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脱・引きこもり姫
大切な人① -レイア視点-
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私の生まれは特に勢力も無いただの男爵家だった。
私には兄が居て次の後継者は兄と決められていた。
その為、私に課せられたのは家同士の繋がりを強くするために最近、力を増してきているフロンティア侯爵家の一人娘の侍女になることだった。
誰かに仕えることに抵抗は無い。寧ろ、家のために動くことが出来て、光栄とも思っている。
唯一の心配事と言えば、侯爵の一人娘が新入りの私のことを受け入れてくれるかどうかだ。
私はあまり人との付き合いが上手くない。子供の相手なんて以ての外だ。
しかし、その心配事は杞憂だった。
フロンティア侯爵の愛娘であるエマ・フロンティア様は私を快く受け入れて下さった。
いつも、眩しいくらいの笑顔を向けてくれる彼女は周囲の人間にとても愛されていた。
「レイア!今日はおままごとして遊ぼう!」
「かしこまりました。今回の私の配役はなんでしょう」
「私のおねえちゃん役!私はレイアのいもうとで、今日はピクニックに行くの!」
「なるほど。では軽食をお持ちして来ましょうか」
「ううん、私もご飯一緒に作る!」
彼女は貴族でありながらも貴族のような人柄の少女ではなかった。
貴族の一人娘というと、傲慢で横暴なご令嬢が多いと聞くが、エマ様は全く持ってそんな性格ではなかった。寧ろ真逆だ。
平民がよくする様なことを自分もやりたいと言い出し、使用人の仕事を手伝ったり、侯爵の真似をして剣術も習いだした。
使用人の掃除を手伝っている時はソウジキが欲しい、や馬車に乗っている時はクルマに乗りたいなど、時折よく分からない造語を話したりするが、その点を除けば天真爛漫で心優しい少女だった。
緊張で固まっていた私の心も彼女はすぐに解してくれた。
そして、私が侯爵家の屋敷で一年が過ぎようとしていた頃、とある事件が起きた。
今思えば、私はかなり狂気に呑まれていたのかもしれない。
私の家が燃やされた。
それを私に告げた時の侯爵の表情は今でも覚えている。
とても申し訳なさそうな顔とともに少しの安堵が混じっていた。
そして、隣で聞いていたエマ様は何故か、とても真剣な顔をしていた。
「……事故というよりも、事件に近いのかもしれない。………君の家族の遺体は見つかったが、犯人はまだ見つかっていないらしい。本当に残念だ……レイア、君には好きなだけ休暇を与えよう。君もここまでよく働いてくれた。……しばらくは、ゆっくりとした時間を過ごすといい」
「侯爵様。私は平気です。確かに私の家族が亡くなったのは悲しい事態ですが、私は両親の命を遂行するまでです。私はこれまで通り、エマ様のお側で仕えさせて頂きたく存じます」
すぐ様そう言うと、侯爵様は酷く苦しそうな顔をした。私を哀れむような、悲痛そうな表情で。
そんな表情を向けられる意味が分からず、私は何か間違いをしてしまったのかと思い、即座に謝る。
しかし、これもまた受け流され更に悲しそうな顔をされた。
どうして。
すると、腕に力を感じ、小さな手が私の右腕を強く掴んでいることに気付いた。
「エマ様……?」
主の行動、そして侯爵様の行動の意味が分からず、私は困惑するばかりだった。
エマ様はそんな私に優しく微笑んで、部屋に戻ろう、と言ってきた。
私はそのままエマ様と共に部屋に戻った。
「………レイアは悲しくないの?」
「何がでございましょう」
「レイアの家族だよ。大切な人なんでしょ?」
「はい。大切です。両親のお陰で私は今、こうして侯爵家の侍女をさせて頂いております。寛大な心遣いに感謝しか思いません」
すると、エマ様はこてん、と首を傾げて私に言った。
「まるでえらい人に言ってるみたいだね」
「……その名の通り、私の両親は偉い方々なので。兄も私より優秀で……───」
「レイアは家族のことをあいしてるの?」
「………それは、勿論……」
言葉が詰まった。
愛してると問われれば違うと、一瞬思ってしまったのだ。
「あいしてないの?私はあいしてるよ。おとうさまもおかあさまも、とっても大好き!」
「………そうなんですね」
「レイアは?」
「………───私は」
自分の心が分からない。私は家族に対してどう思っていたのか。どう感じていたのか。どう接していたのか。
思い出せなくなってしまった。
「レイアはレイアのおとうさまと一緒に剣術をしたことはある?」
「え……」
急な話題転換に私は困惑する。
しかし、エマ様はただ真っ直ぐにこちらを見つめて、話を続けた。
「それとも、レイアのおかあさまとお花摘みに行ったことはある?」
私はその場で何も言えず立ち尽くす。
一人の、こんなにも小さな女の子を前に何も言えなくなった。
「レイアにはおにいさまがいたよね。私はいないから分からないけど、もし兄妹がいたら、一緒にピクニックに行きたいな。レイアはおにいさまとピクニックに行ったことはある?」
エマ様は一見無邪気に見えて、たまに鋭くなることがある。
他人の変化を感じやすいお方なのだろう。しかし、こんな風にエマ様に質問されるのは初めてだった。
他人から見れば、ただの家族についての会話に聞こえるだろう。
だが、何故か今の私にとっては尋問のようだった。
「レイア?どうしたの。大丈夫?」
「…………エマ様……私は……───」
何かが掴めそうになった時、タイミングが良かったのか悪かったのか部屋にノック音が響いた。
「エマ、ちょっといいかい?話があるんだ」
侯爵様の声だった。
落ち着きを払った、冷静かつ穏やかな声音。そして、娘への愛しさが溢れる弾んだ声。
私の父親はそんな声で私と会話していただろうか。
「あ、はーい。レイア、また後でね」
そうして、エマ様は去って行った。
去り行く背中に少しだけ、エマ様を羨ましいと、何故か思ってしまった。
理由は、考えても分からなかった。
家族が死んで一ヶ月経った頃、フロンティア侯爵様から私は両親による過度な洗脳を受けている、と言われた。
侯爵様によると、私の両親の教育はとてもじゃないが、子供がやって良い様な教育では無かったらしい。
洗脳で私を操り、自分達の良いように働かせていたと。
そして、通常貴族がメイドの役目をするのは婚約に支障があって出来なかったり、本人が望んでいた場合にのみ引き受けるものらしい。
つまり、私の両親は私を良いように利用する為の道具として私をメイドにさせ、フロンティア家に売ったのだという。
「………これを聞いて、君はどう思う?」
「当たり前だと思います」
私の答えに侯爵様の目が大きく見開かれる。
しかし、すぐに苦しそうな顔になってしまった。
「君は自分が洗脳されている事を自覚しているかい?」
「自覚、ですか。そもそも私は本当に洗脳されているのでしょうか。私が両親の為に足となり手となり動くのは当たり前の行動だと思います。それが私の役目なのです」
「………君は、洗脳されているよ。それも、とても良くない方向に。このままの状態でいれば、君はいつか自身を滅ぼしてしまう」
侯爵様は真剣に私に言っているが、私は侯爵様が言っていることを一つも理解出来なかった。
私の両親は凄い方々だ。それを敬って当たり前だ。両親の為なら、自分の身を滅ぼしてまで尽くすのは当たり前の行為だ。
「………君は自分の身を滅ぼしてまで両親のことを守りそうだね」
「………」
何も言っていないのに、私の考えていることを見破られた。
私の面食らった表情に侯爵様は困ったように笑って、私を見る。
「私は私の娘に、そんなことはして欲しくないよ。子供が親を守るのは確かに素晴らしいことだ。しかし、君の行動は親を守るものではない」
侯爵様は静かに断言した。
「子が親を守るのは、親が子を守っているからこそ成り立つものだ」
「……………」
侯爵様の言い方はまるで私が親から守られていないような言い方だった。
自分が今までしてきたことは間違いでは無いはずだ。
いつだって最善の選択をしてきた。
──それなのに。
どうして、侯爵様の言っていることの方が正しく聞こえてしまうのだろう。
考えても、分かることは無かった。
私には兄が居て次の後継者は兄と決められていた。
その為、私に課せられたのは家同士の繋がりを強くするために最近、力を増してきているフロンティア侯爵家の一人娘の侍女になることだった。
誰かに仕えることに抵抗は無い。寧ろ、家のために動くことが出来て、光栄とも思っている。
唯一の心配事と言えば、侯爵の一人娘が新入りの私のことを受け入れてくれるかどうかだ。
私はあまり人との付き合いが上手くない。子供の相手なんて以ての外だ。
しかし、その心配事は杞憂だった。
フロンティア侯爵の愛娘であるエマ・フロンティア様は私を快く受け入れて下さった。
いつも、眩しいくらいの笑顔を向けてくれる彼女は周囲の人間にとても愛されていた。
「レイア!今日はおままごとして遊ぼう!」
「かしこまりました。今回の私の配役はなんでしょう」
「私のおねえちゃん役!私はレイアのいもうとで、今日はピクニックに行くの!」
「なるほど。では軽食をお持ちして来ましょうか」
「ううん、私もご飯一緒に作る!」
彼女は貴族でありながらも貴族のような人柄の少女ではなかった。
貴族の一人娘というと、傲慢で横暴なご令嬢が多いと聞くが、エマ様は全く持ってそんな性格ではなかった。寧ろ真逆だ。
平民がよくする様なことを自分もやりたいと言い出し、使用人の仕事を手伝ったり、侯爵の真似をして剣術も習いだした。
使用人の掃除を手伝っている時はソウジキが欲しい、や馬車に乗っている時はクルマに乗りたいなど、時折よく分からない造語を話したりするが、その点を除けば天真爛漫で心優しい少女だった。
緊張で固まっていた私の心も彼女はすぐに解してくれた。
そして、私が侯爵家の屋敷で一年が過ぎようとしていた頃、とある事件が起きた。
今思えば、私はかなり狂気に呑まれていたのかもしれない。
私の家が燃やされた。
それを私に告げた時の侯爵の表情は今でも覚えている。
とても申し訳なさそうな顔とともに少しの安堵が混じっていた。
そして、隣で聞いていたエマ様は何故か、とても真剣な顔をしていた。
「……事故というよりも、事件に近いのかもしれない。………君の家族の遺体は見つかったが、犯人はまだ見つかっていないらしい。本当に残念だ……レイア、君には好きなだけ休暇を与えよう。君もここまでよく働いてくれた。……しばらくは、ゆっくりとした時間を過ごすといい」
「侯爵様。私は平気です。確かに私の家族が亡くなったのは悲しい事態ですが、私は両親の命を遂行するまでです。私はこれまで通り、エマ様のお側で仕えさせて頂きたく存じます」
すぐ様そう言うと、侯爵様は酷く苦しそうな顔をした。私を哀れむような、悲痛そうな表情で。
そんな表情を向けられる意味が分からず、私は何か間違いをしてしまったのかと思い、即座に謝る。
しかし、これもまた受け流され更に悲しそうな顔をされた。
どうして。
すると、腕に力を感じ、小さな手が私の右腕を強く掴んでいることに気付いた。
「エマ様……?」
主の行動、そして侯爵様の行動の意味が分からず、私は困惑するばかりだった。
エマ様はそんな私に優しく微笑んで、部屋に戻ろう、と言ってきた。
私はそのままエマ様と共に部屋に戻った。
「………レイアは悲しくないの?」
「何がでございましょう」
「レイアの家族だよ。大切な人なんでしょ?」
「はい。大切です。両親のお陰で私は今、こうして侯爵家の侍女をさせて頂いております。寛大な心遣いに感謝しか思いません」
すると、エマ様はこてん、と首を傾げて私に言った。
「まるでえらい人に言ってるみたいだね」
「……その名の通り、私の両親は偉い方々なので。兄も私より優秀で……───」
「レイアは家族のことをあいしてるの?」
「………それは、勿論……」
言葉が詰まった。
愛してると問われれば違うと、一瞬思ってしまったのだ。
「あいしてないの?私はあいしてるよ。おとうさまもおかあさまも、とっても大好き!」
「………そうなんですね」
「レイアは?」
「………───私は」
自分の心が分からない。私は家族に対してどう思っていたのか。どう感じていたのか。どう接していたのか。
思い出せなくなってしまった。
「レイアはレイアのおとうさまと一緒に剣術をしたことはある?」
「え……」
急な話題転換に私は困惑する。
しかし、エマ様はただ真っ直ぐにこちらを見つめて、話を続けた。
「それとも、レイアのおかあさまとお花摘みに行ったことはある?」
私はその場で何も言えず立ち尽くす。
一人の、こんなにも小さな女の子を前に何も言えなくなった。
「レイアにはおにいさまがいたよね。私はいないから分からないけど、もし兄妹がいたら、一緒にピクニックに行きたいな。レイアはおにいさまとピクニックに行ったことはある?」
エマ様は一見無邪気に見えて、たまに鋭くなることがある。
他人の変化を感じやすいお方なのだろう。しかし、こんな風にエマ様に質問されるのは初めてだった。
他人から見れば、ただの家族についての会話に聞こえるだろう。
だが、何故か今の私にとっては尋問のようだった。
「レイア?どうしたの。大丈夫?」
「…………エマ様……私は……───」
何かが掴めそうになった時、タイミングが良かったのか悪かったのか部屋にノック音が響いた。
「エマ、ちょっといいかい?話があるんだ」
侯爵様の声だった。
落ち着きを払った、冷静かつ穏やかな声音。そして、娘への愛しさが溢れる弾んだ声。
私の父親はそんな声で私と会話していただろうか。
「あ、はーい。レイア、また後でね」
そうして、エマ様は去って行った。
去り行く背中に少しだけ、エマ様を羨ましいと、何故か思ってしまった。
理由は、考えても分からなかった。
家族が死んで一ヶ月経った頃、フロンティア侯爵様から私は両親による過度な洗脳を受けている、と言われた。
侯爵様によると、私の両親の教育はとてもじゃないが、子供がやって良い様な教育では無かったらしい。
洗脳で私を操り、自分達の良いように働かせていたと。
そして、通常貴族がメイドの役目をするのは婚約に支障があって出来なかったり、本人が望んでいた場合にのみ引き受けるものらしい。
つまり、私の両親は私を良いように利用する為の道具として私をメイドにさせ、フロンティア家に売ったのだという。
「………これを聞いて、君はどう思う?」
「当たり前だと思います」
私の答えに侯爵様の目が大きく見開かれる。
しかし、すぐに苦しそうな顔になってしまった。
「君は自分が洗脳されている事を自覚しているかい?」
「自覚、ですか。そもそも私は本当に洗脳されているのでしょうか。私が両親の為に足となり手となり動くのは当たり前の行動だと思います。それが私の役目なのです」
「………君は、洗脳されているよ。それも、とても良くない方向に。このままの状態でいれば、君はいつか自身を滅ぼしてしまう」
侯爵様は真剣に私に言っているが、私は侯爵様が言っていることを一つも理解出来なかった。
私の両親は凄い方々だ。それを敬って当たり前だ。両親の為なら、自分の身を滅ぼしてまで尽くすのは当たり前の行為だ。
「………君は自分の身を滅ぼしてまで両親のことを守りそうだね」
「………」
何も言っていないのに、私の考えていることを見破られた。
私の面食らった表情に侯爵様は困ったように笑って、私を見る。
「私は私の娘に、そんなことはして欲しくないよ。子供が親を守るのは確かに素晴らしいことだ。しかし、君の行動は親を守るものではない」
侯爵様は静かに断言した。
「子が親を守るのは、親が子を守っているからこそ成り立つものだ」
「……………」
侯爵様の言い方はまるで私が親から守られていないような言い方だった。
自分が今までしてきたことは間違いでは無いはずだ。
いつだって最善の選択をしてきた。
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どうして、侯爵様の言っていることの方が正しく聞こえてしまうのだろう。
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