ロックに沼り音に溺れFXXKに堕ちる少年群(旧「ロック音塊中毒少年群」):RGF side【第一部 完】

十鳥ゆげ

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第5話:聖なる性獣アキラさん

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——な、なに、これ……



「み、三津屋くん……、何を——」



 俺が必死で言うと、三津屋アキラは、



「いや、リズム隊同士、親交を、深めようと」



 と何でもない声音で言い、俺のTシャツをまくって左手を胸に差し込んできた。



「ちょ、ダメ! 何やってんだよ! やめてよ!!」



 心の中では、全く別のことを考えていた。

 

——もっと、もっとさわって、もっと俺にふれて——



「ああっ!」

「なあ、結斗って呼んでいい? おまえここ弱いな」

 三津屋アキラは俺の胸ばかり弄った。俺はもう限界に近いくらいだった。

 もちろん、普段はそんなことはない。でも、今俺にふれているのはあの三津屋アキラだ。あんなに焦がれて、あんなに想い続けてきた男だ。

「はぁ、はぁ、み、三津屋くん、や、やめて……」

「はーい大嘘つきー」

 胸の突起を両方きゅっとひねられると、俺は大声をあげてしまった。

「いいねぇ、感度良好さん、俺好きよ」

 ダメだ、ダメだ! 

 いっそ抱かれるのは諦めても、『アレ』だけはバレないようにしなきゃ——

「み、つやくん、もう俺、無理……」

「ハァ?」

 その声には若干の『萎え』が含まれていた。

「こちら、聖なる性獣アキラさんは、まだ前戯のステップ2、といった具合なのですが。ちなみにステップは10まであります。体勢変えるぞ~」

 三津屋アキラは軽々と俺を抱き上げ、今度は俺を机に突っ伏す形で押し倒した。まずい、どうしよう、バレたら死ぬ、どうしよう、どうしよう! 

「ひぁ!」

 うなじを舐められて変な声が出た。そんな、舐めるとか、ちょっと、待って、ヤバい、ヤバいいいいいい!!

「かわいいのな。もっとこっちするか?」

 三津屋アキラが俺の上半身を起こし、また胸の突起にふれた。俺は何度目か分からない声をあげた。

「声量あんね、結斗。そろそろこっちも行く?」

 言いながら、彼は俺のデニムのベルトを手慣れた様子で抜き、あっさりとデニムを脱がせた。



——ダメだ、見られたらバレるかも、ダメだ! もう終わりだ!!



 しかし三津屋アキラは下着はそのままに、ゆっくりと片手を俺の下着に差し込んできた。



「あっ、あ、あっ」



——あ、ヤバい、こ、腰、勝手に動く!!



「ここからは懇願哀願、ないしはギブアンドテイクで続けようと思うのだがいかがだろうか」



——はい?



「はぁ、え、なに……?」

「結斗は俺にどうして欲しいか言う。したら俺もそうする。俺も結斗にどうして欲しいか言う。したら結斗もそれをする」



……何だよそれ、もう、頭が、ついていけない……。



「たーとーえーばー」 

  

 三津屋アキラの手が下着の中で俺の秘部に近付きかけたので、俺は声を出さないよう奥歯を食いしばった。



「須賀結斗くんは俺のこの手を前と後ろ、どっちに持ってきて欲しいでしょうか」

「はぁっ?!」

「んー、それだけは判断材料にならないのでとりあえずこっちにしましょうかね」



 手は前ではなく、後ろに進んだ。



「あああ、ダメ! やめて! お願い! お願いだからやめて!!」

「カウパーこんなに垂らして何言ってんの? 結斗くん、我慢はよくないですよ。じゃあ、次は、ここ」

「はぁ、ああっ!」



 頭が熱い。三津屋アキラが指をあてがったのはまさに入り口だった。



「結斗、どうして欲しいか言ってみ」



 俺は黙秘することにした。言ったら負けだ。俺は絶対墜ちてしまう。

 全部バレて、ドン引きされて、セフレにすらなれずに終わってしまう。

 

 あんなに、好きだったのに。

 やっと話せたのに。

 合意ではなかったとはいえ関係を持てたかもしれないのに。

 俺があんなことしてたのがバレたら——



「ぅあああっ!!」



「悪ぃな、結斗。俺が我慢できなくなっちゃった。おまえかわいすぎ」



 は、入ってる、三津屋アキラの指が、あ、動かされたら、俺も、腰が——



「ああぁ! うぅ、はぁん!」

「結斗おまえ、こっち初めてか? だったら才能あんぞ?」

「やぁ、やだぁ!」

「今更否定すんなよ、指だけでめっちゃ締めてくるし——、あれ?」

 

 俺は半分快感で意識が飛んだ状態で、三津屋アキラが『アレ』に気づいたことを察した。



 終わった。何もかも。
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