上 下
79 / 84
【純白よ、その深紅を黒に染めろ】

感想

しおりを挟む
「壊す?」
「あ、あの、それくらい、その、えと」
「激しく、という意味か?」
「う、うん……」
 クロイゼンはにやりと笑い、
「後悔するなよ?」
 と言ってセイジュの性器を握った。
「あ、ああ、クロイゼンの手、あああ、全部、全部クロイゼンだっ……」
「よく分からないが、俺を確認したいのか? じゃあここだろうか」
「うわぁああ!!」
 クロイゼンの細長い指が、秘部から侵入し、例の箇所をごりごりと刺激した。セイジュの性器からカウパーが漏れ、クロイゼンがそれを舐める。
「クロイ、ゼン……お願い……、もう、来て……」
「いいのか? まだ中がさほど——」
「いいからお願い! 早くクロイゼンの全部ちょうだい!!」
 自らフラフィのベッドに仰向けに寝転んだセイジュは、股を軽く開き、顔を真っ赤にしている。唇からは唾液が垂れ、秘部はひくひくとうごめいていた。
「この淫乱……!!」
 クロイゼンは容赦なく自らでセイジュを奥まで突いた。
「ああああ!!」
 セイジュが歓喜の声を響かせる。
「クロイゼン! 奥来て! いつもみたいに、奥! 奥突いて!!」
「クッ、キツすぎる……!!」
「あ、あ、来たぁ! やっと、やっと奥までぇ……!! もっと! クロイゼン、奥して! もっと奥突きまくってぇ——!!!」

   ◆ 

——検査結果
 どこまでも純粋に、貪欲に快楽を欲するが、1125番が執拗に『奥』、『奥に来て』と繰り返していたのは、物理的な意味ではなく、伴侶であるクロイゼン王子から与えられる何らかの心理的な愛情、安心感、一体感であると推測される。
 よって、1125番は最終的に肉欲で他のクリーチャーに全てをなげうつことはないと確定する。以上。

                                  【THE END】

「はぁ~、やっぱり壁女先生の作品は最高ね!」
「前回の学パロも良かったけど、壁女さんの本領は性描写よ!!」
「セイジュさまが快楽堕ちっていう流れでどうなることかと手に汗握ったけど、ああもう、言葉にならないわ!」
「クロイゼン王子も美しくてアヴィリードさんとも良かったけど、やはり正妻セイジュさまが最も尊い……!!」

「どうしたんです、ご婦人方」

「ミ、ミレヌ執事長!!」
「い、いえ、私たちはその、こ、交換日記を——」
「そ、その通りでございます! 女子トークの回し読みを……」
「王宮内で『薄い本』なるものが流行っているのは私も存じていますが、くれぐれも業務に支障にないよう、お願いいたしますよ」

…………。

「ミ、ミレヌ執事長って、イケオジよね……」
「そうね……。しかもあんな過去を持つ男よ……」
「反逆者シクロフスキなき後、近衛兵に戻るっていう噂もあるけど……」
「セ、セイジュさまと絡むのかしら……」

…………。

「壁女先生にリク送っちゃいましょうか……」


【結論】
どれだけ種族が混ざっていようが、そこに男が二人いる限り、そこには同時に腐女子も存在する。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【完結】塔の悪魔の花嫁

BL / 完結 24h.ポイント:99pt お気に入り:679

【完結】華の女神は冥王に溺愛される

BL / 完結 24h.ポイント:71pt お気に入り:114

【完結】疎まれ軍師は敵国の紅の獅子に愛されて死す

BL / 完結 24h.ポイント:127pt お気に入り:840

馬鹿犬は高嶺の花を諦めない

BL / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:111

愛しの妻は黒の魔王!?

BL / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:690

羊飼いとグリモワールの鍵

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:25

嫌われ忌み子は聖女の生まれ変わりでした

BL / 完結 24h.ポイント:284pt お気に入り:2,211

【完結】凄腕冒険者様と支援役[サポーター]の僕

BL / 完結 24h.ポイント:78pt お気に入り:1,002

天使様の愛し子

BL / 連載中 24h.ポイント:1,199pt お気に入り:5,947

処理中です...