神の宿り木~旅の途中~ジン~

ゆう

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 そこから魔力の注入が始まった。
  昼が過ぎても、日が傾き始めても、『御神木』の魔力の吸収は止まらなかった。
 人族も獣人も交代しながら、魔力を注いでいく。
 食事は村長と村の八百屋が、運んできた。
 村の存続が掛かっているため、必死になっているのかもしれない。
 初めは恐々としていた人族も、同じ目的の為だと認識し始めてから、自分達と変わらない人なのだと感じ始めていた。
 人族と獣人が同じ鍋を囲んで食事をしたり、身体を休めるなんて、なかなか見ることの出来ない光景だ。
 こうやって少しづつ近付き、仲良く協力し会えていくと良いのに…。
「リーンそろそろ手を離せ」
 そう言ってロキが近付いてきた。
 朝から連続して魔法を使い、魔力を注ぎ込んでいる。
 いくら底無しの魔力とは言え、リーンの体力が持たない。
「おい、魔力が回復した奴。二、三人、リーンと変われ」
 人族の方から一人、獣人の方から二人が近付いてくる。
「ロキさん。もしかして、ここでスルんですか?」
「リーンをフィールドから出す分けには、いかないだろ」
 そう言って彼らが木に触れると、ロキは背後からリーンを抱き抱え、フィールドギリギリの端の方による。
 薄暗くなってきているフィールドの魔方陣だけが、淡く光っている。
「リーン。しばらく、こっちに集中しろ」
 そう言って、ロキはリーンの身体をまさぐり出した。
「…うん…」
 薄暗い中、衣擦れの音と、甘い声が響き出す。
「あぁ…はぁん…んっ…」
 その声に、魔力を放出している村の男達が狼狽うろたえ始めた。
 獣人達は慣れな様子で、チラリと人族を見る。
「気にするな。『魔力の交合』が、始まっただけだ。耳を塞いでおけ」
 そんな事を言われても、声だけが響いてもんもんとする。
「やべ…。集中力切れそう…」
 前を半勃にさせながら魔力を注いでいた。

 暗闇の中で甘い声が響く。
「…うんっ…んっ…はぁ…」
 甘い吐息が漏れる。
「あっ、あっ、あっっ…」
 荒い息が響く。
「もう…お願い…」
 すがるような泣き声。
「あっ…ダメ…もう…イっちやう…」
 切羽詰まった声。
「ああぁ…っ!」
 繋がった二人が暗闇のなかでぼんやりと光り、魔力の交合が終わる。 
 リーンが横たわり、ゆっくりと抜かれた。
「うんっ…」
 火照りと疲労感にリーンの目蓋まぶたが閉じていく…。
「しばらく目を閉じろ。まだ、最後の仕上げがあるんだろ」
「うん…。少し眠る…」
 リーンはロキに髪を撫でられながら目を閉じた。


 
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