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保護施設
複合魔法
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しばらくすると学校に行っていた子供達が順番に帰ってきた。
ユーリはラビの補佐をしながら夕食を食べさせ、ラビと一緒に年少組をお風呂に入れて、もふもふを洗って堪能して、風魔法で髪の毛を乾かしてあげた。
すると子供達が喜んで、キラキラとした目でユーリを見上げてきた。
魔法で乾かすのは珍しいのかしら?
「ほら、湯冷めしない内に、部屋に入りなさい」
「「「は~い」」」
子供達がパタパタと風呂場を出ていく。
「…風魔法で、髪の毛を乾かすなんて…」
ラビは驚いてユーリを見てくる。
「…もしかして、自然乾燥の方が良かった?」
普段から長い髪の毛を乾かすのは風魔法を使っているので、何も思わなかったが…。
「…それも…暖かい風…だった…気がするが…」
「ああっ…」
ラビが疑問に思ったのは風魔法の風が暖かかったからだ。
普通の風魔法だど、風しか起こらない。
それでも髪の毛を乾かすことは出きるが…。
「風魔法と火魔法の二種類を同時に使うから、私達は『複合魔法』と呼んでいるわ」
「複合魔法…」
ラビは関心を持って聞いているので、ユーリは説明した。
「単純に、暖かい風の方が、髪の毛を乾かすのに便利かなって思って始めた事よ」
何から説明すれば分かるだろう…。
ユーリは少し考えて、自分の属性から説明した。
「私は火と水と風が使えるの。特に強いわけでもないのよ。それで、髪の毛を乾かすのに最初は風魔法だけを使っていたのだけれど、寒い日に風だけでは冷たくて、ちょっと暖かく出来ないかな…って思って上乗せしたら、暖かくなったの」
ただただ、本当に冷たい風が寒かったのだ。
「…。」
ラビは目を見開いて、言葉無く驚いている。
「それから学生寮にいる時に皆で実験して、いろんな組み合わせを試して遊んだのよ。いくつもの魔法を組み合わせるから、勝手に『複合魔法』と呼んでいるの。以外と使っていないだけで、皆、いろんな属性を持っていたから出来たのだけれどね」
そしてユーリは学生寮にいた頃、色々とやらかしていた。
遠征に行った先で、シャワーが浴びたくて、火魔法と水魔法を組み合わせてお湯を作りだし、風魔法で細かい水滴にして、魔法でお湯のシャワーを作り出した。
土魔法と火魔法の使える子は、簡易的な部屋を土魔法で作り、火魔法で暖かい壁を維持して、即席のシャワールームが出来上がると、クラスメイト達は喜んだ。
大きな設備は出来ないので、同じように土魔法と火魔法を使える子に簡易部屋の作り方を教え、火魔法と風魔法を使える子と水魔法の子。水魔法と風魔法を使える子と火魔法の子。
二人一組にして、交代にシャワールームを使えるようにした。
そして火魔法と風魔法を使える子が髪の毛を乾かし、本来なら過酷な遠征が、楽しくて新しい『複合魔法』を確立させたのだ。
なので寮で二属性を持つものは、何か出来ないかと実験して互いに見せ合った。
「…それ…子供達に教えてあげてくれないか」
ラビは真剣な眼差しでユーリに言ってくる。
「ここにいる子供達は、まさにソレ…強くはないが、いくつもの属性を持っている。特化していないから、専門的に教えることが出来ずにいた…」
それを聞いてユーリは微笑んだ。
「そうね。いろんな属性を持つものが増えているのは現実。『複合魔法』が出来れば、魔法を使うのも楽しくなるかもしれないわね」
ラビはうん、うんと頷く。
「ありがとう。ココでの私の仕事をくれて」
ユーリは自分に出来ることを、初日に教えてくれて喜んだ。
魔法を使って楽しい生活が出来るように、たくさん教えてあげなくちゃね。
ユーリはラビの補佐をしながら夕食を食べさせ、ラビと一緒に年少組をお風呂に入れて、もふもふを洗って堪能して、風魔法で髪の毛を乾かしてあげた。
すると子供達が喜んで、キラキラとした目でユーリを見上げてきた。
魔法で乾かすのは珍しいのかしら?
「ほら、湯冷めしない内に、部屋に入りなさい」
「「「は~い」」」
子供達がパタパタと風呂場を出ていく。
「…風魔法で、髪の毛を乾かすなんて…」
ラビは驚いてユーリを見てくる。
「…もしかして、自然乾燥の方が良かった?」
普段から長い髪の毛を乾かすのは風魔法を使っているので、何も思わなかったが…。
「…それも…暖かい風…だった…気がするが…」
「ああっ…」
ラビが疑問に思ったのは風魔法の風が暖かかったからだ。
普通の風魔法だど、風しか起こらない。
それでも髪の毛を乾かすことは出きるが…。
「風魔法と火魔法の二種類を同時に使うから、私達は『複合魔法』と呼んでいるわ」
「複合魔法…」
ラビは関心を持って聞いているので、ユーリは説明した。
「単純に、暖かい風の方が、髪の毛を乾かすのに便利かなって思って始めた事よ」
何から説明すれば分かるだろう…。
ユーリは少し考えて、自分の属性から説明した。
「私は火と水と風が使えるの。特に強いわけでもないのよ。それで、髪の毛を乾かすのに最初は風魔法だけを使っていたのだけれど、寒い日に風だけでは冷たくて、ちょっと暖かく出来ないかな…って思って上乗せしたら、暖かくなったの」
ただただ、本当に冷たい風が寒かったのだ。
「…。」
ラビは目を見開いて、言葉無く驚いている。
「それから学生寮にいる時に皆で実験して、いろんな組み合わせを試して遊んだのよ。いくつもの魔法を組み合わせるから、勝手に『複合魔法』と呼んでいるの。以外と使っていないだけで、皆、いろんな属性を持っていたから出来たのだけれどね」
そしてユーリは学生寮にいた頃、色々とやらかしていた。
遠征に行った先で、シャワーが浴びたくて、火魔法と水魔法を組み合わせてお湯を作りだし、風魔法で細かい水滴にして、魔法でお湯のシャワーを作り出した。
土魔法と火魔法の使える子は、簡易的な部屋を土魔法で作り、火魔法で暖かい壁を維持して、即席のシャワールームが出来上がると、クラスメイト達は喜んだ。
大きな設備は出来ないので、同じように土魔法と火魔法を使える子に簡易部屋の作り方を教え、火魔法と風魔法を使える子と水魔法の子。水魔法と風魔法を使える子と火魔法の子。
二人一組にして、交代にシャワールームを使えるようにした。
そして火魔法と風魔法を使える子が髪の毛を乾かし、本来なら過酷な遠征が、楽しくて新しい『複合魔法』を確立させたのだ。
なので寮で二属性を持つものは、何か出来ないかと実験して互いに見せ合った。
「…それ…子供達に教えてあげてくれないか」
ラビは真剣な眼差しでユーリに言ってくる。
「ここにいる子供達は、まさにソレ…強くはないが、いくつもの属性を持っている。特化していないから、専門的に教えることが出来ずにいた…」
それを聞いてユーリは微笑んだ。
「そうね。いろんな属性を持つものが増えているのは現実。『複合魔法』が出来れば、魔法を使うのも楽しくなるかもしれないわね」
ラビはうん、うんと頷く。
「ありがとう。ココでの私の仕事をくれて」
ユーリは自分に出来ることを、初日に教えてくれて喜んだ。
魔法を使って楽しい生活が出来るように、たくさん教えてあげなくちゃね。
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