがいた。
「迎えに行ってこい。って、言われて…」
ちゃんとロキの言う事を聞いているみいだ。
二人は狼の里に向かって歩き出す。
…首輪、外して上げても大丈夫だね。
「落ち着いたみたいだし、首輪外すよ」
そうリーンが言うと、キリトは足を止めて真剣な表情でリーンを見下ろす。
「…このままで、…いい」
「でも、邪魔じゃない?」
「…これだけが、…リーンとの確かな…繋がりだから…」
「…。お前がそれで良いならいいけど…」
キリトは再び歩き出した。
狼の里に着くと子獣達に会いにいった。
ロキは里の集まりの為、忙しいみたいだから後で…。
リーンの顔を見ると子獣達は駆け寄ってきて、抱きついて顔を擦り寄せてきた。
うん。可愛。
子獣達が満足して離れたところで、今後の話をした。
「このまま、ここの群れにいる?それとも、別の所に行く?」
子獣とキリトは顔を見合せ、リーンを見た。
「ここを出て行く。この子達の親がいたら見つけてやりたい。」
キリトの決意だった。
「お前達も、そう思っているのか?」
子獣達はリーンを見上げて、必死に答える。
「うん。皆、優しいけど、帰れるのなら帰りたい」
「危険がいっぱいで、怖いけど…」
「短い時間だけど、頑張って擬態が出きるようになった!」
「キリトが一緒にいれば怖くない…」
子獣達の意識も決まっている。
「わかった。ロキに話してみる。…どうしても見つけられ無かったら、獣人の町を紹介するから安心してね」
途方に暮れないように、最後の逃げ道だけは教えておく。
ヒイロ達は喜んで受け入れてくれるだろう。
リーンはロキとの情事の後、ロキの腕の中で微睡んでいた。
「しばらく来れないかも…しれない…」
リーンの髪を撫でる手が止まる。
「王都の方に行こうと思って…。最近、あの近くで大雨が降って、土砂崩れや洪水が起こってるって、聞いたから…様子を見に…」
王都はここからかなり距離がある。
今までみたいに、簡単に行けるような場所ではない。
「…。」
ロキが再び髪を撫で始める。
「リーンが決めたのなら、そうすればいい…」
「…キリトと子獣を連れて、一度、獣人の町グオルクに行く。それから…」
ロキが手を止めリーンに乗し掛かってくる。
「…出ていくつもりなのは分かっていた。だが、ここで、別の男の名前を出すのは寄せ!」
「…ごめん」
リーンはそう言ってロキを引き寄せ口付けた。
別れを告げるため、もう一日滞在し、リーンはキリトと子獣四人を連れて、獣人の町グオルクを目指した。
「何処を探せばいいか分からないでしょう。獣人のヒイロとチイなら、協力してくれるから…。まずは、グオルクに行くからね」
まだ、リーンは旅の途中…。
★★★★★
ご閲覧、ありがとうございます。
神の宿り木~旅の途中~ジン~
は、ここで終わります。
この後は、別の登場人物が出てくる、十数年の話です。
神の宿り木~旅の途中~ルーク~(現在進行中)
に、なります。
この話を書かないと、ルークに繋がらないので…。
リーンを取り巻く色んなエピソードがたくさんあります。
どこで入れるか、別に書くか、悩みながら進んでいきます。
また、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
療養所のスバルの元を訪ねる。
植えた薬草が、どうなっているか気になっていた。
もう少し長く滞在する予定が、数日間しか居なかったため、管理の仕方のメモは置いてきたのだが…。
「獣人達が面等を見てくれてる」
そう言って笑った。
「俺、マメじゃないから…。リーンが植えていった薬草がある。て、話になって、山から狼達が来たときには驚いた。残してくれたメモを渡して、今は管理してくれてる」
「良かった。無駄にならなくて…」
獣人達との交流が行われる、もう一つのきっかけになったのならいい。
スバルと共に、『御神木』のもとへ行く。
静寂で優しい空気が流れている。
小風がふわふわと漂い、木の葉を揺らす。
かつて、ジンの住んでいた家は、綺麗に直され、村人や獣人の休憩所になっていた。
時折、ここで獣人達とも話すらしい。
『御神木』に触れ、
「…ジンフリークス」
そう呼ぶと、ジンそっくりの木霊が姿を現し微笑む。
まだ、一年…。
名前を呼ばれて姿を現すだけ。
後、十年、二十年と『御神木』として敬われれば、『木霊』としての声が聞こえるようになるかもしれない。
「また来るね、…ジン」
狼の里に預けてあるキリトと子獣達が心配だ…。
うまく皆とやって、いけてるだろうか…。
スバルと別れ、狼の里に向かうため森に入るとキリトがいた。
「迎えに行ってこい。って、言われて…」
ちゃんとロキの言う事を聞いているみいだ。
二人は狼の里に向かって歩き出す。
…首輪、外して上げても大丈夫だね。
「落ち着いたみたいだし、首輪外すよ」
そうリーンが言うと、キリトは足を止めて真剣な表情でリーンを見下ろす。
「…このままで、…いい」
「でも、邪魔じゃない?」
「…これだけが、…リーンとの確かな…繋がりだから…」
「…。お前がそれで良いならいいけど…」
キリトは再び歩き出した。
狼の里に着くと子獣達に会いにいった。
ロキは里の集まりの為、忙しいみたいだから後で…。
リーンの顔を見ると子獣達は駆け寄ってきて、抱きついて顔を擦り寄せてきた。
うん。可愛。
子獣達が満足して離れたところで、今後の話をした。
「このまま、ここの群れにいる?それとも、別の所に行く?」
子獣とキリトは顔を見合せ、リーンを見た。
「ここを出て行く。この子達の親がいたら見つけてやりたい。」
キリトの決意だった。
「お前達も、そう思っているのか?」
子獣達はリーンを見上げて、必死に答える。
「うん。皆、優しいけど、帰れるのなら帰りたい」
「危険がいっぱいで、怖いけど…」
「短い時間だけど、頑張って擬態が出きるようになった!」
「キリトが一緒にいれば怖くない…」
子獣達の意識も決まっている。
「わかった。ロキに話してみる。…どうしても見つけられ無かったら、獣人の町を紹介するから安心してね」
途方に暮れないように、最後の逃げ道だけは教えておく。
ヒイロ達は喜んで受け入れてくれるだろう。
リーンはロキとの情事の後、ロキの腕の中で微睡んでいた。
「しばらく来れないかも…しれない…」
リーンの髪を撫でる手が止まる。
「王都の方に行こうと思って…。最近、あの近くで大雨が降って、土砂崩れや洪水が起こってるって、聞いたから…様子を見に…」
王都はここからかなり距離がある。
今までみたいに、簡単に行けるような場所ではない。
「…。」
ロキが再び髪を撫で始める。
「リーンが決めたのなら、そうすればいい…」
「…キリトと子獣を連れて、一度、獣人の町グオルクに行く。それから…」
ロキが手を止めリーンに乗し掛かってくる。
「…出ていくつもりなのは分かっていた。だが、ここで、別の男の名前を出すのは寄せ!」
「…ごめん」
リーンはそう言ってロキを引き寄せ口付けた。
別れを告げるため、もう一日滞在し、リーンはキリトと子獣四人を連れて、獣人の町グオルクを目指した。
「何処を探せばいいか分からないでしょう。獣人のヒイロとチイなら、協力してくれるから…。まずは、グオルクに行くからね」
まだ、リーンは旅の途中…。
★★★★★
ご閲覧、ありがとうございます。
神の宿り木~旅の途中~ジン~
は、ここで終わります。
この後は、別の登場人物が出てくる、十数年の話です。
神の宿り木~旅の途中~ルーク~(現在進行中)
に、なります。
この話を書かないと、ルークに繋がらないので…。
リーンを取り巻く色んなエピソードがたくさんあります。
どこで入れるか、別に書くか、悩みながら進んでいきます。
また、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
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